今回は、整体や指圧、東洋医学の治療家向けのお話です。頭痛の原因や種類、頭痛緩和のツボやストレッチ、冷えとりなどでの自分での頭痛のケアする方法は↓をご参照ください。
- 頭痛の原因と対策を知っておこう
- 偏頭痛(片頭痛)の対処法、首や頭の冷やし方
- 肩、首をほぐせば楽になる【緊張性頭痛の傾向と対策】
- 【頭痛のツボの自分での押し方】
- 頭痛になる前に治す【首を柔らかくするストレッチ法】
気と経絡
恵比寿整体院では気と経絡への施術を施術方針としています。世の中には様々な手技療法がありますが、症状や身体をモノ的に診る治療法には私は惹かれないんですね。
気や経絡の感性や理解が深まってくると、どうしても物理的な治療には限界を感じてしまいます。
一般的な整体でも、骨の歪みや筋肉のコリなどを症状の原因としているところが多いようですが、本当の原因は気の歪み(気の虚実)なんですね、骨が歪んで見えたりするのは。
もちろん肉体の損傷や緊急医療には、モノ的な治療は欠かせません。骨折や外傷など肉体に物理的に損傷や異常がある場合には、まず病院での適切な処置が必要です。
緊急医療、これが西洋医学の得意分野であり、その本懐でしょう。
しかし慢性的な症状を引き起こしている冷えや瘀血(おけつ)といったような身体の状態、虚証(気の流れの悪い体質、虚弱状態)と呼ばれる気の滞った状態の把握は西洋医学は苦手なのです。
慢性的な頭痛や身体のお悩みで病院で検査してもらっても、何も異常はなかった、検査場の数値には異常は見られなかったということはよくあります。
更に状態が悪化して、モノ的に異常が出てくれば検査でもわかりますが、その一歩手前の状態というのは中々、把握しずらいんですね。
これは頭痛や病気に限ったことではないですよね。
今まで溜まっていたものが爆発して、犯罪も革命も病気も起こるのです。
何事にも革命前夜というものがありますよね。犯罪前夜はなんか響きが嫌ですけど…
どこかで目に見えない要因が目に見える結果を引き起こすポイントがあるんですが、目に見える結果を無理やりどうこうしてもね、また次の目に見えない要因になるだけですからね。
痛み止め、鎮痛剤というのもそうですよね。根本的な問題の解決にはならない。
もちろん応急処置としてこれほどありがたいことはないのですが、薬というのはあまりに常用してしまうとまた別の問題が出てきます。
東洋医学では、今、処置しなければならない痛みなどの症状への対処と一緒に、その症状を引き起こしている根本的要因、体質や気の状態の改善も視野に入れています。
本治(ほんじ)といい根本的な治療ですね。何を根本的な治療とするかは人それぞれでしょうけどね。
人によっては、気の流れ、経絡のバランスかもしれないし、体質の改善かもしれない。もしくは冷えや瘀血(おけつ)といった全体の循環の改善かもしれません。
精神的なことを考えている人は、もっと心理的なことかもしれませんしね。
「未病を治す」というのもそうですね、目に見える状態の前にその要因を改善していこうというのが東洋医学の根底にあります。
東洋医学の古典でも、病気になってから治療を施すのは、戦争になってから武器を作るようなものだって書いてありましたね。
まぁ、でも、いつでも準備が万全というわけにもいきませんしね(だから人生は面白いのですが…)。
症状を改善できる対症療法とその根本的な原因(体質や気の状態、etc…)の両方の治療ができればね、最高ですよね。
あぁ話が長くなってしまいました。恵比寿整体院で私が行っている頭痛への施術法のご紹介ですね。
状態の把握
↓
全体への施術
↓
部分的な施術
↓
アドバイス
流れ的にはこんな感じです。
状態の把握
頭痛の痛みがMAXの時に、整体や東洋医学の治療を受けに来る人はあまりいないと思います。急性の頭痛、今までにない頭の痛みなどの場合には、まず適切な医療機関を受診することが大切です。
何でも東洋医学や自分の施術法で何とかなると考えてはいけません。
頭痛には、主に肩や首の筋肉の緊張が引き起こすズ~ンとした重い頭痛(緊張性頭痛)と血管が拡張して起こる偏頭痛(片頭痛)があります。
まれですが目の奥がえぐられるような痛みが出る群発性頭痛と呼ばれるタイプや、二次性頭痛という重篤な病気が引き起こす頭痛があります。
その状態(ここでは頭痛ですが)には何が必要で大切か、病院でのケアが必要なのか、ツボや経絡への施術が必要なのか、冷えとりが必要なのか。冷やしたほうがいいのか温めたほうがいいのか。
もしくはカウンセリング的なものが必要なのか、ケースバイケースなのですが、主に整体や指圧、その他の手技療法が扱えるのは、肩や首の筋肉の緊張が引き起こす緊張性頭痛です。
緊張性頭痛
この手の頭痛は肩や首の筋肉の硬直、緊張が原因ですから、ツボ押しやストレッチが効果的です。しかし、部分的な施術ではのぼせを助長することになりますから、全身的な施術→首などの部分的な施術が効果的です。
下半身の気の滞りを改善しないで、上半身ばかり刺激を与えると瞑眩(好転反応)ではなく、誤療による症状の悪化を招きますからご注意ください。
偏頭痛・群発性頭痛
これは典型的なのぼせの症状なので、首などのツボより手足の末端のツボが効くということが多いようです。
ケースバイケースですが、痛みが強い時、患部周辺が熱を持っている時には、余り患部に近い場所は施術しません。
頭が痛くても足のツボ押しで緩和することもよくあります。頭部の血管の拡張が原因ですから、のぼせを助長するような上半身だけへの施術はNGです。
恵比寿整体院での頭痛への処置法
基本は全身への施術のあと、気の歪み(虚実)の深い所への部分的な施術となります。
頭痛は、胆経や肝経の経絡の虚実が多いように感じています。この場合には胆経や肝経のツボ、もしくは阿是穴への施術が効果的です。
まれに膀胱経や、冷えや瘀血(おけつ)という状態が深い方は、腎経の虚実がある場合があります。この場合は腹部経絡への施術が不可欠です。特に腎虚の場合はお腹の腎経を押すと頭に響くということもよくあります。
首のツボが効く場合と、それより手足の末端のツボが効く場合と2タイプありますね、これもまたケースバイケースです。
冷えとりのアドバイス
実は治療よりこれが一番大事なのですね。慢性的な頭痛の方は、冷えや瘀血(おけつ)という状態が深い方ですから、時間をかけてこれらを改善していくことが望ましいです。
ツボや経絡への施術で、痛みなどの症状は緩和できますから本治の部分ですね。
身体が硬い人には、ストレッチなどをアドバイスしますけど、冷えとりは必須です。
これがね、難しいのですけどね。冷えとりのアドバイス。楽しんで自分から冷えとりや体質改善、本治に興味を持ってくれるようにね話さないとね。
上に立ってもダメ出しね、効能ばかり謳っても駄目だしね。この辺は経験なんですね。
相手に合わせて、理解しやすいように、興味を持ってもらえるようにアドバイスしないとね。
冷えとり基礎知識