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脾経と胃経は、身体の6機能の一つ「食べ物を食べて消化する」経絡であり、身体の前面や手足の筋肉を走行しています。
脾経と胃経は主に、脾臓と胃による消化、発酵作用を司り、口から十二指腸までの消化管と、唾線や胃液、胆汁などの消化液を出す消化腺などの分泌に関与しています。
また、脾経と胃経の働きは、消化という内臓の機能ばかりでなく、食べ物のところまで歩く、食べ物を手にとって口に運ぶ、食べ物を噛む、噛むことによって消化液が出る、食べ物を飲み込む、食べ物を消化する、という摂食行動も含まれます。
食べるという行動の為に毎日、頑張ってくれている経絡です。まずはストレッチでこの経絡を実感してみてください。
脾経・胃経のストレッチ法
脾経と胃経は、身体の前面、手足の筋肉を走行しています。食べ過ぎ、飲みすぎの翌日、正座するのが辛いのは、食べ過ぎによりこのスジが固くなっているためです。
このストレッチの効果
特に腹筋と太ももが伸ばされますが、このストレッチのポーズをとり腹式呼吸を行うことで、腰の痛みや疲れにも効きますし(疲れたり痛くて腰が丸くなってしまったときに最適です)、冷えや瘀血(おけつ)という状態の内臓にも血行促進、循環促進を促しとても効果的です。太ももが筋肉痛の時にもいいですね。
ストレッチのやり方
身体の固い人から、柔らかい人まで何パターンかご用意いたしました(笑)。
呼吸をうまく使わないとあまり効果はありませんので、見ていない方は、ストレッチのコツ How to 腹式呼吸 をご参照ください。
写真ごとに段階を踏んでストレッチして行ってください、各段階で5,6回くらい腹式呼吸をしてもいいですよ。自分に合った最適な段階、もしくは限界で腹式呼吸を行います。ゆったりと息を吸うたびに身体が伸ばされ、息を吐くたびに身体が緩むのを感じてくださいね。
固い人は固いなりにこのスジを伸ばせればいいので、自分にあった段階で腹式呼吸をゆったり行ってください。やってみると分かりますが、お腹の中がストレッチされて伸びるのって、とても気持ちがいいんですね。
このストレッチのコツ
このストレッチのコツは、できるだけ下腹部を大きく膨らましたりへこましたりする腹式呼吸と、両膝をくっつけて行うコトです。両膝をくっつけてストレッチすると、よりきついですが正確に身体の前面がストレッチすることができます。
脾経
膵臓を中心に、唾液、胃液、胆汁など全身の消化腺と乳房、卵巣の生殖腺を含んでいます。また大脳との関係も深く、思考により物事をかみ砕き、消化し理解する働きに影響します。
自分でかみ砕いて、消化して、理解してと、食べ物も物事も同じなんですね。
また逆に、あまりに考え込んで運動不足になると、消化液の分泌が悪くなり消化の作用が妨げられます。漢方では「思えば脾を病む」ともいいますね。
脾経の走行
画像作成中です。
脾経の症状
脾虚(ひきょ、脾経の気の不足状態)なら、消化液の分泌が悪い、貧血、唾液が少ない、下肢の前面が冷える、顔色が土色でくすんだ感じ、背中が痛む。
精神的には、考えこみやすい、几帳面で気を使う、不安で落ち着きがない、記憶力減退、眠い、早食い。
脾実(ひじつ、脾経の気の過剰状態)なら、胃酸過多、神経性胃炎、食べ過ぎで肥満体型、足が重く全身に力がない、肩やおへそ回りが固い、背が丸くなりがち、膝が痛い。
精神的には、気が弱く引っ込み思案、早食いか義務的に食べる、警戒心が強く不安になる、頭が休まらない、甘いもの好き。
胃経
胃は、口の中から食道、胃袋、十二指腸あたりまでの総称であり、胃経はその消化管と機能を司ります。摂食行動の運動と体温発生、生殖腺の働きにも関係しています。食欲、乳汁分泌、卵巣機能を支配しています。
胃経の走行
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胃経の症状
胃虚(いきょ、胃の消化機能が弱った状態)では、食欲が安定しない、胃が荒れている、胃腸が冷える、肩こり、背中が張る、足が太く重い、鼻が詰まりやすく蓄膿の気がある。
胃実(いじつ、胃の消化機能の過剰な状態)では、食べ過ぎ、胃のもたれ、吐き気がある、ゲップやあくびがよく出る、胃酸過多、口が荒れている、口角炎、いつも肩が凝っている、婦人科が悪い。
参考文献:増永静人著「指圧」「スジとツボの健康法」
脾経・胃経のまとめ
脾経・胃経は消化器や消化機能ばかりでなく、思考などの精神面も含んでいるのが面白いですね。
よく噛んで食べるコトは頭にもよいといいますね。よく噛んで血流がよくなる→頭にもいい、とされていますが、咀嚼に使う脾経・胃経のスジが刺激されて思考能力が高まるためかもしれません(気や経絡のことは、検証しにくく裏が取れないので困りますが)。
食べ物も物事も、よくかみ砕いて自分のモノにしなければなりませんもんね。食べ物も情報も同じだというのは面白いではないですか。
そして、その両方に作用する脾経と胃経、モノもこころも同じ作用があるんですね。