今回は、心経と小腸経の働きとストレッチ方法のご紹介です。
心臓と小腸は一見変わった組み合わせですね。腎と膀胱経、肝と胆経に比べたら一見、裏表の関係とは呼べない組み合わせです。
昔から心臓は感情を反映しやすいため、心の座と考えられてきました。実際に感情が高ぶるとドキドキしますよね。切ない思いがあると、本当に胸が切ない感じがしますよね。
また激しい感情は「腹が立つとか」「断腸の思い」とかで言い表します。激しい感情は下腹部に反応を起こし、心理的ショックの時にも下腹部に大量の血液が停滞することが知られています。
発生学によれば腸管の周囲に先ず血管系が発達して、その血管の一部がふくれ上がって心臓になるといいます。
参考文献:増永静人著「指圧」
また、血液は骨髄で作られているというのが定説ですが(正確には赤血球、白血球、血小板の3種の血球類)、最近では腸で血液が作られる「腸管造血説」もあります。
血液は、骨髄で作られた血球類と、養分を含んだ黄色っぽい液体=血漿(けっしょう)が混ざりあってできている。血液中の割合は、血球類が40~45%、血漿が50~60%。もちろん、血漿がなければ、血球類は全身に行き渡ることができない。
ん~、骨髄と腸管の両方で作られている気もしないではないですね。どちらか一方だけに絞るのもどうかなと思いますが、「腸管造血説」「骨髄造血説」まだ決定打はないんですね。
でも、心経と小腸経は意外と漢方のいうように、裏表の関係かもしれないですね、上記のことを考えると。
また心経は心臓ばかりではなく、感情を統制する「こころ」として考えると、感情を持って外界を理解して、自分という内界に取り込む機能だとも言えます。
小腸は食べ物を内界に取り込む機能ですからね、やはり裏表の関係かな。
心経・小腸経のストレッチ
この系はその作用や性質上、身体の内面を走行しています。経絡は図にすると、どうしても体表のスジとして描かれてしまいますが、体表を走行している場所もあるのですが、実は身体の内部も走行しています。
身体の内部を走行している部分の方が多いのですが、2次元の絵に描くと、どうしても伝わらないのですね。だから、よくある経絡図はあくまでも大体の経絡の走行としてご理解ください。
実際の経絡は、身体の内部の筋肉と筋肉の間や、骨と筋肉の間などを主に走行しています。
ゆったり大きく腹式呼吸をしないと、ストレッチはあまり効果がありません。腹式呼吸については、ストレッチのコツHow to 腹式呼吸をご参照ください。
肘を床につけるように前屈していきます。柔らかい人は肘を床に付けて、頭も床につけて腹式呼吸を行ってください。
上記のポーズで5,6回、お好きな方は10回ほど腹式呼吸をします。
ゆったりと息を吸うたびに股関節が伸ばされ、息を吐くたびに股関節と身体全体が緩むのを感じてみてください。
股関節が固い人も、このストレッチをしっかりと呼吸を使い行っていると、すぐに柔らかくなりますよ。
心経
心とはこころのことで、感情的な精神の統制機能であり、外界の刺激を内界に転換する働きです。体内血液の配分を支配し、大脳と五感の働きを通して全身を統制している。
ん~、真面目に描くと分かりにくいんですね、経絡とか気の話って。
心経の機能とは、外の世界を五感で感じたり、それを脳みそで理解したり、感情そのもの自体の働きだったり、こころと身体全体をコントロールしている機能みたいですね。
心経の走行
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心経の症状
心虚(しんきょ、心経の虚弱状態)
身体的には、上腹部に力がない、みぞおちが固くつかえる、動悸がしやすい、舌のひきつれ、喉がつかえる、手が固く汗ばんでいる、心身症、疲れやすい、狭心症、心筋梗塞、目尻が切れやすい、舌苔がある。
精神的には、精神的な疲れやショック、神経緊張、ノイローゼ、神経症気味、心配による食欲不振、不安感があり心労気味、気が小さい、気力がない。
心実(しんじつ、心経の興奮状態、過剰状態)
身体的には、舌のこわばり、喉のつかえ心臓圧迫感、上半身の緊張、ヒステリー気味、手の平がほてり汗ばむ、顔や背に汗をかきやすい、皮膚過敏、上肢の運動が困難、五十肩、神経性胃痛、心悸亢進。
精神的には、緊張感が長く続く、胸が突き上げられる感じ、焦り、気ぜわしい、落ち着きがない、緊張が強い、舌がつれどもる、みぞおちがつかえる、のどが渇く熱っぽい。
小腸経
小腸は食物を栄養に転換して吸収します。また血液など体液成分を構成することで全身を統制する。精神的ショックや感情興奮、不安、腹が立ったり、断腸の思いをして小腸に血液が停滞すれば瘀血(おけつ)となって全身に影響する。
小腸経の走行
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小腸経の症状
小腸虚(しょうちょうきょ、小腸経の虚弱状態)
身体的には、栄養吸収悪く貧血、下半身にうっ血して足腰が冷えのぼせる、下半身に力なく重い、腸の働きが弱く腰が疲れやすい、腰痛や下肢の痛み、腰に力が入らない、腰が冷える、月経不順や卵巣痛、偏頭痛、肩こり、難聴や眼精疲労
精神的には、過度に気を遣う、我慢強く思いをおさえる、内向的、ぎくしゃくした動きをする、深い悲しみをおさえている、精神的なショックを受けた、少しのことも気になる。
小腸実(しょうちょうじつ、小腸経の興奮状態、過剰状態)
身体的には、顎が固い、耳や目が充血して働きが悪い、冷えとのぼせが強い、心窩部が固い、手足が冷える、しもやけになりやすい、消化不良、宿便があり便通がすっきりしない、卵巣機能が悪い、下肢の循環不良によるしびれや痛み、腰椎の変位による腰や下肢の痛み、肩こり、熱っぽい、上歯痛。
精神的には、我慢つよくやりぬかないと気が済まない、腹にしまって思いをこめている、せっかち、気ぜわしい、ゆっくり食事ができない、目に落ち着きがない、のぼせて頭がガンガンする。
まとめ
心経の症状などは、喉がつかえたりどもったりするのが特徴のようですが、上半身の緊張、ヒステリー気味、手の平がほてり汗ばむ、顔や背に汗をかきやすいなどは思春期の身体の症状ですよね。
外界を内界に取り込むのに苦労している思春期の症状ですね。
そうえいば、私も思春期は心臓がバクバクするくらい、ビビったり、感動したり、緊張したり、大変だったもんなぁ、と思い出しましたね、これを書いていて(笑)。
心、心臓は感情と関係あるのは周知の事実ですよね。
これも、こころ=からだですね、心身一如。
あと、小腸は血液と関係のある臓器です。小腸の内部のひだひだは広げるとテニスコート一面分、その一面に毛細血管が張り巡らされており、小腸の毛細血管を全部つなげると9万キロ…地球2周半。
凄いですよね、やはり小腸は血、血行、血液循環、それに気の巡り、気の滞りに重大な影響を持っているということです。
ということは、冷えや瘀血(おけつ)の影響を多大に受ける臓器でもあるんですね、そして血液の流れが悪いということは、全身に多大な影響を与えます。
女性は特に、冷えや瘀血(おけつ)という状態が、婦人科に影響します。だから冷えとりが大事なのですね。