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なぜか好評の体を柔らかくするカテゴリー、今回は肩甲骨を柔らかくする方法をご紹介します。肩甲骨と背骨の間が固い方、詰まったような感じでここをほぐしたい方は必見の内容です。
肩甲骨自体は骨なのでそれ自体は固くなりませんが、肩甲骨に付着している筋肉や腱が固くなったり、肩甲骨周辺のスジが固くなったりして肩甲骨の動きが制限されてしまいます。
肩甲骨周辺が固くなって肩甲骨の動きが悪くなってくると、さらに周囲の血液の流れが悪くなってより肩甲骨周辺が固くなり、肩が動かない、肩が上がらない、肩こり、首こり、肩こりからくる頭痛、など様々な不定愁訴の原因になってしまいます。
気の観点でいえば肩甲骨と背骨の間、ここが重要なんですね。主に胃や肝臓などの消化器と肺などの呼吸器の経絡(けいらく・気の流れ)があり、邪気はここから体に入り込みやすく、邪気が抜けにくいところとされています。
ストレッチやツボなどを使った肩甲骨を柔らかくするコツをお伝えしますので、肩甲骨周辺を柔らかくしたい方はぜひお試しください。
恵比寿整体院でも肩甲骨周辺のご相談はよくいただきます。施術においても肩甲骨周辺のケアは欠かせません。特に皆さん、肩甲骨と背骨の間が特に固くコッていらっしゃるんですね。
そして、ここは手が届きにくい、もしくは届かない、悲しい場所なのです。気になる場所なのに手が届かない…。
そんな場所なのですが、肩甲骨を柔らかくできる効果的なストレッチとツボがありますので、肩甲骨周辺をほぐしたい方、慢性的な肩こりなどでお困りの方は、解説を参考にして柔らかい肩甲骨を作ってくださいね。
肩甲骨周辺の構造
ん、肩は横から見ると複雑で解説が大変…。
扁平骨に分類される肩甲骨自体は浮いているような骨ですが、上腕骨と鎖骨とつながっています。
これらの関節が問題なくスムーズに動くことで、腕や手が自由に動かせるのです。知性の発達は手を使うことに始まったと考えると、この複雑な構造あっての人間の進化ですね。
そして、肩の構造は複雑なため、鎖骨と肩甲骨をつなぐ肩鎖関節の問題や鎖骨の骨折はなかなか厄介です。スポーツに多い衝撃を受けたことによる鎖骨や肩関節、肩甲骨の裏にある肋骨の骨折など、この周辺は複雑なため治療やリハビリも困難を極めます。
過去に事故や怪我で肩関節を壊してしまった方も今回ご紹介するツボや、肩関節のストレッチなどがお役に立てると思います。
背中、肩甲骨周辺の気の流れ
特に固くなりやすいのは、肩甲骨と背骨の間です。ここの左が固くコっている人は、食べ過ぎによる胃や脾臓への負担があり、右側なら飲酒や継続的な薬の使用などでの肝臓や胆嚢への負担が考えられます。
主にこの辺が固くなったり、コってくるのは食べ過ぎが原因なんですね。
背中は、お腹の次に大事な治療の場所です。なぜなら、背骨からは内臓へ走る自律神経が走行しており、東洋医学でも、内臓の反射区として内臓の反応点を定めています(背部経絡)。
ですから、指圧や鍼灸などの東洋医学では背中で受け手の状態を診断したりもします。
自律神経は内臓を自律的に働かせる神経で、交感神経と副交感神経で、興奮と抑制を繰り返しています。しかし現代人は何かと無理をしすぎてしまうので(働きすぎ、食べ過ぎ、飲みすぎ、ストレスを溜めすぎ、etc…)いまいち体のリズムである自律神経と折り合いがうまくいっていないのです。
~しすぎるというのは悲しい人間の性ですね。そして食べ過ぎ、飲みすぎなど内臓に無理をしすぎると、その内臓の自律神経、背中の経絡に顕著に影響が出てきます。背中の特定の個所が、固くなり張ってきたり、コッてきたり、痛くなってきたりします。そしてその状態で、更に無理をして、症状を悪化させてしまうのですね。
背中、特に肩甲骨と背骨の間は肝臓や胃の消化器の状態が反映されます。実はコリの正体は胃腸への負担であることが多くあり、コリは消化器の負担、食べ過ぎのサインなのですね。
背中の(経絡)気の流れは、背骨沿いを走る膀胱経、この経絡はその走行する位置どうり自律神経と関連しています。冷えやストレスで緊張しやすいスジです。あと頭部から肩、肩甲骨の際を走る胆経、胆経は消化の負担となる食べ物、油分や合成品などの摂りすぎで固くなりやすいスジです。肩甲骨周辺の小腸経ですが、小腸経は子宮機能とも関連していますので、女性は気の滞りが悪くなりがちで、固くなりやすいスジです。
あと、線ではなく面として捉えてほしいのですが、脾経胃経が左側、肝経胆経が右側に背骨と肩甲骨の間に存在します。
これらの気の流れの問題、コリや緊張は正確にツボを圧すことで解消できます。ツボはコリや自律神経の緊張を取れるリセットボタンのようなものです。ぜひ自分でのツボ圧しをマスターしてください。
猫背は肺虚
気の流れ(経絡)のお話のついでですが、肩甲骨周辺の問題で多く診られるのは、肺虚という状態(肺経の気の不足状態)です。肺虚だと胸椎4番目辺りが力なく弱ってきます。背中が丸くなり、呼吸は浅くなり、心理的には鬱屈している状態ですね。姿勢的には猫背という状態ですが、猫背は典型的な肺虚という状態です。
身体の姿勢を見ただけで、経絡の状態、心理的状態が分かりますね。これを東洋医学では望診といいます。患者さんの姿勢や歩き方、振る舞いを見た時から、診断と治療は始まっているのです。
猫背や肩こりでお困りの方は、今回ご紹介する肩甲骨を柔らかくする方法と合わせて、2つの肩甲骨を緩めるストレッチもご参考ください。気持ちよく猫背、背骨の状態を改善できます。
肩甲骨を柔らかくするストレッチ
はい、では肩甲骨を柔らかくする方法実践編、まずはストレッチのご紹介です。
肩甲骨を柔らかくするストレッチは3つあります。経絡という気の流れをストレッチできる形ですが、先ほどご説明した胃経・肝経・肺経のストレッチです。
ご自身の症状や体の状態にあったストレッチを行ってください。3つとも行えばパーフェクトです。
体を柔らかくするストレッチのコツ、気の滞りを回復させるコツは呼吸にあります。呼吸をうまく使ってご紹介するストレッチを行うと、体の芯からスジのコリや緊張をとることができます。
ストレッチのコツ・腹式呼吸:
息は口から吐いて、鼻から吸うようにします。
効果的に体を緩めるコツは、腹式呼吸にあります。いくら柔軟やストレッチをしても体が柔らかくならないような方は、呼吸が浅いのです。
体の固さって、神経の緊張が原因ですから、頑張ってうんうんとストレッチしても準備運動くらいの効果しかないのです。
腹式呼吸が初めての方もいらっしゃるかもしれませんが、呼吸をうまく使うと、普段から交感神経優位の緊張している体を、副交感神経優位のリラックス状態にすることができます。
ヨガのように呼吸を使い、腹式呼吸でリラックスしながらご紹介するストレッチを行うと、呼吸の度、息を吐くと体が緩まり、息を吸うと背骨がよりストレッチされるのを感じることができます。
腹式呼吸が苦手な方や初めての方は、体を柔らかくする腹式呼吸をご参照ください。
肩こりや猫背改善・肺経のストレッチ
まずは、肩こりさんや猫背の方の為のストレッチです。気の流れ的には、肺経という気の流れをストレッチできる形ですが、肩関節をとても気持ちよく伸ばすことができます。
肩甲骨周辺が固くて、肩が上がりにくい方、腕を上げると肩が痛い方、胸が閉じ気味で胸を広げたい方、などに最適なストレッチです。
オフィスなどでもできる簡単な立ち技バージョンからご紹介します。
肩甲骨とその間の背骨、肩関節の内部に効くストレッチです。上記のポーズをとって、ゆったりと10回ほど腹式呼吸をしてください。息を吸うたびに背中が伸ばされ、息を吐くたびに体が緩まるのを感じてみてください。
腹式呼吸をしていると、どんどん柔らかくなっていきますので、更に腕を上げてより深くストレッチしていくのがコツです。この形は猫背の改善、背中のコリ、五十肩や肩の症状にもとても効果的です。
寝て行うストレッチは肺経のストレッチにて解説しています。
こんなんね↓
肺経は悲しい思いがあると、虚しやすい経絡です。肺虚(はいきょ)という状態ですが、これは体は猫背気味、心理的には内面へ鬱屈している状態です。体の状態と心の状態、気の状態が一つなんですね。
詳しくは、肺経・大腸経のストレッチをご参考ください。
食べ過ぎ・筋肉やスジが固い・胃経のストレッチ
食べ過ぎる…、現代病の一つですね。
食べ過ぎが続くと全身の筋肉や関節が固くなってきます。これは胃経が手足の筋肉を司り、太い筋肉に胃経が走行しているため、食べ過ぎで胃経に負担がかかり筋肉がコってくるためです。
お腹の中、内臓にも大変よいストレッチで、肩甲骨周辺を気持ちよくストレッチすることができます。背中を反るのが苦手な方、背中が丸くなりがちな方、肩が上がらない方は是非お試しください。
食べ過ぎたり飲みすぎたりすると次の日、正座するのが辛いのはこの胃経という経絡が緊張しているからです。次の肝経もそうですが、足首といえど食べ過ぎが影響しているんですね。
飲みすぎ・肩関節が固い・肝経のストレッチ
肝経は体の側面を走行していて、全身の関節の力強さに関与しています。
関節に力がない、踏ん張りがきかない方、肩関節が痛い方、側屈が苦手な方、腕を上げると肩が痛い方、背中と肩甲骨の間が詰まっているような方に最適です。
まずは両足を開脚します。できるだけ開きますが、膝を曲げずにまっすぐにします。
身体の堅い人はこの状態で後ろに手をついて、できるだけ腰を立てて真っすぐにします。股関節が堅い人、疲れが溜まっている人は、この状態で深く腹式呼吸をするだけで、とても気持ちよく股関節がストレッチできます。それだけでも十分に効果がありますので、試しにやってみてくださいね。
開脚したら、写真のように手を組んで伸ばします。
頭の上に手を挙げて肘を伸ばします。腰が丸くならないように腰もまっすぐに立てます。
腰が丸くならないように側屈していきます。
限界まで側屈したら腹式呼吸をします。5,6回ほど深くゆったりと呼吸します。息を吸うたびに身体がストレッチされ、息を吐くたびに体が緩むのを感じてみてください。
腰が立たずに丸くなってしまうと、伸ばしたい肝経がストレッチできません。あまり深く側屈できなくてもよいので、腰を立て腰が曲がらないように行ってください。背中もまっすぐ、腕も肘を伸ばしてまっすぐに、足も膝を曲げずにまっすぐにすると、肩甲骨周辺の目的のスジが効果的にストレッチできます。
肩甲骨を柔らかくするツボ5点
究極のセルフケア、ツボ圧し。特にコリや緊張をとり肩甲骨を柔らかくできるツボが5点あります。ご自身の症状や状態にあったツボを圧してください。
今回は簡単なツボのご紹介だけにしますが、ツボの詳しい説明や圧し方は、肩甲骨のツボ5点・自分でコリをとる方法にて解説しています。
とりあえず、肩井
とりあえずビール、じゃなくてとりあえずは有名な肩井(けんせい)というツボを圧してみましょう。
一般的な肩こり、首と肩の付け根が痛い、肩が上がらないといったときには外せないツボです。肩井は自分でも圧しやすいのですが、胆経という経絡に属します。胆経のツボは圧すと痛いといった特徴がありますので(ツボや経絡ごとに特徴や個性があるのです)、心して圧してください。肩井は痛いくらいに響かして圧すのがコツです。
自分で圧すときは、人差し指でツボを真下に向かって圧すのがコツです。
肩甲骨のツボ2点
肩甲骨自体に効果的なツボが2つあります。肩が上がらない時や肩を動かすと痛いとき、肩甲骨自体が痛いときや動きが悪い時に最適なツボです。また上腕や肘が痛いときにも効果的です。
肩甲骨上縁のツボ
肩甲骨の横、脇のツボ
上記の2点のツボは肩甲骨自体を圧す感じです。2点とも浅いツボですので、軽く押しただけでも響く感じや痛気持ちいいツボ独特の感じがあると思います。2点とも強く圧しすぎないのがコツです。
鎖骨や肩の内部が痛いときのツボ
頸部前面、首と胸の付け根にあるツボですが、先に書いたような肩鎖関節の問題や過去に骨折などしてしまって肩関節の動きが悪い方などには最適なツボです。胸の邪気をとったり体の深部の邪気をとるのに最適なのですが、効果が高い分、深いツボとも言えます。
自分ではダメージを受けるほどは圧せませんが、気持ちいい程度に圧してください。胸や脇、腕にまで響くことがあります。
(響きとは邪気が抜け、気の流れが回復してくる証です)
肩こりからくる頭痛には頭の付け根のツボ
肩こりからくる頭痛などに最適なツボです。肩甲骨とは離れていますが、このツボを圧すと肩甲骨に響くことがよくあります。先ほどご紹介した肩甲骨上縁のツボとセットに圧すととても効果的です。
このツボは、拇指で頭の中心に向かって押すのがコツです。頭痛や脳の緊張、眼精疲労にも効くツボです。
ツボを正確に圧せたら、単に気持ちいいだけでなく、肩全体の緊張が取れたような、身体の深部から緊張が取れ全体が楽になった感じがあると思います。
肩甲骨周辺や背中のお悩みには、内科的な要因が原因のこともありますので、慢性的に背中のコリが気になったり、背中や肩甲骨の痛みでお困りの方はプロに診てもらいましょう。お近くの方は恵比寿整体院でもいいし、信頼できる鍼灸院や指圧師、整体師にご相談ください。
肩甲骨を柔らかくする方法・まとめ
お疲れ様です。ご紹介したストレッチとツボだけでも十分に肩甲骨を柔らかくすることができます。
あと、肩甲骨周辺の痛みや症状でお困りの方に役立つ記事、肩甲骨を柔らかくするのに役立つ記事をご紹介しておきます。
・半身浴
半身浴などで、血液の流れの良い状態を作ることも肩甲骨のみならず、体全体を柔らかくするのに役立ちます。
・背骨のストレッチ
体の中心である背骨のストレッチ。体はここが中心ですから、背骨から緩めると体全体が緩みます。特にお腹の中が重要なのでお腹の中と背骨を柔らかくできるストレッチを3つご紹介しています。
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