恵比寿整体院が贈る気の癒し鍛錬編・気の原理1、丹田と4つの動きに続き、今回は気の原理2、シンクロのご紹介です。
気が強く効率的に働く原理を5つ、ひとつずつご紹介しているのですが5つとも切り離せないものです。
前回の丹田と全身のシンクロ、丹田の動きと手足の動きを合わせるシンクロ、イメージと身体の動きのシンクロ、気の原理4の腎経というパワーラインとのシンクロ、5つの気の原理はそれこそ全てシンクロしているのですが、初学者に分かりやすいようまずひとつづつ解説しているのです。
まず気の原理をひとつづつ体得して、自分の動き、力の入れ具合を気の原理に即して行うことで、最高のパフォーマンスを行えるようになります。
気の原理・シンクロ
シンクロとはシンクロニシティ(synchronicity)、心理学では「意味のある偶然の一致」のことで、日本語訳では「共時性(きょうじせい)」「同時性」「同時発生」です。
簡単に言えば、全身が協調して同時に動くとき、部分で動くのではなく全身に力を入れて動くとき、自分の身体の軸と中心(丹田)を動きの中心とするとき、身体は最も効率的に最高の力を発揮できるということです。
シンクロとは身体の全ての動き、力の入れ具合をリンクさせる、とでもいえばいいのかな。
そしてシンクロには様々なシンクロがあります。
丹田とのシンクロ
丹田と全身の動きをシンクロさせるとき、気は最も強く働きます。
いや、丹田を動きの中心とすると勝手に身体はシンクロするのです。
気の中心である丹田と体軸をぶれないように安定させること、丹田と体軸を意識すること、これができれば何事も様になります。
これができないと、腰が抜けている、お腹に力が入っていない、お尻が出ている不格好な姿勢になってしまいます。
気の鍛錬法・実践編でお伝えする気を強くする運動がありますが、この丹田と全身の動きをシンクロするように動くことでこの感性は誰でも体得できます。
腎経とのシンクロ
腎経とは身体のパワーライン。実はこの腎経を動きの中心とすると勝手に全身はシンクロするのです。
先ほどの丹田もそうです。腎経上に丹田があるので丹田に力を入れれば腎経にも力が入るし、腎経に力を入れれば丹田にも力が入るのです。
この丹田と腎経がある程度の力を入れているときは、全身を瞬時に動かすことができます。反対にここの力が抜けていると瞬時に動けない。
スポーツでも武道でも型というか「構え・かまえ」ってありますよね。スタンスといってもいい。
どのようなスポーツや武道、芸能でも基本の構えってあると思うのですが、こういう構えって全て丹田と腎経に力が入っている状態なんですね、だからこそ瞬時に動ける。
全身のシンクロ
部分的にではなく全身をシンクロさせること、これが気が最も強く働くのですが丹田と腎経に力が入っていれば自然と全身がシンクロします。
部分だけ動かさない、これはとても大事ですね。指でツボを圧す、ということも実は丹田や腎経をシンクロさせて圧さなければツボの底に届きません。
部分的な動きというのは、必ず受け手の無意識の抵抗を受けます。
スポーツや武道でも、受け身や衝撃を吸収するというときは必ず全身で行わなければいけません。部分的にこれをやろうとするとケガをします。
また美しい動きも全身がシンクロしているからできるんですね。
フィギュアスケートでも手の指を反らす時でも、体の中心と軸に力が入り全身が張り詰めているから美しいのです。
イメージとのシンクロ
イメージとのシンクロ、これがうまくできれば何でもできる。
イメージ通りに身体が動かないからいかんのですね。
だからスポーツでも武道でも舞踏でもダンスでも、あらゆるコトは型を反復して何度も何度も学び、自分がイメージ通りに動けるようにするのです。ツボ圧しもまた同じです。
そしてイメージこそ気の力、いやイメージに沿って気が働く、とでも言ったほうがいいのかな。
自分がこう動こう、こう力を入れよう、というイメージがあるから気が働くんですね。
相手とのシンクロ
相手のいないダンスやスポーツでは関係ないコトですが、相手のいるスポーツやダンス、様々な芸能では相手とのシンクロも大事です。
社交ダンスだってそうですよね。相手と息が合っていないと見れたもんじゃない。
そして相手とうまくシンクロできた時は最高に気持ちいいですよね。
まさしく気が合っている状態、これもまたツボや経絡の治療においても大事なことです。
シンクロを意識した動き
気の原理に即した鍛錬法は後々、ご紹介していきますがここで少しご紹介しておきます。
これはスパイラルパンチという気の鍛錬法ですが、丹田の前後の水平移動、腕の腎経のスパイラルなパンチ、その反対の腕の腎経をスパイラルに引く動き、これをシンクロさせる練習法です。
この3つが同時にシンクロして動けるよう練習するのですけど、例えば丹田の動きとパンチをシンクロさせる、丹田が止まったら腕の動きも止める、このように丹田や腎経、腕の動き、全身の動きを意識して動かすことで気の原理を体得していきます。
言葉にすると難しいようですが、実は簡単なことです。スポーツなどをやりこんだ経験のある方、体の軸や中心感覚が豊かな人は1分で習得できる動きです。
あまり身体を動かすのが得意じゃない方は体得するのに少し時間がかかるかもしれませんが、型を何度も反復して学ぶことで誰でもできるようになります。
ではシンクロの原理の解説はここまで、次回はスピードの原理についての解説です。