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はい、今回は大事です。テストに出ます(笑)。
身体の背面を走行する大事な腎経・膀胱経の働きとストレッチのご紹介なのですが、大事すぎて今回も前説が長くなりそうです。
大事というのは、腎経はエネルギーの使い方、身体の力の使い方にも関係していますし、精神的にも気力の源であり、ストレスに対抗するという、まさに肝腎な経絡です。また症状としても腰痛など腰の痛み、女性なら子宮内膜症や筋腫などの婦人病や不妊症にも深い関係を持っている経絡だからです。
散々、このブログや恵比寿整体院でも言っている、冷えや瘀血(おけつ)という諸悪の根源(笑)にも関連深いですしね。
また腎経(腎臓を司る気のエネルギーの流れ)は力の中心点、丹田(たんでん)を含み、東洋医学の心身の鍛錬法、武道や仙道は丹田なしには語れないからです。
動きの中心、力の伝わるラインですの最重要なんですね、武道にとっては。
だって技をかけたりするのに、自分の力が上手く伝わらないのでは、反対にやられてしまいますもんね。
あらゆるスポーツや運動、ダンスや武道に通じる大事なエネルギーのラインなのです。
そして恵比寿整体院でもご相談の多い、腰痛や腰の痛みにも丹田、腎経・膀胱経は関連深いのです。
【腰痛のストレッチ】大腰筋と丹田
腎経は、自分を支えるというスジですから、ここに力がないと(虚という虚弱状態だと)自分を支えられなくなって、腰やあちこちに問題が出てくるのですね。
この辺は物事の本質にも関わってきます。
身体的には、どこかが力無く弱っているから、どこかに負担が掛かって痛くなるのですね。
精神的には、どこかに満ち足りない思いがあるから、なにかと行動するのですね(人は愛が足りないからこそ、愛を求めるものです)。
子供は分かりやすいですよね。親にかまってほしくて問題行動を起こしたり、反抗したり。
そんな人生の虚実(虚が不足で実が過剰ね)が分かりやすい経絡なのです、腎経・膀胱経って。
私的には、他の経絡の虚実は少し曖昧に感じるんですね。でも腎経膀胱経の虚実は、はっきり分かるんですね。
これは、エネルギー的に大きな経絡ですから分かりやすいのかもしれません。
ストレッチも固い人用の右左一緒にできる簡易的なものから、柔らかい人用に丁寧に、片足ずつできるストレッチ法を2つご紹介させていただきます。
ストレッチは腹式呼吸を行わないと、あまり効果はありませんので、まだの方は先に、ストレッチのコツ How to 腹式呼吸をご参照ください。
これからご紹介するストレッチで、自分の最適なポーズを取り腹式呼吸をゆっくり大きく5,6回、または10回ほど行います。息を吸うたびに身体がより伸ばされ、息を吐くたびに身体が緩まるのを感じてみてください。
息を吐くたびに少しずつストレッチの姿勢を深めていって、より深く伸ばしていきましょう。
固い人用のストレッチ
無理に前屈して、お腹や背中が丸くなってしまっては、あまり効果的にこのスジをストレッチできません。
腰を立てるようにして、目線も前の方を見るようにすると、より効果的にお尻の太ももの付け根からアキレス腱までの腎経膀胱経をストレッチすることができます。
柔らかい人用・片足ずつのストレッチ
柔らかい人は上記のストレッチより、片足ずつ丁寧に行うストレッチの方がより深く腎経膀胱経をストレッチできます。
股関節がある程度開かないとできませんので、固い人は股関節のストレッチで柔らかくしてからお試しください。
上記の段階をゆっくり行って、自分に最適な深さで腹式呼吸をしてください。腰が丸くならないようにするのがこのストレッチのコツです。
特に、最後に手で足を持ったまま腰を立て天井を見上げると、とても深いところまでストレッチすることができます。
お腹の経絡のストレッチ
上記のストレッチで足の後面、アキレス腱から太ももの裏のハムストリングスまで、丁寧にストレッチできますが、腎経・膀胱経はお腹の中、特に下腹部の中も走行しています。
腎の腹部経絡は丹田を含みますし、下腹部は冷えや瘀血(おけつ)でうっ血、充血しやすいところです。「腹が立つ」「断腸の思い」など感情的なショックでも下腹部に血液が停滞します。
この滞りがちな腹部を伸ばし、固くなりがちなお腹をストレッチできる効果的なやり方も、あわせてご紹介させていただきます。
これは股関節や腰のストレッチでもご紹介させていただいていますが、同じ形でも腰や股関節、お腹など意識する場所によって効果も異なります。
今回はお腹の中を伸ばしたいので、少し身体を反るようにすると、より下腹部がストレッチできます。
腎経
腎は体液成分の調整と内分泌機能の調整によって身体に精気を与え、ストレスへの抵抗力を司っている。
腎臓は尿生成だけではなく、体内毒素の決済、清浄、再生にあたっています。まと副腎は性ホルモンの分泌、ストレスへの対抗を司ります。
漢方では主に、右腎に副腎機能、左腎に尿生成機能を診ています。
腎経の走行
現在、準備中です。
腎経の症状
腎虚(じんきょ、腎経の虚弱状態)
身体的には、顔色が黒ずんで艶がない、皮膚に弾力がなくむくんでいる、下腹部から腰が冷え尿が近い、冷えとのぼせ、第三、四腰椎の陥没による腰痛、下肢のつれ、内分泌失調、寝不足で口が苦い、性生活の乱れ、生殖器泌尿器疾患、爪が割れる、骨が折れやすい、よく転ぶ、腰が固い。
精神的には、不安感が強く驚いたり怯えやすい、落ち着きがなく神経質、意欲や積極性が減退している、家庭的なストレスがある、根気がなく生気に乏しい、身体を動かすことを好まない、心身過労。
腎実(じんじつ、腎経の過剰状態)
身体的には、顔色がさえず黒っぽい、吐き気、立ちくらみがする、喉が腫れ口が渇く、薬物の残存、のぼせ、耳鳴り、めまい、内分泌の異常、尿色が濃い、口が苦く口臭がある化膿しやすい。
精神的には、気の焦り、がむしゃらに仕事をする、神経過敏でストレスを感じている、落ち着きがない、疲れて精力に乏しい。
膀胱経
腎経と陰陽の関係にある膀胱経もまた重要な経絡です。泌尿器と生殖器周辺の臓器だけではなく、腎の内分泌と強調する間脳、脳下垂体、自律神経の働きも司っています。
膀胱経の走行
現在、準備中です。
膀胱経の症状
膀胱虚(ぼうこうきょ、膀胱経の虚弱状態)
身体的には、頭重、後頭部が痛む、自律神経失調症、過敏、冷え性、尿が少ない、尿が近い、腰を曲げている、第五腰椎の陥没による腰痛、下肢のとれ、子宮の働きが悪い、膀胱の炎症、残尿感。
精神的には、神経を使いすぎて疲れる、緊張が強くて過敏、怯えて冷や汗をかく、神経が不安定、特に対人ストレスに弱い。
腎実(ぼうこうじつ、膀胱経の過剰状態)
身体的には、首の後ろから背筋が詰まって痛む、後頭から目頭にかけての圧迫感や痛み、背筋緊張、背中が固く丸む、背中のつっぱり、尿が多い、尿が近い、膀胱から尿道にかけての炎症、自律神経失調症。
精神的には、細かいことまで気を遣う、神経が張りつめている、気が休まらない、何事にも過敏に反応する。
まとめ
始めに、私的には腎経、膀胱経の虚実は分かりやすいと書きましたが、腎経は骨や爪など、身体の固い所や髪や黒目などの黒いところに反応がでやすいためでもあります。
婦人病をお持ちの方や、腎経の虚実が深い方は、髪の毛がぱさぱさで艶がなく、腰が立たず丸くなり、顔色が黒ずんで見えます。またホルモンや内分泌の異常からか、眼の黒目が大きく見えます。少し瞳孔が開いているように感じます。
婦人病をお持ちの方は、ほぼ身体やお顔を診ただけで分かりますね(これを望診といいます)。
また、骨や髪などに反応が出ると書きましたが、腎経が衰えてくると、身体の基本的機能の老化が進みます。
だから東洋医学では、腎経の気を鍛えたりして若返りを目指すのですね。実際、腎経や丹田の気が豊かな人、気が強い人は、精力に満ちて若々しく見えます。
まぁ、中国の文化、歴史って不老不死を求めてきた事もありますよね。不老不死を目指して、皇帝や医療家達、宗教家、東洋医学や仙道、道教などもあれやこれやとやってきたわけです。
結果、不老不死には届かなくても、様々な養生法や修行法を編み出し、精力気力に満ち溢れていられる文化ができたのですね。
東洋医学はこういう養生法や健康法が豊かなのが特徴です。病気になる前に、病気にならない身体作りを積極的に目指すんですね。
現代医学に不足している、予防医学というのは東洋医学が担ってもいいのではないかと思いますね。
腎経と膀胱経は身体の後面と下腹部を走行しています。
この系は、精力気力、自律神経、腰の痛みや瘀血(おけつ)による全身の循環不良、女性は子宮筋腫や子宮内膜症、不妊症などの血の道症(漢方でいう婦人病)に深く関係していますので、腰の痛みや婦人病でお困りの方は、特に冷えとりや今回ご紹介したストレッチで大切にケアしてくださいね。