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股関節ってどこ?を骨格標本にて分かりやすく解説します。
股関節は肩関節を除いて人体の中で最も可動性のある、自由に動かせる関節です。
肩関節とは異なり、股関節は骨格の構造上強く安定が保たれているので、脱臼や亜脱臼は比較的起こりにくい関節です。
先日、知人から「股関節ってどこ?」との質問をいただいたので、そのまま記事にしたいと思います。
骨格標本などは普通の人はあまり見る機会がないですもんね。股関節の痛みや問題は恵比寿整体院でもよく頂きますし、股関節の症状は私も施術による改善法が得意分野です。
股関節の問題は鼠径部に出やすく、「足の付け根の痛み」「太ももの付け根の痛み」「内また(鼠径部)の痛み」と表現される方が多く、股関節自体が痛くなることは稀です。
このブログでも股関節のセルフケアはたくさんご紹介しているので、股関節の写真解説や股関節のセルフケアの情報も合わせて「股関節ってどこ?」の質問にお答えしたいと思います。
股関節が硬い、股関節を柔らかくしたい、股関節が痛いなどのお悩みの方は、その他の股関節のセルフケアもご参考くださいね。
股関節カテゴリー記事
股関節ってどこ?
股関節ってここ↓
股関節を作る寛骨とは?
骨盤とは左右の寛骨と仙骨の総称です。
寛骨は腸骨、坐骨、恥骨から構成されますが、これが骨盤や股関節をややこしくしているのですね。
恥骨・腸骨・坐骨をまとめて寛骨と呼び、寛骨と仙骨をまとめて骨盤と呼びます。
なんで骨盤がややこしいのかというと恥骨・腸骨・坐骨は生まれた時から成長期までは軟骨結合している別々の骨で、大人になると融合して一つの寛骨になるからなんですね。
股関節を作る寛骨
ということで寛骨を少し解説してみると、
寛骨の大腿骨がはまって股関節を作っているくぼみを寛骨臼(かんこつきゅう)と言います。
この寛骨臼から前方下部1/5が恥骨です。
上部2/5が腸骨、
後方下部2/5が坐骨、
股関節とは骨盤を構成する寛骨の一部分なんですね。
股関節を作る大腿骨
ももの骨、股関節を作る大腿骨(だいたいこつ)は人体で最長の骨です。
大腿骨は漫画の骨付きの肉の骨のようなおいしそうな骨ですね。
大転子というのは身体の横で股関節の下、大腿骨が出っ張っている部分で自分でも触診することができます。
大転子の傾き具合がプロポーションなどにも関係するので、骨盤の歪みや矯正などの目安となるところです。
下肢は股関節を作る大腿骨があり、その下に2本の骨(脛骨と腓骨)があります。
上肢も同じ構造をしていて、上腕骨が一本あり前腕は2本の骨(橈骨と尺骨)です。
このような構造をしているからこそ、手先や足先をねじるような細かい動きができるんですね、身体とはうまくできているものです。
骨盤が作る関節
骨盤が作る関節はこの股関節の他に、仙腸関節、半関節である恥骨結合があります。
仙腸関節も恥骨結合も股関節のように自由には動かない関節で、ねじれるような動きしかしません。
骨盤が作る関節の解説
鼠径部とは?
場所が場所だけに写真ではご紹介できませんが、股関節の前面は鼠径部(そけいぶ)いいます。
股関節を動かす筋肉も鼠径部内を走行したり、鼠径部付近を付着部とするので、股関節の不具合が鼠径部の痛みや鼠径部のしこりとして現れやすいです。
股関節の動きと筋肉
股関節には主に6つの動きがあります。
股関節の屈曲と伸展、股関節の内旋と外旋、股関節の内転と外転です。
股関節を動かす各筋肉にてストレッチもご紹介していますので、股関節の動きが固い、股関節の柔軟性を養いたい方は各筋肉の解説をご参考ください。
股関節の屈曲と伸展
股関節を前に曲げる動きを股関節の屈曲と言いますが、日常的な動きでは股関節を屈曲させるときには膝関節も屈曲します。
お腹の中の腸腰筋(大腰筋)や太ももの前面の大腿四頭筋の中の大腿直筋、恥骨を起始とする恥骨筋が主に股関節を屈曲させます。
股関節を屈曲させる筋肉
股関節を後ろに動かす筋肉は太もも後面のハムストリングスや大殿筋と呼ばれるお尻の筋肉です。
前屈して手が床につかないような方は明らかにハムストリングスの柔軟性不足ですから、ストレッチで柔軟性を養いましょう。
股関節を伸展させる筋肉
股関節の内転と外転
股関節の内転は主に内転筋群と呼ばれる太ももの内側の筋肉の働きです。
内転筋群には短内転筋・長内転筋・大内転筋があり、恥骨筋や薄筋も股関節の内転に関与します。
股関節を内転させる筋肉
股関節の外転は太ももの外側、お尻の筋肉たちの働きです。
股関節を外転させる筋肉
股関節の内旋と外旋
股関節を内旋させる筋肉は小殿筋や恥骨筋、ハムストリングスを構成する半腱様筋や半膜様筋の働きです。
股関節を内旋させる筋肉
股関節の外旋はお尻の奥の梨状筋や大殿筋、ハムストリングスを構成する大腿二頭筋、大内転筋などの働きです。
股関節を外旋させる筋肉
股関節の力強さに重要な筋肉
以上が股関節を動かすメインの筋肉ですが、やはり大事なのは腸腰筋(大腰筋)、大腿四頭筋、ハムストリングスですね。
しかし、腸腰筋はお腹の中にあり直接は触ることができません。
指圧やマッサージも直接には施術できないため、ストレッチのような運動療法でしかケアできない筋肉です。
ここ(腸腰筋)に力がないと、股関節にも力がなくなり、
腰にも力が入らなくなり、お腹にも力が入らない、踏ん張りの利かない体になってしまいます。美しい姿勢、力強い体作りのためにも腸腰筋を鍛えましょうね。
また、股関節、鼠径部の問題は腰の問題ともリンクしています。それは股関節の柔らかさ、力強さに関係する腸腰筋が股関節と腰椎を結び付けているからなのですが、腸腰筋の緊張や疲労はそのまま腰痛の原因になってしまいます。
だから股関節の問題を抱えている方は、腰痛などの腰の問題も同時に抱えている方が多いんですね。
腰痛でお困りの方には、腰痛のツボや腰痛マッサージの手引きもお役に立てると思います。
また大腿四頭筋やハムストリングスは股関節の動きだけでなく膝の伸展や屈曲にも作用する筋肉ですが、大腿四頭筋はジャンプ筋とも呼ばれジャンプ能力に深く関りがあります。
大腿四頭筋の拮抗筋(反対の動きをする筋肉)がハムストリングスですが、力強い下半身の動き、力強い股関節の動きをするにはこの2つの筋肉のバランスや柔軟性がとても重要です。
前屈して手が床につかない方、正座すると太ももの前面が辛いような方は各筋肉のストレッチで柔軟性を養ってください。
(追記:大腿四頭筋、ハムストリングスのストレッチは太もものストレッチとしてまとめましたので、ご興味のある方はご参考ください)
股関節に効くツボってどこ?
スジのコリからくる股関節の痛みや違和感に特に効くツボは2点あります。
私も施術でよく使うツボですが、股関節のツボは自分でも圧しやすいツボなので股関節の症状でお困りの方は、ぜひツボを圧して痛みや違和感、コリをセルフケアしてみてください
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まとめ
股関節はお年を召して大腿四頭筋などの筋力がなくなってくると、骨格に負担がかかり骨がすり減ってしまったり、脱臼や骨折の可能性が高まります。
足腰が弱ってくるとまず股関節が弱くなり、そのために股関節や膝が痛くなり、更にその負担をかばおうと体のあちこちに負担がかかってしまいます。
股関節の力強さは年をとっても健康に生きていくためには重要なことですから、皆さん若いうちから積極的に股関節を鍛えてくださいね。