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今回は、女性に多く診られる坐骨神経痛を緩和できるストレッチをご紹介します。
坐骨周辺の筋肉や坐骨神経は下半身の冷えで緊張してコリやすいところです。ストレッチとともに、特に冷えとりが重要なところですので、ストレッチのやり方とともに足を温める・下半身を温める方法もご説明いたします。
恵比寿整体院でも坐骨神経痛のご相談はよくいただくのですが、ご相談をいただくそのほとんどは女性です。
これは女性が冷えやすい体質のためだと思われます。ということは、冷えを改善していくことが坐骨神経痛を治す近道なのですが、冷えとりとともに坐骨周辺のスジのコリや緊張をとりのぞけるストレッチやツボ圧しなどのセルフケアも大変有効です。
坐骨神経痛とは?
坐骨神経痛とは、腰から足にかけて伸びている「坐骨神経(ざこつしんけい)」が冷えや疲労など様々な要因によって、圧迫されたり刺激されたりすることであらわれる、痛みやしびれなどの症状のことを指します。
多くの場合は腰痛を伴い、お尻や太ももの後ろ、すね、足先などに痛みやしびれがあらわれるだけでなく、重度の場合は下肢の麻痺や痛みによる歩行障害を伴うこともあります。
坐骨神経痛のストレッチ
坐骨神経痛のストレッチを3つご紹介します。このストレッチ・ツボブログを読んでくれている方の中には、体が異様に固い方から標準的な方、体は柔らかいのに坐骨神経痛がある方、など体の柔らかさは様々だと思いますので、自分の体の柔らかさ、状態にあったストレッチを行ってください。
体が固い人用のストレッチから順にご紹介していきますので、体の固い人は順番に行っていってください。体の柔らかい人は飛ばして深めのストレッチをお試しください。
ストレッチのコツ
坐骨神経痛といえど安全に効果的にストレッチを行うためには腹式呼吸が欠かせませんので、先に腹式呼吸をご説明します。
腹式呼吸を使ってストレッチを行うのと、浅い呼吸でストレッチを行うのとでは全く効果は異なります。ご紹介するストレッチはすべて腹式呼吸を使ってゆっくりと行ってください。
腹式呼吸:
息は口から吐いて、鼻から吸うようにします。
効果的に体を緩めるコツは、腹式呼吸にあります。いくら柔軟やストレッチをしても体が柔らかくならないような方は、呼吸が浅いのです。
体の固さって、神経の緊張が原因ですから、頑張ってうんうんとストレッチしても準備運動くらいの効果しかないのです。
腹式呼吸が初めての方もいらっしゃるかもしれませんが、呼吸をうまく使うと、普段から交感神経優位の緊張している体を、副交感神経優位のリラックス状態にすることができます。
ヨガのように呼吸を使い、腹式呼吸でリラックスしながらご紹介するストレッチを行うと、呼吸の度、息を吐くと体が緩まり、息を吸うと体がよりストレッチされるのを感じることができます。
腹式呼吸が苦手な方や初めての方は、体を柔らかくする腹式呼吸をご参照ください。
体の固い人用のストレッチ
はい、ではまず体の固い人用のストレッチのご紹介です。
坐骨神経痛を引き起こす座骨周辺の筋肉の緊張がとれる効果的なストレッチです。このストレッチは太ももの裏からアキレス腱と共に肩関節、肩甲骨、背中も一緒に気持ちよくストレッチできる形です。ストレッチは伸びている部分を感じる・意識するということでも効果は高まります。意識する部分を変えてみるだけでその効果は異なりますので、ご自身の気になっているところや痛みやしびれのあるところ、ストレッチしているスジに集中して感じてみてください。
このストレッチは床や畳だと滑りやすいので、絨毯などの滑りずらい所やヨガマットの上などで行ってください。
きれいな三角形になるように、手~背中、足を伸ばします。お尻を天井に突き上げて、頭と肩関節を前に入れ込むときれいにストレッチできます。この形は肩関節の内部が効果的にストレッチされます。またアキレス腱から太ももの裏までストレッチできますので、大変気持ちがいいですよ。
写真の形をとって5,6回腹式呼吸してください。息を吸うたびに身体が伸びて、息を吐くたびに身体が緩むのを感じてみてくださいね。
アキレス腱がとても固い人は、踵が床につかないかもしれませんが、そういう人はまず踵を床につけてから膝を伸ばしていくと上手くストレッチできます。
足に手が届く人のストレッチ
今度は片足ずつ行うストレッチです。アキレス腱から膝の裏、太ももの裏まで足の裏面を気持ちよくストレッチできる形です。
膝を伸ばして前屈して足の先が掴めないと、このストレッチはうまくアキレス腱を伸ばすことができません。足の先が掴めない方はまず前記のストレッチで足の裏面を柔らかくしてからお試しください。
このストレッチは最後の姿勢がとても大事です。アキレス腱からふくらはぎ、膝の裏、太ももの裏までぴ~んと伸ばすことができます。
腰を丸くしないで腰を折るようにお腹を太ももに近づけていくのが、このストレッチのコツです。左右両方行ってください。
あと体の方向け加減、掴んだ足首の引き加減でアキレス腱だったり膝の裏だったり、太ももの裏だったり、ストレッチしたい場所を変えることができます。どこがどのように伸ばせるか色々と試して、自分のストレッチしたいところを伸ばせる態勢を探してください。
特に座骨周辺、太ももの後面の付け根がストレッチされるように態勢を調整するのがコツです。
座禅が組める人のストレッチ
上記の2つのストレッチでも十分に座骨周辺をストレッチできますが、もっと深く行いたい方には左右別々に行うストレッチがあります。ヨガでいう蓮華座という形ですが、足首がここまで柔らかくない方は、上記の2つのストレッチで十分に足首を柔らかくしてからチャレンジください。
右足が下にあるなら、右手を左の膝に当てます。
片方が終わったら、足と手を反対にして行ってください。
足首が固くて足が組めない方は、初めにご紹介したストレッチで足首が十分に柔らかくなってからお試しください。足首が冷えるとこのスジが固くなってしまうので、冷えが強い方ほど足首も固くなっているんですね。
足首が固い方や股関節が固い方は行いにくい形ですので、足首や股関節が固い人は、下記記事もご参考ください。
坐骨神経痛のストレッチと合わせて読んでほしい記事
坐骨神経痛に冷えとりは欠かせない
冷えは万病のもと、と言われますが坐骨神経痛には冷えとりが大変に有効です。座骨周辺って冷えで固く緊張しやすいんですね。
気の流れでいうと、坐骨神経痛のスジは腎経(じんけい)と膀胱経ですが、ともに冷えの影響を受けやすい経絡です。
神経自体も冷えで緊張してしまいますので、坐骨神経に限らず神経痛には冷えとりは欠かせないんですね。
冷えやすい下半身や足を温めるのには、半身浴がとても効果的ですのでご紹介させていただきます。
半身浴をした後などにご紹介したストレッチを行えば、更に安全に効果的に坐骨神経痛を和らげることができます。
半身浴のやり方
- お湯はみぞおちくらいまで、心臓は温めません。
- 下半身だけ温めたいので、腕は必ず出して入ります。
- お湯の温度は39~40度くらい、熱すぎはいけません。
- お腹の中が温まるまで20分は入ります。長い分にはいくら長く入っても良いです。
- 工夫して半身浴を楽しみましょう。
さらに詳しくは体を柔らかくする半身浴のやり方をご参照ください。
坐骨神経痛のストレッチ・まとめ
自分の体の状態、体の柔らかさにあったストレッチから行い、体が柔らかくなってきたら次のストレッチをお試しください。無理をしてストレッチを行っても効果はありませんので、腹式呼吸を忘れずにゆったりと行ってください。
あとは半身浴ですね。坐骨神経痛による痛みやしびれが強い人は、半身浴で下半身を温めてからご紹介したストレッチを行ってください。半身浴だけでも痛みやしびれはとても楽になると思いますよ。
あと、坐骨神経痛にはツボ圧しも大変有効なのですが、今回は割愛させていただきました。ツボは正確に圧せると坐骨神経痛のきになっていた部分やスジに響いたりして、気の滞りを即効的にとる効果があります。坐骨神経痛のツボとしてご紹介していますので、ご興味のある方はご参考ください。