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あられもないアイキャッチですんません、今回は会陰(えいん)というツボの解説です。
会陰って解剖学的にも使われる言葉なのですがツボの名前でもあるんです。
会陰は一般的には東洋医学の施術でも使われないし、日常的に自分でセルフケアできるツボではありませんが体軸や気の流れ的には重要なツボです。

前回の鼠径部ってどこ?に続き今回は会陰というツボの解説ですが、恵比寿整体院でも「会陰ってどこですか?」というご質問は女性からたまにいただきます。
会陰はあまり自覚症状が出るような部分ではありませんが繊細な部分ですのでご興味がある方が多いのだと思います。
女性は出産などで会陰切開する部分でもありますし、会陰マッサージというものもあります。
ネットでは「冷え性には会陰を温めるといい」とありましたがこれは真相は不明ですし、冷えとりをアドバイスしている私も会陰を温めるとはアドバイスしません。
会陰は施術でも使われないツボですが気の流れ的には体の中心軸上にあり、私もセミナーでは「会陰を落とすように」とか「会陰に力を入れるように」と合気や施術での体と気の使い方にアドバイスしているところです。
気の中心点である丹田(たんでん)と会陰というツボの位置や感覚を体得していると、体や気の使い方が大変上手くなります。
それは丹田や会陰が体軸や重心、気の中心や気の流れ的に重要なツボ、部分であるからなのですね。
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会陰ってどこ?
会陰ってここ↓
場所が場所だけに写真ではお見せできないところなので稚拙なイラストですみませんね。
解剖学では広義には左右の大腿と臀部で囲まれる骨盤の出口全体をさします。
ツボとしては体の正中線上の一点です。
骨格的に会陰を見ると、
下腹部で自分でも触れる恥骨があり恥骨は軟骨で結合されています。
下から仰いでみると、
おぉ~、なんか迫力がある。
私も初めて下から骨盤を仰いでみました…
なんか蜘蛛のようですね。
ツボとしての会陰は本当に体のど真ん中って感じがしますね。
参考リンク:会陰ってどこ?
ツボとしての会陰
体の正中線(ど真ん中)の気の流れを前は任脈(にんみゃく)、後ろを督脈(とくみゃく)といいます。
気の流れ的には写真のように体の前の上から下の流れである陰経(任脈)、体の後ろの下から上の流れである陽経(督脈)です。
気って流れているものですから方向性があるんですね。
下から上が陽経、上から下が陰経ね。
(ちなみに腕は上げて考えるので腕の内側が脇から手に流れるのが陰経、腕の外側が手から体に流れる陽経です。)
陰経と陽経は体の日の当たる部分と影の部分ととらえると理解しやすいです。
動物のように四つん這いになった場合は背中は日に当たるけどお腹は影になりますもんね。
腕や足の気の流れ(経絡)も日に焼けている部分に陽経が流れていて、日に当たりにくい肌が白い内側が陰経です。
で、任脈と督脈が交わうところが会陰です。
陰が会う、とはなかなか素敵なネーミングなのですがこれは前陰と後陰が会うという意味です。
まぁ、陰とか楊とか東洋医学は学問的に学ぶとややこしいのですが、体もプラスがあればマイナスがある。
体を動かすエネルギーも反対の方向性のある陰陽の流れがあるのだと理解してください。
丹田と会陰

腰椎の前に丹田という気の中心点があるのですが、この腰骨の前っていかにも体の中心という気がしませんか?
丹田はお腹の中の気の中心点で、実際に丹田を中心に体を動かしたりエネルギーを伝えたりしています。
だから東洋的な武道や芸能では、丹田を中心に動けるようにしたり丹田を中心に体の軸と中心をぶれないようにする修練を積むんですね。

スポーツなどでも腰をまっすぐに落とす、重心を低く保つ、軸と重心を安定させる動きというのはとても大切です。

施術や合気でも会陰を落とす、丹田を落とす動きというのは最大の力を引き出します。
会陰をまっすぐに落とす、会陰に導かれるように丹田を落とす、このような体の軸と中心をブラさずに力を引き出すことができれば最小の動きで最大の力を発揮することができるようになります。
こういう丹田や会陰を意識して軸や重心の訓練をしていると、気というものが体得、感得されてくるんですね。

ツボとはエネルギーの分岐点、関所であると思えば自分でも意識しやすい部分がツボと言えるかもしれませんね。
会陰周辺や鼠径部のスジのコリが原因のセルフケアは足の付け根が痛いときの治し方のコツに書いてあります。