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今回はツボの効果について実際にツボへの施術を得意としている私が解説したいと思います。
ツボって一般的にはどの症状に効くとか、このツボはこの症状に効くとか言われていますが実は、これ嘘ではないけど本当でもない…。
ツボや気の話って科学的には証明しきれていないのでしょうがないのですけど、私の経験から手技によるツボの効果について解説してみたいと思います。
ツボって健康にはとてもお役に立てるモノです。しかし私もツボへの施術を学びそれを体得できるまでには相当の時間がかかってしまいました。
今回ご紹介するツボの効果は科学的な臨床を得たもの、アカデミックなものではなく私自身の長年の経験から言えるツボの効果です。
気やツボの世界にご興味のある方はど~ぞご参考ください。
ツボ基礎知識:
ツボの効果の嘘?
ツボの効果って一般的には「~に効くツボ」とか「~に効果のあるツボ」って解説されています。
しかし、このような効果は実は鍼灸からきているものです。
鍼灸や手技ではツボの効果は違う
鍼とはご存知のようにツボに鍼を刺して(大概は長い時間そのまま維持しておく)施術するもの。お灸は熱でツボを温めるもの。
刺激が強いんですね。指圧のように手技療法でツボを圧したり自分で指でツボを圧すのとは刺激の仕方もその効果も違います。
しかもツボや経絡への施術は診断があって初めて行えるもの。
気の虚実(気の不足と過剰)を診断して適切なツボへ施術するというものです。
同じ症状でも受け手の気の状態により施術するツボも異なるし、同じツボでも気の状態によりその効果も違う。
ややこしいんですね、ツボや気の話って。
もし一般に言われているような効果があったら病気治しには苦労しませんよね?
でも実際にはそうはいかない。正確な気の診断(受け手の現在の気の状態の把握)と適切なツボへの施術があって初めて効果が出せるものです。
ツボの種類と効果
ツボの種類については以前解説しましたが、ツボは全て阿是穴(あぜけつ)というものです。
阿是穴の中で効果があると認められたツボが名前のある正穴です。
ツボの種類:
ツボには正規に定められた(?)正穴(せいけつ)があり、この正穴は現在、WHO認定で365個、一定の効果のあるツボが発見されたりで、少しずつ増加中である。
定められたツボである正穴とは別に、名前もなく位置も特定できないツボ、体感できるツボ、効果のあるツボを阿是穴(あぜけつ)といいます。阿是とは読んで字のごとく「あ~これ」「あ~それ」「あっ!それ!」である(中国語です)。阿吽の呼吸の阿ですね。
阿是とはうまい言い方ですね。これは正確にツボを圧したり、押されたりすると感じますよね。「あ~これか!」って、「あ~そこは♡」って。明らかに他とは違う反応がある、ツボを反応点ととらえてもいいですね。個人的にはツボを的確に自分で圧したり、上手い人に圧されりすると、とても気持ちがいいです。いや、とんでもなく気持ちが良いです。骨の髄まで緩むような実感がある。
阿是穴は場所が決まっていませんし、スジ(経絡)の状態、スジがはったり、硬くなったり、逆に力なく弱っている時に現れるツボかもしれません。普段は無いけど、気の状態、からだの状態によってとれるツボ(本当は正穴もそうなのですが)隠れキャラ的な存在ですね。
もともと正穴も最初は阿是穴として発見されたのですが、長年の研究、臨床においてツボであると効果が確認された阿是穴が正穴として昇進したのです、レベルアップして場所と名前を与えられたのですね。
この逆もありそうですけどね、ツボのリストラ(笑)。
効果があるって言ってたのに実はできない奴だった…今の時代には合わない…
(人間を取り巻く環境も変わりますし、身体の状況も変わっていきますから、ツボや気の状態も変わらなければおかしいですもんね、これは意外と核心をついているかも)ツボの除名、降格処分(笑)
今のところあまりなさそうですが。鍼灸の学校などでは、阿是穴では根本的な治療にならず(本治といいます)、体の状態、気の状態を見極めて、正穴や奇穴を使って治療したほうがよいと、教えていたりします。
確かに内科の症状や、気の歪みが相当深い場合には、阿是穴より、正穴が効果的な場合もありますし、受け手の状態によってはこれの逆もあります。人間は一つの理論では説明、対応できないほど複合的で神秘的であるのです。
時と場合によっては阿是穴が重要なことも多いですし、特にスジの痛み、ぎっくり腰、動作痛などは阿是穴が効果的です。
まぁ難しく考えないで、スジ(経絡が流れる筋肉を経筋・けいきんといいます)を探っていってとれる気持ちよく感じるところや、気になっていたところ、痛みに響くようなところがツボ、阿是穴だと思ってください。
引用が長くなってしまいましたが、鍼灸では主に正穴に施術をしますが私の行う手技療法では主に阿是穴を施術します。
一般的に言われているようなツボの効果をもとにツボへ施術してもあまり効果がないんですね。(手技の場合)
それより受け手の気の状態に合わせたツボへ施術していくことの大事だし効果もある。
まぁ、受け手の気の状態やスジの状態、ツボの状態を把握するのも大変なんですけど、開眼してしまえば簡単なものです。
ツボを圧す効果
では手技療法でのツボを圧す効果、もしくは自分でツボを圧す効果ってどうなんでしょうか?
それは邪気をとり気の滞りをとり気の流れを活性化させていく効果です。
その結果、症状が改善されるんですね。決して症状を治すための施術ではなく症状を引き起こさないで済むような体内環境を作る効果がある。
これは間違わないようにしないといけませんね。
どうしても私たちは治病気や症状を治そう、治そうと攻撃的になってしまいます。
でも病気や症状も私たちの体や心が発しているものですからね、自分に対して攻撃的な治療を行うのもいかがなものかと思います。
病気や症状は全体的な気のバランスが崩れているよ、というサインですからその心身の訴えをよく聞いて全体的なバランスを整えるようにしていけばいいのです。
ケガや緊急医療はまた違いますが慢性病にはこれしかない。
だから初めに言ったような「~に効く」といったツボの効果はあまりないのです。
邪気(気の滞り)をとるツボの効果
邪気をとるツボの効果といいましたが、邪気とは別に悪い気ではなく気が滞っている状態を邪気と呼んでいます。
気の滞りを邪気というんですね。
阿是穴とは気が滞っているときに現れるツボとも言えます。
普段はツボとして存在していませんが、気が滞ってくるとツボとして現れてくる。
ツボとは気が滞っているときしか施術できないし効果もない、そう言えるかもしれません。
なんで気が滞るのか?なんでツボが現れるのか?
その本当のところはまだ解明されていませんが、何千年の経験から「そういうこと」となっています。
東洋医学は経験医学なんですね、ツボの効果も長年の経験から「このような気の状態のときにはこの辺にツボが現れやすくて、このツボに施術したらこんな効果がある」といった経験の蓄積です。
ツボは気の流れる関所と考えてもいいですね。
ツボは経絡(けいらく・気の流れ)上にあるのですが、健康的に気が流れていれば問題ない。
しかし、冷えやのぼせ、ストレス、食べ過ぎ、執着、環境の変化などにより気が滞り、それがツボの状態として把握され施術して改善することができる、ツボの効果はそうも言えると思います。
スジのコリを即効的にとる効果
邪気とか気が滞るとか気の話ってあいまいになりがちですが、実際のツボの効果と言えば気が滞るとスジがこってくる。
このようなスジのコリはマッサージなどでは取れません。
気が滞る、これを虚(きょ)といいますが、経絡が虚してくるとスジが細く奥まっていきます。
虚とは不足、気の不足、気の虚弱状態ですからスジが元気がなくなって細く硬く奥まってスジ張ってくる。
ツボというのもこのスジ上にあり、読んで字のごとく壺です。
スジが虚してくるとツボのような部分が現れてくるんですね。すっぽりと指がはまるような陥没した部分が現れてくる。
これは長年、多くの方のスジの状態を手で触っているとわかるものです。
まぁ、難しいことは抜きにしてスジのコリにはツボが効果がある、と思ってください。
しかも即効的な効果がある。正確にツボを圧せれば数点のツボ、もしくはツボを一点圧しただけでスジのコリがとれる。
また、あまりにも気の滞りが長く続けば血液の流れも滞り、血の汚れた状態「瘀血(おけつ)」を引き起こします。
そんな状態が長く続けば内臓にも負担がかかってくるし、冷えやすく瘀血に陥りやすい体質の女性ならなおさら持病を悪化させてしまいます。
そのような状態を回復させる効果もツボの効果の一つですね。
特に効果のあるツボ・特効穴
鍼灸などでも特に効果のあるツボを特効穴として流派ごとに定めてあったりしますが、セミナーで教える為に私がよく使うツボやスジのコリや痛みにはとても役立つツボを20点定めました。
このストレッチ・ツボブログでは様々な自分でツボを圧せるセルフケアのやり方を解説していますので、スジのコリや痛み、関節の痛みなどご自身の症状や体の状態にあったツボをご参考ください。
人気のツボベスト3(笑)
治療家さんたちへ、ツボへの施術の仕方は20点のよく効くツボたち、特効穴まとめにまとめてあります。