鼠径部のしこり

足の付け根が痛い 鼠径部

鼠径部のしこりのタイプ。圧すと痛いものや痛くないしこりもある。

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お悩みの多い足の付け根や鼠径部周辺。

しこりとは良性のものや悪性のものもあり、圧すと痛いしこりや圧しても痛くないしこりなど様々なしこりのタイプがあります。

今回はそんな足の付け根のしこり、鼠径部のしこりのタイプについて解説します。

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ど~も、恵比寿整体院の内山です。

足の付け根、特に鼠径部は痛みや違和感、しこりなど症状の起きやすいところです。

特に女性は出産時に骨盤(恥骨結合)が変位するので、恵比寿整体院でも鼠径部のお悩みは女性から多く頂きます。

今回はいつものようにストレッチやツボなどのセルフケアのご紹介ではありませんが、お悩みの多い足の付け根や鼠径部のしこりについて解説したいと思います。

鼠径部カテゴリー



足の付け根のしこりの出やすいところ・鼠径部

足の付け根と言えば、前や後ろ、内側などがありますが、しこりの出やすいところは足の付けの前方の内側、鼠径部にしこりが出やすいです。

鼠径部(そけいぶ)とはあまり聞きなれない言葉だと思いますが、鼠径部とはここ↓

足の付け根の鼠径部のしこり

足の付け根の後ろ側にはしこりはあまり出ないので、この鼠径部のしこりについて解説していきたいと思います。


鼠径部のしこりとは?

鼠径部にできるしこりはほとんどが良性で問題のないものですが、リンパ節が癌化する悪性リンパ腫のしこりもありますので自己判断はせず、しこりを圧すと痛い痛くないは関係なしにしこりが急に成長してきた場合などは、まずは適切な医療機関をご受診ください。

鼠径部のしこりのタイプには、

    1. リンパの腫れと悪性リンパ腫
    2. 粉瘤
    3. 脂肪腫
    4. ガングリオン
    5. 鼠径ヘルニア
    6. 股関節や骨盤の変位
    7. 梅毒やヘルペス

などがありますので、一つずつ解説していきたいと思います。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫とはリンパ節が癌化した腫瘍です。

リンパ節とはリンパ液が流れるリンパ管の合流しているところです。

リンパ(液)とは?

人体には血液をめぐらす血管(心臓から全身にめぐる動脈・心臓に戻ってくる静脈)のほかに下水道的な役目を果たすリンパ管があります。

リンパ液とは血液の一部や体中の細胞から必要に応じて作られる液体で、細胞の老廃物、ウィルスなどの病原体や白血球を含み、リンパ管を通りリンパ節で集合して心臓に戻ります。

主に老廃物の回収と細菌の退治、ウィルスへの抗体作りをしています。

動脈は心臓をポンプとし全身に流れ、静脈は筋肉の収縮により心臓に戻っていきます。

静脈と同じようにリンパも筋肉の動きによって自発的に流れています。なので重力の影響を受けて上には戻りにくいし、運動不足になるとなおさらリンパが滞りがちになります。

このリンパが流れるリンパ腺が集合している場所がリンパ節です。

リンパが腫れる、とはこのリンパ節が腫れているということですね。

鼠径部には鼠経リンパ節があり、この鼠経リンパ節が腫れてしこりとして感じられることがあります。


鼠経リンパ節

鼠経リンパ節

鼠経リンパ節

鼠径部、足の付け根の内側に鼠経リンパ節があります。

解剖学の写真で見ると豆粒くらいの大きさのものが何個かあります。一つに集結しているわけでなくリンパ節というものがいくつかある感じです。

リンパ液はこのリンパ節に集まり静脈につながり心臓に戻っていきます。

だから病原菌やウィルスなどをここでせき止めないと大変なことになってしまうんですね。リンパ節とは関所のようなところなのです。

この鼠径部のリンパ節が頑張っているときにしこりとして感じられるます。風邪の時にのどの横のリンパが腫れるようにリンパが一時的に腫れてしこりのように感じられるときは、体の免疫系が頑張ってくれている証拠なのですね。

鼠径部のしこりが一時的なものなら心配はいりません。

しかし、そのしこりが長期間続くならばリンパの腫瘍の可能性があります。

そのリンパ腫には良性のものとリンパ腫が癌化してしまう悪性の2つのタイプがあるのです。

良性と悪性の見分け方には、「しこりの弾力性」や「圧して痛みがあるかないか?」などがありますが、これは素人に判断できるものではありません。

鼠径部のしこりがなくならず徐々に大きくなってきたような場合には、まず適切な医療機関をご受診ください。

リンパの腫れなら内科、後述するガングリオンなどは皮膚科や形成外科、鼠経ヘルニアなら外科ですが、初見はその鼠径部のしこりがどのようなタイプかわからないと思います。それぞれ専門科がありますのでまずは総合科にてご相談されるとよいと思います。

鼠経リンパ節の腫れによるしこりはよく起こりえますし、風邪の時にリンパが腫れた時のように短期間で収まるものです。

前述の悪性リンパ腫はまれなケースですが、ほかの癌と同じく早期発見・早期治療が大事です。

その他の鼠径部や足の付け根にできる一般的な「しこり」をご紹介いたします。


粉瘤

聞きなれない言葉ですが粉瘤、ふんりゅうと読みます。

世間では「おでき」とも呼ばれています。

皮膚にできる腫瘍で、後述する脂肪の塊とは違うものです。

足の付け根や鼠径部にできやすいというものではなく全身にできやすい症状です。

触るとコリコリするような感触があり、皮膚の下に袋のようなものがありその中に角質や皮脂などの老廃物が溜まっているものです。

発生の原因はよくわかりませんが、打撲などの外傷でできることもあるようです。

粉瘤は皮膚科、形成外科、美容形成でも診てもらえます。


脂肪腫

脂肪腫というのも「できもの」です。脂肪腫は皮膚の下や筋肉の中にできる良性の腫瘍で、正常な脂肪細胞が大きくなっておできになったものです。

本当の脂肪の塊ですね、これも足の付け根や鼠径部だけでなく全身どこにでもできうるものです。

診療科は皮膚科、または形成外科が妥当です。


ガングリオン

ガングリオンは手の関節部にできやすい腫瘤です。圧しても痛くないものがほとんどですが無症状なら放置しても心配はありません。ただし、診断をしてもらうためにも整形外科を受診しましょう。


鼠径ヘルニア

鼠経ヘルニアは脱腸ともいわれています。

主にお腹の中にある小腸、まれに大腸や睾丸が本来あるはずの場所から飛び出してしまう症状です。

体の外に飛び出すということではなく、体の中は腹膜や鼠経靭帯などで区切られていて境界があります。

その境界には神経や血管、その他の管が通っているのですが、その管が通る隙間から一緒に内臓まで飛び出してしまうんですね。

ヘルニアとは「飛び出す」という意味ですが、飛び出しっぱなしではなく圧すと戻る、自然に引っ込むものです。

鼠径ヘルニアは自然に治ることはなく手術が必要ですが、現在では日帰り手術も可能なほど体への負担が少ない手術が確立されているようです。

鼠経ヘルニア(脱腸)については別記事をご参考ください。

鼠経ヘルニア(脱腸)はまず専門の医療機関を受診しましょう。


股関節や骨盤の変位

骨盤や股関節はケガや老化により軟骨がすり減ってきたり、女性なら出産で変位が起こりやすい部位です。

股関節の変位を「変形性股関節症」といますが、関節部に変異があると動きが悪くなり炎症を起こしこれがしこりと感じられるようになります。

このような骨格の変位は整形外科や骨盤や股関節の専門医を受診されることをお勧めします。


梅毒とヘルペス

細菌によっておこる梅毒ですが人から人へ感染する病気です。

近年増加傾向にあるようで男女問わずに感染します。

発症すると豆粒くらいのしこりができやすいようです。

一か月くらいでしこりも消えるようですが、菌が残っていると再発してしまうようで治療が遅くなると、脳障害や臓器への障害が発生する場合があります。

血液や粘膜からの感染、まれに母子感染などもあります。

ヘルペスはウイルスに感染して起こる病気で発症すると鼠径部にしこりができたり、小さな水ぶくれができます。

しこりにかゆみや痛みを伴うことが多いようです。

鼠径部周辺のヘルペス、梅毒ならば早急に泌尿器科か性病科を受診しましょう。

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足の付け根、鼠径部のしこりについて簡易な説明をしてきましたが、しこりの原因も様々で対応できる医療機関も違います。

しこりのほとんどはリンパの晴れなどの一過性のもので、数日ですぐ収まると思いますがしこりが徐々に大きくなる場合や過度の痛みがある場合などは早急に適切な医療機関をご受診ください。



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