Contents
股関節を柔らかくする方法と同じ内容ですが、今回は、よくある股関節の筋肉痛を解消できる方法をご紹介します。
股関節の筋肉痛は軽度のスポーツや運動でも起こりますし、日常生活でも普段からあまり体を使っていない人が股関節を深く曲げてしゃがんだり、無理な動きをすることで股関節に大きな負担がかかり筋肉痛を起こしてしまうことが良くあります。
股関節は円を描くように自由に動かせる関節で、かなり深くまで曲げて体重を支えることができますので、股関節を動かす筋肉への負担は大きなものになります。
そんなよくある股関節の筋肉痛は、ツボ圧しが即効性もありますしストレッチや柔軟でも十分に楽にすることができます。
[aside type="warning"] 整形外科での処置が必要な場合:
事故やケガによる肉体的損傷や骨折、脱臼や肉離れ、筋肉の断裂がある場合にはまず整形外科での処置が必要です。
[/aside]
股関節の筋肉痛は、股関節の痛みや足の付け根の痛みや違和感としても表現される方が多くいらっしゃいますが、股関節を動かす大きなスジ、大腿四頭筋の筋肉痛が股関節周辺、鼠径部(そけいぶ・股間のVライン)の痛みとして表れます。
この股関節の筋肉痛、大腿四頭筋のコリや緊張をとれるツボは自分でもとても圧しやすく即効性のあるツボです。股関節の筋肉痛や痛みはよくおこる症状ですから(女性には特に)、ぜひツボ圧しやストレッチをマスターして股関節の筋肉痛の緩和、改善にお役立てください。
股関節の構造
股関節は、自分を支える大きな関節で、比較的自由に円を描くように動ける関節です。
ももの骨、大腿骨(だいたいこつ)一本と骨盤の単純な関節ですが、片足で全体重を支えるために股関節も大きく太ももの筋肉も太いのです。
筋肉痛になりやすい股関節の筋肉
股関節を動かすメインの筋肉は、腸腰筋(大腰筋)と大腿四頭筋です。
しかし、足を挙げたり腰を曲げる腸腰筋はお腹の中にあり、直接触れることはできません。
股関節を動かす筋肉・腸腰筋
腸腰筋、特に大腰筋は腰椎と大腿骨をつなぎ、足を上げたり腰を曲げたりする体幹を動かす大事な筋肉です。
腸腰筋(大腰筋)の筋肉痛の場合は、股関節の痛みや違和感、お腹の中の違和感やスジのコリとして現れますが、残念ながら効果的なツボというのはありません。
腸腰筋はお腹の中にあり、マッサージや指圧では直接には施術できないのでストレッチのような運動療法でしかケアしにくい筋肉です。
腸腰筋が筋肉痛、疲労や緊張で元気がないと…
ん、いかにも腰が悪そうな姿勢ですよね。大腰筋などは体幹トレーニングとして有名ですが、腰と股関節を動かす体の中心、姿勢や体軸、重心に影響する大事な筋肉で、後述するストレッチもこの腸腰筋・大腰筋をストレッチするコトのできる形です。
股関節を動かす筋肉・大腿四頭筋
筋肉痛といえば太ももですね。太ももの大腿四頭筋は人体の中で最も太く強い筋肉で、それだけ負担のかかる所です。
よくある股関節の筋肉痛や違和感ですが、改善しにくものではありません。股関節の痛みや違和感はこの大腿四頭筋や股関節を動かす大きな筋肉の緊張によるもので、鼠径部や股関節付近は太いスジが数本走行しており、疲労や冷えやコリによる緊張を起こしやすい場所なのです。
太ももの大腿四頭筋が緊張してくると股関節の付け根の痛みや違和感、コリとして感じますので、股関節の付け根の痛みを治すには、この大腿四頭筋をツボやストレッチで緩めるのが効果的です。
女性に多い股関節の痛み
筋肉痛ではありませんが、女性は妊娠出産という大仕事で骨盤と股関節が大きく変化しますので、出産後に股関節の痛みや太ももの付け根の痛みや違和感を訴える方が多くいらっしゃいます。
また女性は足の筋力が少ないので、股関節の筋肉痛を起こしやすいのかもしれません。筋力が少ないということは下半身の血行も悪いということですから、女性は特に積極的に血行を良くしたりする必要があります。
スポーツマンや運動選手、ダンサーなどにも多い股関節の筋肉痛
体を使うのがお好きな方は、特にこの太ももの付け根や股関節に負担をかけて痛めてしまいます。腰よりこの辺りにお悩みを抱える方の方が多いと思いますが、骨盤と大腿骨をつなぐのは股関節だけですので、体の力を上手く伝え体の力を最大限に発揮するには、この辺の柔軟性はとても大事なのです。
股関節が固い、太ももの付け根が固いような方は、後述するツボやストレッチで十分に解消することができますので、ぜひパフォーマンスアップ、怪我の予防の為にも実践してくださいね。
私自身もスポーツや体を動かすのが好きなので、よく無理をしてこの辺りが痛くなりますし、左足首骨折脱臼&左膝の内側靭帯損傷の甘酸っぱい思い出があるので、この辺りには相当負担をかけてしまっています。
自分でできるツボ圧しやストレッチ、柔軟など股関節のセルフケアも自分の体で効果があることを実感していますし、恵比寿整体院でも数多くの股関節の痛みを診て解消してきましたのは、そのような自分の経験が役立っています。
自分の体や多くの患者さんの体を診てきて、鼠径部周辺や股関節や足首や膝関節の問題って一つの関節だけの問題だけではなく、その前後の関節が問題であることがよくあります。
例えば、足首が固いから股関節に負担がきて痛めてしまったり、逆に股関節が固いから足首を痛めてしまったり、あと右の股関節が固いから反対に左の股関節が痛くなるなど、特に股関節、膝関節と足首は上下左右の関節のバランスが大事なのです。
特に股関節に柔軟性がなく固いのは、スポーツマンにとって命取り、膝や足首を痛める原因にもなります。
ご紹介する股関節の筋肉痛のセルフケアも、気になるほうだけではなく左右バランスよく行うことが大事です。
股関節の筋肉痛解消法
ここでご紹介する方法は、整形外科の処置が必要な場合を除きます。
股関節の筋肉痛、股関節や鼠径部が痛かったり、股関節付近の違和感が慢性的にある場合、股関節付近のスジが緊張して固定化されてしまっていることが多く、触っただけでもくすぐったいくらいに緊張していることもあります。
そのような場合は、自分でツボやストレッチで緊張をとることができます。筋肉のコリによる関節の痛みや違和感はセルフケアしやすい症状で、股関節のツボは自分でも圧しやすいですし、股関節を柔らかくする効果的なストレッチもありますのでご紹介いたします。
筋肉のコリにはツボが最適
筋肉、スジのコリをほぐすには実はツボ圧しが大変効果的で即効性もあります。
(ツボを正確に圧せれば…)
股関節の筋肉痛やコリをとるのに最適なツボが2点ありますので、ご紹介する順番で2点とも圧してみてください。
ツボは正確に圧せると、コッているスジ沿いに気持ちよく響くことがあります。気になっていたスジに響くのは正確に圧せている証拠ですから、写真を頼りにスジに響くような場所を見つけて圧してください。
股関節の筋肉痛のツボ・臀部横
股関節の筋肉痛をとる効果的なツボその壱・お尻の横のツボです。このツボは自分でも圧しやすいところにありますので、写真を参考にしてツボを探してみてください。
このツボは大腿四頭筋の起始部にあり深いところにありますので、お尻にお肉が多めの方はお肉をかき分け頑張ってみてください。
[kanren postid="1494,1475"]
股関節の筋肉痛のツボ・v字ライン
お尻の横のツボを圧してから、このツボを圧していきます。
足の付け根、Vラインの際に股関節の症状にとても効果的なツボがあります。ここのツボはとても狭い範囲にあり、とれるツボとしては一点です。スジとスジのつなぎ目ですので分かりやすいと思います。
写真のように仰向けに寝て、膝を曲げたときのVラインの際です。太ももの付け根・鼠径部の外側ですね。膝を曲げてから探して圧すと分かりやすいツボです。これも横から拇指(親指)で圧すようにしますが、浅いツボなので少し圧すだけで、気持ちよかったり響きがあると思います。下腿の方に響くことが多くあります。太ももの付け根や股関節が痛いときはとても効くツボですので、ぜひ見つけて圧してみてください。ツボが見つかったら5,6秒持続圧をします、5,6回繰り返して圧してみてください。
[kanren postid="788"]
響きとはスジの緊張や気の滞りが取れていくツボを圧したときに感じる独特の感覚で、筋肉痛など気になっていた部分や痛みのある部分に響くことが多くあり、響きがあるということは効果がある場所ということです。
自分の感じていること、響きのある場所や気持ちいい場所を頼りにツボを探すと見つかりやすいと思います。
股関節の筋肉痛のストレッチ
股関節や腰を柔らかくするのにとても効果的なストレッチがあります。先ほどご紹介した腸腰筋(大腰筋)のストレッチですが、体の中心を緩めるコトのできる効果的なストレッチで、このブログでも様々な症状のセルフケアでご紹介しています。
ストレッチのコツ・腹式呼吸
息は口から吐いて、鼻から吸うようにします。
腹式呼吸が初めての方もいらっしゃるかもしれませんが、呼吸をうまく使うと、普段から交感神経優位の緊張している体を、副交感神経優位のリラックス状態にすることができます。股関節といえど、ストレッチを効果的にやるには、深い呼吸法が必須なのです。腹式呼吸が苦手な方や初めての方は、How to 腹式呼吸をご参照ください。
ストレッチの手順
これは股関節を柔らかくするだけでなく、腰が痛いときや腰が疲れているときにもとても効果的なストレッチです。お腹の中をストレッチできるので大変に気持ちがよいストレッチです。
股関節が固い人はそれなりに、比較的柔らかい人はより深く、段階的にできるようご説明します。
身体の固い人は床に両手をついて、しっかり身体を支えて写真のような姿勢をとってください。そして腹式呼吸をしてください。上記の姿勢で腹式呼吸をすると、股関節、お腹の中、大腰筋がとても気持ちよくストレッチできます。10回ほど深く腹式呼吸をしてください、これだけでとても深くストレッチできます。
柔らかい人用
そんなんじゃ物足りない人は両手を膝の上において、天井を見上げてさらに腰をストレッチしてください。とても気持ちよくストレッチすることができます。
床から手を離すとグラグラしてしまう人は、そのまま床から手を離さずにストレッチしてくださいね。股関節が柔らかい人は膝の上に手を置いてストレッチすることでより深く腸腰筋(大腰筋)をストレッチできます。深く呼吸することがメインですから、腹式呼吸を忘れずに。
また、足首が固かったり体全体が固いと股関節に負担をかけて痛めてしまう原因にもなりますので、体のあちこちが固いような方は、足首を柔らかくする方法や体を柔らかくする方法もご参考ください。
筋肉痛には半身浴が最適
筋肉痛に限らず、疲労の回復、ダメージを受けた組織の自然治癒には健全な血液の流れが重要です。
血液の流れが悪かったら、治るものも治りにくいですもんね。
特に冷えやすい体質の女性は骨盤内に古い血が溜まり瘀血(おけつ)という血液が汚れた状態、瘀血(おけつ)という状態になりやすく、血液の流れが滞りやすいので積極的に冷えや瘀血(おけつ)を改善していくことが大事です。
下腹部や骨盤内がうっ血している状態は骨盤の歪みを引き起こして股関節に負担のかかる原因ともなりますので、半身浴で血液の流れを回復させることが股関節の症状を改善するのにも役立ちます。
半身浴のやり方
- お湯はみぞおちくらいまで、心臓は温めません。
- 下半身だけ温めたいので、腕は必ず出して入ります。
- お湯の温度は39~40度くらい、熱すぎはいけません。
- お腹の中が温まるまで20分は入ります。長い分にはいくら長く入っても良いです。
- 工夫して半身浴を楽しみましょう。
さらに詳しくは体を柔らかくする半身浴のやり方をご参照ください。
半身浴は、ストレッチのような股関節を柔らかくする直接的な方法ではありませんが、全身の血行を良くして気の滞りをとる効果があります。冷えや瘀血(おけつ)という循環不良の状態を改善するには欠かせません。
習慣づけていただければ筋肉痛の解消に役立つばかりでなく、股関節や体全体が芯から柔らかくなりますよ。半身浴の後にご紹介したストレッチを行っていただければ完璧です。
専門家に相談してみる
上記のセルケアでも十分に太ももの付け根や股関節の筋肉痛や痛みを改善できますが、気の滞りが深くなってくるとコリや体の緊張ががなかなか取れなくなってきます。
股関節や体が慢性的に固い方、気の滞りが深い方は整体や鍼灸、指圧などツボや経絡の専門家の施術を受けてみることも大事です。
気の滞りが深い時には的確なツボへの施術が大事で、力任せの施術などは逆効果になることもありますので、治療院を選ぶ際にはご注意ください。
お近くでしたら、三島市の恵比寿整体院にご相談ください。検索で、お住まいの地域 + ツボ、経絡 + 整体、鍼灸、指圧 などでも東洋医学の専門家が探せますよ。
まとめ
また、股関節の問題は腰の問題ともリンクしています。それは股関節の柔らかさ、力強さに関係する腸腰筋が股関節と腰椎を結び付けているからなのですが、腸腰筋の緊張や疲労はそのまま腰痛の原因になってしまいます。
だから股関節の問題を抱えている方は、腰痛などの腰の問題も同時に抱えている方が多いんですね。
腰痛でお困りの方には、腰痛のツボや腰痛マッサージの手引きもお役に立てると思います。
股関節・足の付け根の痛みカテゴリー記事