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鍼灸や指圧、もしくは自分でお灸をすえる有名なツボに三陰交(さんいんこう)があります。
効果的なツボは色々とあるのですが、三陰交は自分で取りやすいツボであり、鍼灸などでも不妊や婦人病の施術、多くの症状に多用される有効なツボです。
三陰交は恵比寿整体院でも患者さんにアドバイスしている「冷えとり健康法」や、冷えとりに欠かせない「絹の冷えとり靴下」を履き足元を温め「頭寒足熱」という気と血液の流れの良い状態を作るコトとも深く関係しておりますので、三陰交の説明と自分でのセルフケアをご紹介させて頂きます。
三陰交のツボは自分でも見つけやすく圧しやすいツボです。三陰交のみならず下肢の内側には重要なツボ、特に子宮や泌尿器に関するツボがたくさんありますので、治療においても無視できないところです。
今回は有名なツボ「三陰交」のご説明をいたしますが、ツボについて詳しく知りたい方はツボ基礎知識をご参照ください。ツボの種類や効果、探し方、圧し方について学べます。
ツボ基礎知識:
三陰交
三陰交は何千年も前から言い伝えられている有名なツボです。安産のツボとしても有名ですが、妊娠期~出産まで通して通年使われたり、不妊症、内膜症や月経の問題など婦人病の改善に特に有名なツボです。
この三陰交というツボの働き、施術の効果は「気の滞りをとり、気の流れを促進させる」働きです。
疎通の働きといいます。意志疎通の「疎通」ですね。なにかを円滑に通じさす働きです。
三陰交は、身体の中を流れる全ての物質の循環を促進させる働きを持つとされています。
何千年も、多くの妊婦さん達が安産を得られてきた事実があります。これは身体の様々な物質がなにかに邪魔されることなく、円滑に全身を巡る事こそが、すなわち妊娠を順調に経過させ安産を迎えることができる秘訣なのだと推測できます。つまり妊娠中は普段以上に体内の循環がよくないと、健やかな母体が維持できないのですね。
この「疎通」という働きは、不妊や婦人病の改善、妊娠~出産に限らず、他のさまざまな体のお悩みの改善や、健康維持の秘訣ですから、三陰交は様々な施術に日常的に頻繁に使われるツボなのです。
三陰交の名前の由来
三陰交とはナイスネーミングだと思いますね、三陰交は3つ陰が交わると書きますが、気の流れには陽経、陰経があり、滞りやすいのが陰経です。特に下肢に走行する陰経の、肝経、腎経、脾経は、名前を見ても分かる通り内臓の機能的にも重要ですよね。特に肝経、腎経は、まさに肝腎な経絡です。
これらの重要な気の流れ、3つの経絡が交わるポイントである為、効果も3倍(?)なのです。まぁ3倍はどうか知りませんが、足首、手首、頸部は気の流れが束になって集まるところであり、急所であります。効果的なツボもここら辺に多くあります。
五臓六腑と気の流れ
東洋医学では内臓機能を五臓六腑(ごぞうろっぷ)に分類していて、それぞれに気の流れ(経絡)があり全身を走行しています。
五臓とは西洋医学でいう実質臓器ですね。中身の詰まっている臓器です。
心臓、肺臓、腎臓、脾臓、肝臓、どれも生命維持に関わる大事な臓器で、五臓を患うことは生命に関わります。
六腑とは中身が空の管のような臓器です。
胃や小腸、大腸、胆のう、あと心包、三焦(この二つは東洋医学独自の概念です)
胃や小腸、大腸も大事なんですけど五臓ほどではありません。
また胃や小腸や大腸などは患いやすい部位ではありますが回復も早い臓器です。
五臓の場合は回復が遅い、もしくは回復が不可能な状態に陥りやすいとも言えます。
(回復が不可能な状態まで気づかずに悪化してしまう、肝臓などは沈黙の臓器とも呼ばれます)そして陰の気の流れ、陰経絡は五臓の気の流れのことです。
だから施術も陰経を重視して行う流派もありますし、六腑の気の流れ(陽経絡)より五臓の気の流れ(陰経)の方が重要なのであります。
そんな大事な陰経の交わる場所が「三陰交」なんですね。
だから三陰交は治療効果の高いツボとして有名なのでしょう。
三陰交の場所
下肢の内側、くるぶしの頂点から指4本分位上です。骨の際を上下に1~3センチの間で探ると、少しへこんでいるような箇所があります。骨の際に向かって押すと響くような、痛気持ちいいような、もしくは痛いところです。そこが三陰交というツボです。
ツボは決まった位置にはありませんが、だいたいの場所で、へこんでいるような箇所、肌の感じが柔らかい個所(逆に堅い個所)、圧すと響きが出る箇所などがツボです。
三陰交のツボの圧し方
上記の大体の場所でかまいませんから、親指で圧しながら数点探っていくと痛気持ちいいような、すごく痛い場所があると思います。人によっては足先に響くような感じがあるかもしれません。
その個所を10秒~20秒位、持続圧をします。5,6回ほど圧すと足先まで気が通ります。気持ちいいですよ。
三陰交への施術法は、足首のツボの圧し方として解説しています。施術家さんたちは三陰交への施術法をご参考ください。
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自分でできる三陰交へのお灸
三陰交に千年灸などを据えるととても気の流れが良くなります。
皮膚が柔らかいような所がツボですので、柔らかい所から少し離してお灸を置くことがポイントです。人によってお灸をすえる場所は微妙に違いますので、ご心配な方は恵比寿整体院にご相談下さい。お近くの鍼灸院や漢方院でも教えていただけると思います。
自分でできる鍼
鍼灸院では円皮針(えんぴしん)や皮内鍼(ひないしん)などの貼る鍼を処方してくれるところもありますが、鍼パッチ、皮鍼(ひしん)として一般的に売られています。テープに微小な鍼が付いているだけのものですが、ツボを持続的に刺激できるため、お年寄りやスポーツマンに、愛用されている方が多いようです。
これを三陰交に貼りっぱなしにしておけば楽ちんですね。もしくはパチンコ玉のようなものをテープでツボに当たるように貼りつけても刺激することができます。
三陰交と冷えとり
三陰交は冷えやすい足の気の流れを回復させる効果のあるツボです。
三陰交は冷え性改善のツボとしても名高いんですね。
実際に恵比寿整体院でも三陰交を施術していると「足がぽかぽか暖かくなってきた」という感想もよく頂きますし、低体温症の方に「自分でも三陰交にお灸をすえるといいですよ」とアドバイスしたところ体温が上がってきた、といったこともよくあります。
便利なツボなんですね、三陰交って。
まぁ、三陰交が便利なツボというより、皆さん日常的に下半身が冷えているから三陰交を刺激して効果が表れやすい、ということでしょう。
日常的に冷えがない人、気の流れがよい人はあまり三陰交を刺激しても意味はないかもしれませんね。
自分でできる三陰交の温め方:絹靴下
実は冷えとり健康法の基本である絹の冷えとり靴下は、冷えて気が滞りやすい足首や三陰交を温めることが目的でもあるのです。
履きっぱなしでいいので楽ちんですね。上記の方法と組み合わせてもいいし、冷えとり靴下を履かれるだけでも十分、気の滞りを改善します。
鍼やお灸の処方をしても日常的に足全体が冷えていたら効果も薄いと思いますので、お灸や鍼よりもまずは絹靴下で足首全体を温めてもらうのが最善かと思います。
また就寝時やデスクワークなどでも足元に陶器の湯たんぽを置いておくのも冷えやすい三陰交や足首を温め、気の流れを促進するのに役立ちます。
足元が暖かいって気持ちがいいんですね、足元が暖かいと上半身の神経の緊張もほぐれますしね。
日常的の肩の力が抜けないような人、頭がのぼせ気味な人、快眠したい人などには足元を温める「冷えとり」がおススメです。
三陰交を効果的に温める足湯や半身浴
足湯や半身浴などで積極的に下半身や三陰交の気の流れ(腎経・肝経・脾経)を温め気の流れを促進していくことは、健康にも美容にも大変な恩恵があります。私から言わせれば冷えとりをやらないのがもったいないくらいです。是非、冷えとりで気の滞りのない健康な体を実現してください。
まとめ
三陰交は解説したように冷え性改善に役立つツボですが、ふくらはぎの張りや緊張、アキレス腱の緊張やコリを改善するのにも大変役立ちます。
圧したり温めたりする三陰交への刺激と合わせて、体を柔らかくするストレッチなどを行っていただければ更に滞りやすい気の流れを改善することができます。
その他のストレッチやツボなど、ご自身の症状や体の状態にあったセルフケアをご参考ください。
自分で圧せるツボ