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今回は女性に多く診られ、寒くなってくると痛みや痺れなどの症状が強まってくる坐骨神経痛の治し方をご紹介します。
坐骨神経痛が引き起こす痛みや痺れは、座骨周辺の筋肉をストレッチなおで柔らかくしたり、コってしまっているスジをツボ圧しで柔らかくしたり、半身浴などで積極的に下半身の血液の流れをよくしていくことで十分に緩和することができます。
特に坐骨神経痛に限らず、神経痛というものは冷えが強まると症状を悪化させてしまいます。ですから冷えとりが有効なのですけど、ストレッチやツボと冷えとりを組み合わせていただくことで、自分でも十分なセルフケアができます。
坐骨神経痛とは?
坐骨神経痛とは、腰から足にかけて伸びている「坐骨神経(ざこつしんけい)」が冷えや疲労など様々な要因によって、圧迫されたり刺激されたりすることであらわれる、痛みやしびれなどの症状のことを指します。
多くの場合は腰痛を伴い、お尻や太ももの後ろ、すね、足先などに痛みやしびれがあらわれるだけでなく、重度の場合は下肢の麻痺や痛みによる歩行障害を伴うこともあります。
固くコリやすい座骨周辺
デスクワークで椅子に長時間座っていたり、長距離運転のドライバーさん達に坐骨神経は多く診られます。私もパソコンの前に長時間座っていると、太ももの裏、太ももの付け根がコッて張ってきます。
長時間座っている姿勢ってよくないんですね、特に私はお肉少なめなシャープな体系なので余計に堪えます、椅子が冷たかったら余計に堪える…。
そういえば、お肉が多めの女性に坐骨神経痛は少ないような気がしますね。余分なお肉がクッション代わりになってくれているのでしょう、いいなぁ(笑)。
坐骨神経痛の天敵、冷え
神経痛は冷えがあると余計に辛くなってきます。冷え自体が筋肉やスジを硬直させてしまいますし、神経の流れを阻害してしまいます。
ですから坐骨神経痛も冷えを改善することが重要なのですが、どうやって冷えを改善したらいいのか?
全身を温めたほうがいいのか?痛みや痺れなどの気になる部分だけ温めたほうがいいのか?ホッカイロは有効なのか?別のやり方がいいのか?
ストレッチやツボのご紹介の前に、まず効果的な冷えとりの方法をご紹介いたします。
後でご紹介するストレッチなども冷えとりを行いながらやればより効果的ですし、安全に坐骨神経痛を治すことができます。
坐骨神経痛の治し方のコツ・冷えとり
冷えをとるコツ、それは足を温めることです。坐骨神経痛では痛みや痺れのある所を温めても効果はありません。
足が冷えていると、いくら体幹や症状のある部分を温めても血液は足先に行って冷えて戻ってきますからあまり効果はないのです。
東洋医学でいう冷えとは、下半身や足先が冷えてその反対に上半身や頭部がのぼせて、全身の気に巡りや血液に流れが悪い状態をいいます。
全身の循環が悪い状態ですね。この循環が悪い状態が続くと瘀血(おけつ)といって血液が汚れた状態に陥ります。
瘀血(おけつ)とは血液が粘性を帯び流れにくくなった状態です。ドロドロしたイメージですね。この瘀血がさらに循環を悪くして冷えが抜けない悪循環に陥りやすいのです。
冷えや瘀血(おけつ)は万病のもと、坐骨神経痛といえど無関係ではないのです。
冷えを改善できる温め方
冷えとりでおススメするのは半身浴です。足湯も有効なのですが意外と行いにくいものですが、半身浴なら行いやすく座骨周辺の冷えや下腹部の冷え(内臓の冷え)を効果的にとることができます、気持ちいいですしね。
半身浴のやり方:
- お湯はみぞおちくらいまで、心臓は温めません。
- 下半身だけ温めたいので、腕は必ず出して入ります。
- お湯の温度は39~40度くらい、熱すぎはいけません。
- お腹の中が温まるまで20分は入ります。長い分にはいくら長く入っても良いです。
- 工夫して半身浴を楽しみましょう。
さらに詳しくは体を柔らかくする半身浴のやり方をご参照ください。
あと冷えがお強い方は、日常的に絹靴下を履いて足を温めるとより効果的です。半身浴で冷えが取れても、また冷えてしまったらもったいないですもんね。
足先が温かいと、全身の気の滞りが改善して気の流れの良い体質になります。足が温かいと神経の緊張も改善して副交感神経優位のリラックスした状態に導くことができます。
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正直、半身浴と絹靴下で坐骨神経痛を引き起こすスジの緊張やコリをかなりの部分解消することができます。この冷えとりと合わせて、ご紹介するストレッチやツボ圧しを合わせて行っていただければパーフェクトです。
坐骨神経痛のストレッチ
では坐骨神経痛のストレッチを2つご紹介します。このストレッチ・ツボブログを読んでくれている方の中には、体が異様に固い方から標準的な方、体は柔らかいのに坐骨神経痛がある方、など体の柔らかさは様々だと思いますので、自分の体の柔らかさ、状態にあった深さでトレッチを行ってください。
ストレッチのコツ
坐骨神経痛といえど安全に効果的にストレッチを行うためには腹式呼吸が欠かせませんので、先に腹式呼吸をご説明します。
腹式呼吸を使ってストレッチを行うのと、浅い呼吸でストレッチを行うのとでは全く効果は異なります。ご紹介するストレッチはすべて腹式呼吸を使ってゆっくりと行ってください。
腹式呼吸:
息は口から吐いて、鼻から吸うようにします。
効果的に体を緩めるコツは、腹式呼吸にあります。いくら柔軟やストレッチをしても体が柔らかくならないような方は、呼吸が浅いのです。
体の固さって、神経の緊張が原因ですから、頑張ってうんうんとストレッチしても準備運動くらいの効果しかないのです。
腹式呼吸が初めての方もいらっしゃるかもしれませんが、呼吸をうまく使うと、普段から交感神経優位の緊張している体を、副交感神経優位のリラックス状態にすることができます。
ヨガのように呼吸を使い、腹式呼吸でリラックスしながらご紹介するストレッチを行うと、呼吸の度、息を吐くと体が緩まり、息を吸うと体がよりストレッチされるのを感じることができます。
腹式呼吸が苦手な方や初めての方は、体を柔らかくする腹式呼吸をご参照ください。
足の後面を伸ばすストレッチ
片足ずつ行うストレッチです。アキレス腱から膝の裏、太ももの裏まで足の裏面を気持ちよくストレッチできる形です。
膝を伸ばして前屈して足の先が掴めないと、このストレッチはうまくアキレス腱を伸ばすことができません。足の先が掴めない方はまずアキレス腱のストレッチで足の裏面を柔らかくしてからお試しください。
このストレッチは最後の姿勢がとても大事です。アキレス腱からふくらはぎ、膝の裏、太ももの裏までぴ~んと伸ばすことができます。
腰を丸くしないで腰を折るようにお腹を太ももに近づけていくのが、このストレッチのコツです。左右両方行ってください。
あと体の方向け加減、掴んだ足首の引き加減でアキレス腱だったり膝の裏だったり、太ももの裏だったり、ストレッチしたい場所を変えることができます。どこがどのように伸ばせるか色々と試して、自分のストレッチしたいところを伸ばせる態勢を探してください。
特に座骨周辺、太ももの後面の付け根がストレッチされるように態勢を調整するのがコツです。
座禅が組める人のストレッチ
上記のストレッチでも十分に座骨周辺をストレッチできますが、もっと深く行いたい方には左右別々に行うストレッチがあります。ヨガでいう蓮華座という形ですが、足首がここまで柔らかくない方は、上記のストレッチや股関節を柔らかくする方法で十分に足首や股関節を柔らかくしてからチャレンジください。
右足が下にあるなら、右手を左の膝に当てます。
片方が終わったら、足と手を反対にして行ってください。
足首が固くて足が組めない方は、初めにご紹介したストレッチで足首が十分に柔らかくなってからお試しください。足首が冷えるとこのスジが固くなってしまうので、冷えが強い方ほど足首も固くなっているんですね。
ご紹介した2つのストレッチは主に坐骨神経痛の痛みや痺れが出やすくコリやすい、太ももの裏、太ももの付け根をストレッチすることができます。しかし坐骨神経痛の症状の出る場所は様々ですので、ご自身の症状や状態にあった記事をご参考ください。特に腰や股関節の柔軟性は大事で、また末端の足首までしっかりケアすることも大事です。
坐骨神経痛のストレッチと合わせて読んでほしい記事
坐骨神経痛のツボ
はい、究極のセルフケアであるツボ圧しです。腰や体の後面のツボは圧しにくいので割愛させていただきますが、自分でも圧しやすい坐骨神経痛に効くツボを2点ご紹介します。
ツボ圧しは少し練習が必要かもしれません。さらに詳しくは坐骨神経痛のツボをご参考ください。
ツボの位置と圧し方
この寛骨周りには、たくさんのツボ(阿是穴)がありますので、下手な鉄砲も数てば当たるハズ…
また、ここのツボは深いところにありますので、お尻にお肉が多めの方は、お肉をかき分け頑張ってみてください。
ツボの位置と圧し方
写真のように仰向けに寝て、膝を曲げたときのVラインの際です。膝を曲げてから探して圧すと分かりやすいツボです。これも横から圧すようにしますが、浅いツボなので少し圧すだけで、気持ちよかったり響きがあると思います。下腿の方に響くことが多くあります。股関節が痛いときはとても効くツボですので、ぜひ見つけて圧してみてください。ツボが見つかったら5,6秒持続圧をします、5,6回繰り返して圧してみてください。
坐骨神経痛の治し方・まとめ
半身浴にストレッチ、ツボ、3つとも行ってもいいし、お好きなものを組み合わせても十分に効果がありますが、半身浴で冷えとりは外さないようにしてください。それほど大事で効果的なのです、冷えとりって。
自分で行える坐骨神経痛の治し方をご説明してきましたが、坐骨神経痛の症状が長引いている方、自分ではどうやってもコリがほぐせないような方は無理をせずツボや体の専門家にご相談下さいね。
とくに緊張しやすい太ももの後面や座骨の付け根のツボやスジは自分では圧せないところです。坐骨神経痛への施術にはツボとスジの専門家、鍼灸や指圧が最適かと思います。