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体を柔らかくするシリーズ第10弾。今回はふくらはぎを柔らかくする方法のご紹介です。
ふくらはぎは実は「第二の心臓」とも言われていて、血液やリンパの健康的な循環には大切なところです。ふくらはぎが固い、疲れやすい、むくみやすい方は、今回ご紹介するふくらはぎを柔らかくする方法を実践して健康なふくらはぎを作ってください。
ふくらはぎ…、太モモ…。
人体はひらがな、カタカナにすると愛着がわくのは不思議ですね。特に太ももなんて、大腿(だいたい)と言うより情緒があってよろしい。
体の部位の名前もツボの名前も面白いもので、解剖学的な名称より親しみやすい名称の方が自分の身体を愛せる気がする…。
(私だけかな?)
今回はご好評の身体を柔らかくするシリーズの「ふくらはぎを柔らかくする方法」ですが、ふくらはぎの緊張や疲れをとり除き、血液やリンパの循環をよくするストレッチ、ふくらはぎの疲れやコリを即効的にとるツボ圧し、あとふくらはぎのむくみや血液リンパの流れを改善するには欠かせない「冷えとり」をご紹介します。
ふくらはぎ💛
ふくらはぎは主に足首を動かす筋肉がありますが、つま先で立つような姿勢、女性ならヒールを履いていると特に負担のくるところです。ですから、運動不足の方や足に筋力をつけたい方はつま先で立ったり歩いたり、つま先だけで階段を上ったりするのが良いとされていますね。
恵比寿整体院の施術は全身を診ますが、みなさん、ふくらはぎって疲れきっていて固く緊張しているんですね。それか運動不足で力なく柔らかすぎるか。
丁度良い塩梅のふくらはぎの人って余り診ないんですね。緊張しすぎているか弱りすぎているか。
これを東洋医学では虚実(きょじつ)といいます。虚が気の流れが弱い状態で、実が気の流れが過剰な状態です。
この気の虚実が顕著に分かるのが、ふくらはぎなんですね。臨床ではこの気の虚実を診断して施術の必要な経絡を決めますが、日本の東洋医学ではお腹を診る腹診があり、漢方では手の付け根の脈を診る脈診があります。
だから、ふくらはぎ診断があってもいいんですけどね。手足は経絡が束になっているから、どの経絡が虚実か診断はしにくいでしょうができないことではありません。
私が作ろうかな、ふくらはぎ診(笑)。この考えは代替医療全般に言えることですが、東洋医学は特に体の一点には全身の状態が宿っていると観ます。
顔だけ見ても全経絡の気の流れの状態があるし(鼻は肺経、目の黒目は腎経とか)、足の裏にも全内臓の状態や体の全部分の反射区があり、診断や治療ができます。イギリス発の足の反射区を使ったリフレクソロジーとかが有名ですが、漢方式の足つぼは主に経絡やツボを施術していきます。
お腹は特に全経絡の状態がわかるし、背中でもわかります。
実はこれ占いなどでも同じなんですね。中華思想ではすべてが五行に分類されます。木・火・土・金・水(もっかどごんすい)ですが、これらの割合や関係性をもって占いや診断に充てているのです。
だから顔だけで占いができたり、手相だけで占いができたりするんですね。気の治療も同じなのですが、一点に全体が反映されているというのは東洋思想の面白いところです。
あぁ、ふくらはぎのコトなのに話が脱線しましたね。でもふくらはぎといえど、全体の一部であり、思っている以上に重要なところなのです。
セクシャリティーの象徴のふくらはぎ
尾籠なお話ですが、女性は締りをよくするのにつま先で動いたりして、ふくらはぎや内ももを鍛えるのが昔から良いとされています。
(尾籠(びろう)って言葉も意味も知っていましたが、漢字は知りませんでしたね。尾籠(びろう)とはお下品なこと、話ずらいこと、という意味です。)
また中国の昔の文化の纏足(てんそく)は、幼児期より足に布を巻いて足が大きくならないようにするという、古来の中国で女性に対して行われていた風習をいいますが、内股の筋肉が発達するため局部の筋肉も発達すると考えられていました。
脱線ついでのお話ですけど、ふくらはぎってセクシャリティーの象徴みたいなところがありますね。女性もふくらはぎのむくみは何とかしたいし、できれば細い締まったふくらはぎにしたいと思っているはずです。
ふくらはぎとむくみ
ぴったりの靴を履いていると、一日の終わりにふくらはぎがむくんで靴がきつくなった、という経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
恵比寿整体院でもふくらはぎのむくみのご相談はよくいただきますが、冷えや塩分過多がそのほとんどの原因です。しかし、ふくらはぎのむくみには血管の病気などによる危険なサインの可能性のあるものがあります。
心臓から送り出された血液は全身の細胞に酸素や栄養分を行き渡らせますが、帰りは余分な水分や二酸化炭素や老廃物などを回収しながら静脈やリンパ管を通って心臓に戻ってきます。
血液が静脈やリンパ管を通って戻るときには、下半身、特に足の末端まで流れた血液は重力に逆らうことになるため、ふくらはぎの筋肉がポンプの役割を果たして血液の循環を手助けします。
下半身には70%もの血液が集中していて、この血液を心臓に戻すよう働いているので、ふくらはぎは「第二の心臓」ともいわれています。意外ですね。
だから冷えとりが大事なんですけどね。足を冷やさないようにして積極的に下半身を温めていると、この下半身の血流の停滞が回復するのです。
ふくらはぎがむくむ原因
長時間同じ姿勢でいたり、下半身の筋力の低下、冷え性、塩分過多など、ふくらはぎ「第二の心臓の」ポンプ機能がうまく機能しないためにむくみを誘発します。
とくに塩分には水分を抱え込む性質があり、体内に過剰な量を取り込むと余分な水分をうまく排出できなくなります。ふくらはぎに限らず外食が多かったりすると、顔や手のむくみが目立ってきたりもします。お顔を見るとその人の食生活までわかるんですね。
病気の可能性があるもの
突然むくみが生じたり、1週間以上むくみが消えないような場合は、血管や内臓の病気が原因の可能性があります。このような場合は、できるだけ早めに内科などの専門医に相談してください。
ふくらはぎのむくみで注意したい病気:
下肢静脈瘤
静脈にある血液の逆流を防ぐための静脈弁が壊れて、逆流した血液が足に溜まってしまう病気が原因のことがあります。心臓障害
心臓がポンプの役割を正常に果たせないことで血行が悪くなり、全身的なむくみを引き起こします。肝臓や腎臓の障害
肝臓は体の巨大な化学工場にたとえられ、解毒や栄養の分解貯蔵など様々な働きを持っています。腎臓は血液をろ過して再利用するリサイクル工場にたとえられますが、この二つは東洋医学でもとても重要視する内臓です。まさに肝腎な部位なのです。血管に水分を取り込んだり排出する浸透圧を調整するアルブミンという成分は、タンパク質を素にして肝臓で合成され、腎臓でろ過されています。肝臓や腎臓に何らかの障害が発生しているとアルブミンの量が減少し、水分がうまく血管に戻れなくなって、むくみの原因になります。
ふくらはぎを柔らかくする方法
では、ふくらはぎを柔らかくしてむくみをとる方法のご紹介ですが、ふくらはぎは手が届くのでセルフケアしやすいところです。
ストレッチを一つと、2点のツボ圧し、足を温める半身浴や絹靴下などの冷えとり、この3つをご紹介させていただきます。
全部行っていただいてもいいし、お好きなものを組み合わせてもいいいですが、ふくらはぎを柔らかくするのに外せないのは冷えとりです。
なんたって、ふくらはぎは第二の心臓です。循環不良を効果的に改善できる冷えとりは絶対に外せません。
ふくらはぎを柔らかくするストレッチ
今回はふくらはぎのストレッチを一つご紹介します。いつもなら何個かストレッチをご紹介するのですが、今回は特選なストレッチを一つ、よかったですね一つだけで(笑)。
ふくらはぎだけではなく、下肢全体のスジを伸ばして血流の流れを回復できる形です。ふくらはぎが固い、アキレス腱が固い、ふくらはぎが疲れている方はぜひお試しください。
ストレッチのコツ
ふくらはぎといえど安全に効果的にストレッチを行うためには腹式呼吸が欠かせませんので、先に腹式呼吸をご説明しますね。
腹式呼吸を使ってストレッチを行うのと、浅い呼吸でストレッチを行うのとでは全く効果は異なります。
腹式呼吸:
息は口から吐いて、鼻から吸うようにします。
効果的に体を緩めるコツは、腹式呼吸にあります。いくら柔軟やストレッチをしても体が柔らかくならないような方は、呼吸が浅いのです。
体の固さって、神経の緊張が原因ですから、頑張ってうんうんとストレッチしても準備運動くらいの効果しかないのです。
腹式呼吸が初めての方もいらっしゃるかもしれませんが、呼吸をうまく使うと、普段から交感神経優位の緊張している体を、副交感神経優位のリラックス状態にすることができます。
ヨガのように呼吸を使い、腹式呼吸でリラックスしながらご紹介するストレッチを行うと、呼吸の度、息を吐くと体が緩まり柔らかくなり、息を吸うと体がよりストレッチされるのを感じることができます。
腹式呼吸が苦手な方や初めての方は、体を柔らかくする腹式呼吸をご参照ください。
ストレッチの手順
今回は片足ずつ行うふくらはぎストレッチです。ふくらはぎ、アキレス腱から膝の裏、太ももの裏まで足の裏面を気持ちよくストレッチできる形です。左右同じくらいに行ってください。
膝を伸ばして前屈して足の先が掴めないと、このストレッチはうまくふくらはぎを伸ばすことができません。足の先が掴めない方はまずアキレス腱のストレッチで足の裏面を柔らかくしてからお試しください。
このストレッチは最後の姿勢がとても大事です。ふくらはぎからアキレス腱、膝の裏、太ももの裏までぴ~んと伸ばすことができます。
腰を丸くしないで腰を折るようにお腹を太ももに近づけていくのが、このストレッチのコツです。左右両方行ってください。
あと体の方向け加減、掴んだ足首の引き加減でふくらはぎだったり、アキレス腱や膝の裏だったり、太ももの裏だったり、ストレッチしたい場所を変えることができます。どこがどのように伸ばせるか色々と試して、自分のストレッチしたいところを伸ばせる態勢を探してください。
ふくらはぎの疲れやむくみに効くツボ
このツボは自分で圧しても響きやすいツボです。響きとはツボを正確に圧したときに感じる、つ~んとした感じ、ほかの部位や足先にまで響く感じ、いかにも「効いているなぁ」という独特の感覚です。
この響きとは、気の滞りが回復していく証であり、気の通りがよくなった証ですので、写真のツボの位置を頼りに響きのあるツボを見つけてください。ふくらはぎが筋肉痛の時やスジが張っている時には、即効的にスジの緊張をとる効果があります。
ツボの場所
膝の内側の脛骨の際にとても響くツボがあります。骨と筋肉の間にありますので、体表ではなく内部にあるツボです。
ツボの圧し方
写真のように膝を曲げると、スジが緩みツボを圧しやすくなります。
写真のように手を当て、内側の脛骨の際を拇指(親指)で探っていきます。骨の際に響くツボがありますので、少し強めに骨の際を探っていってください。響くツボが見つかったら拇指を回しこむように圧すと圧しやすいところです。
ふくらはぎを柔らかくする冷えとり
はい、健康と美容に欠かせない冷えとりですが、第二の心臓であるふくらはぎのケアには外せません。冷えとりは冷えやすい下半身を温めて、全身の循環を良くしていく健康法ですから、冷えが原因の様々な不定愁訴や循環障害を改善する最高のセルフケアです。
ふくらはぎのむくみや疲れが慢性的にあるような方、膝や足首が痛くて先ほどご紹介したストレッチができない方は、まず半身浴や足湯で下半身や下肢を温めてから行えば、より安全に効果的にふくらはぎをストレッチすることができます。
半身浴
冷えやすい下半身、冷えに弱い泌尿器などの下腹部内臓を温めるには半身浴が最適です。足湯などでもふくらはぎのむくみ、循環の悪い状態を改善できますが意外とめんどくさいもの、半身浴なら習慣的に行うことができます。
半身浴のやり方:
- お湯はみぞおちくらいまで、心臓は温めません。
- 下半身だけ温めたいので、腕は必ず出して入ります。
- お湯の温度は39~40度くらい、熱すぎはいけません。
- お腹の中が温まるまで20分は入ります。長い分にはいくら長く入っても良いです。
- 工夫して半身浴を楽しみましょう。
さらに詳しくは体を柔らかくする半身浴のやり方をご参照ください。
ふくらはぎを柔らかくする、むくみのケアには全身的なケアも大事
ふくらはぎには全身の血液やリンパの循環の状態が反映されます。食べすぎや飲みすぎ、暴飲暴食、運動不足や筋力不足でも疲れやすい、むくみやすいところなのです。あと冷えにも弱いところですね。
ご紹介したストレッチだけではなく、食生活の改善や冷えとりなど健康のためにできることはたくさんあります。先に書いたように、筋力不足や運動不足、冷えで血液の循環が悪いとふくらはぎのむくみを増長させたり、肝臓腎臓に負担をかけて様々な不定愁訴を招きます。
足は特に一つの関節だけでなく、ふくらはぎの上下の関節、足首と股関節のケアも大事です。全身的なストレッチや体を柔らかくする方法の記事など、ご自身の体の状態に合わせてご参考ください。
体を柔らかくするシリーズ