今回は日常でもよく起こりうる太ももの筋肉痛に効くセルフケアのご紹介です。
当たり前ですが、肉離れや骨折など明らかな肉体の損傷が疑われるような場合での太ももが痛いときの治し方ではありません。
ケガや事故、スポーツ障害などで太ももが痛いときは早急に整形外科をご受診ください。
太ももって好きな言葉です。大腿(だいたい)って書くより情緒があってよろしい。ふとももと平仮名で書くともっといい…。
太ももの付け根は鼠径部とよびますが、鼠径部は太ももの筋肉痛だけでなく問題の多いところでもあります。
長い人生でよく起こりうる太ももの筋肉痛。太ももの筋肉痛に効くツボや太ももの筋肉痛のストレッチなどを使ったセルフケアをご紹介していきますので、頑張りすぎて次の日には筋肉痛で太ももが痛い、慣れない運動や歩きすぎて太ももが筋肉痛のようなときにお役立てください。
意外と大事な太もも
太もものメインの筋肉は大腿四頭筋(だいたいしとうきん)です。
人体で最も太く大きい筋肉ですが、四つの頭。四本のスジがある筋肉です。キングギドラみたいですね。
その四頭筋の下に大腿直筋、広筋などがありますが、太ももの前面の筋肉は後面の筋肉と拮抗しており、足を動かすメインの筋肉です。
参照リンク:大腿四頭筋(外部リンク)
ですから、階段の上り下りや歩きすぎ、普段慣れない山登りや運動、スポーツなどで太ももは筋肉痛になりやすいんですね。
そしてホントか嘘か分かりませんが、大腿四頭筋を含め太ももの前面を鍛えたり刺激を与えると成長ホルモンの分泌を促せるとよく聞きます。
この情報は私も裏が取れていないのですが、武道や仙道、気の鍛錬法などでよく言われているコトです。
確かに仙道や道教、気功などではこの太ももを鍛える鍛錬法がたくさんあります。
気を逞しく豊かにするために、この太ももを徹底的に鍛えるんですね。
気功などでは上記の姿勢をとり、ずっとそのまま。空気椅子のような姿勢で何分も何時間も太ももを鍛錬したりします。
站粧功と書いてタントウコウという有名な気功法ですが、立ったままの禅、立禅としても知られています。
これつまらない行法ですけど、確かに気が強くなる。気が豊かになる鍛錬法です。
太ももがプルプルするくらいの態勢をとり下半身に気を集中するので、やり始めのころは翌日には太ももが筋肉痛になりますが確かに下半身の気を充実させる効果があります。
あと私はセミナーでツボへの施術法を教えているのですが、体の使い方・気の使い方として気の原理や気を鍛える方法、合気なども指導しています。
体や気の使いかたにおいても太ももの付け根を意識して動かせると、正確に力を伝えることができるんですね。
特に気の中心である丹田(たんでん)とも太ももの筋肉の働きは深く関与しています。
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気を抜きにしても自分を支える太ももの筋肉ですからね。筋トレ的にやっても十分に身体をたくましくするのに役立ちます。
また太ももの筋肉は排尿や射精にも関与する筋肉ですので、意識的に太ももの内側に力を入れておしっこを我慢したりでき、泌尿器の働きにも関与しています。
太ももの筋肉痛の3つの治し方
気のお話はさておき、太ももの筋肉痛の治し方のご紹介です。
筋肉痛とは筋肉に負担がかかりすぎた故の筋肉へダメージです。
自然にこの筋肉へのダメージは回復して、更に強い筋肉に超回復するんですね。
筋肉だけに限らず心身の回復にはまず、血液の流れがいいことが重要です。血液の流れが悪かったら治るものも治りませんもんね。
血液の流れをよくするコトを基本に、太もものを気持ちよく伸ばせるストレッチ、コリやスジの緊張をとるのに即効的に役に立つツボをご紹介いたします。
太ももの筋肉痛のケアの基本は足先を温めること
血液の流れをよくするには身体を温めることが大事なのですが、筋肉痛で太ももが痛いときには症状のある太もも、患部だけ温めるのはあまり効果がありません。
身体は全身で血液の循環を行っていますから、部分だけ温めても全身の血液の流れはあまり変わらないのです。
効果的に血液の流れをよくするには下半身(特に足先)だけ温めること、これにつきます。下半身を積極的に温めることで、全身の血液の循環が促進されるんですね。何事も部分だけ処置する、というのは理にかなっておりません。
積極的に下半身だけ温めるには半身浴が最適です。半身浴は筋肉痛には大変効果がありますのでぜひ実践してみてください。
半身浴のやり方:
- お湯はみぞおちくらいまで、心臓は温めません。
- 下半身だけ温めたいので、腕は必ず出して入ります。
- お湯の温度は39~40度くらい、熱すぎはいけません。
- お腹の中が温まるまで20分は入ります。長い分にはいくら長く入っても良いです。
- 工夫して半身浴を楽しみましょう。
さらに詳しくは筋肉痛に最適な半身浴のやり方をご参照ください。
腕を温めないこと、心臓は温めないこと、上半身を温めないことがコツです。
太ももの筋肉痛のストレッチ
筋肉痛などで太ももが痛いときに最適なストレッチがありますのでご紹介させていただきます。
半身浴の後に行っていただければ、さらに安全に効果的に太ももをストレッチすることができます。
ストレッチのコツは呼吸です
このストレッチ・ツボブログでご紹介しているストレッチは全て腹式呼吸を使って行うように解説しています。
ストレッチは頑張ってうんうんとやっても準備運動くらいの効果しかありませんが、腹式呼吸を使って行うことで身体の芯からスジのコリや緊張をほぐすことができます。
呼吸は意識的に深く行えば、取り入れる酸素も吐き出す二酸化炭素も普段の倍以上は変わります。
筋肉痛に限らず心身の回復には新鮮なエネルギーを取り込み、いらない老廃物は積極的に出していくことが大事です。
腹式呼吸のやり方:
腹式呼吸が初めての方や苦手な方もいらっしゃると思うので、まずは腹式呼吸のやり方からご説明いたします。
息は口から吐いて、鼻から吸うようにします。横隔膜を上下するようにゆったりできりだけ大きくお腹を膨らませたり、へこませたりして行います。
ストレッチの手順
身体の柔らかさは人それぞれですので、自分に合った深さまでストレッチしてください。
自分の限界の深さで腹式呼吸を10回ほど行います。
まずは正座をします。足首や膝が固い人はこれだけでも太ももがきついですね。とても身体が固い人はこの状態で腹式呼吸をしてください。
いける人は手を後ろについて手の平を床につけます。この状態でマックスの人はここで気持ちよく腹式呼吸をしてください。
ゆったり大きく腹式呼吸をしていると息を吸うたびに太ももがストレッチされ、息を吐くたびに太ももが緩むのが感じられると思います。呼吸のたびに身体が柔らかくなっていきますので、徐々に手を後ろにずらして更に太ももを伸ばしてください。
柔らかい人は背中を床につけてから、両腕を頭の上にあげます。手の平を天井に向けるようにします。
この状態でゆったり大きく腹式呼吸をしてください。太もも、足首、お腹や腰の内部までストレッチできてとても気持ちがいいですよ。
戻るときもゆっくりと戻ってきてください。
このストレッチは太もものストレッチですが、胃経・脾経という消化器の気の流れのストレッチでもあります。
食べ過ぎた翌日や飲みすぎた翌日には、この太ももの消化器の気の流れが張ってきて正座が辛くなるんですね。
その他の筋肉痛に役立つストレッチ
太ももの筋肉痛のツボ
ツボは正確に圧せればスジのコリや緊張を即効的にほぐす効果があります。自分でも圧しやすいツボですので、ぜひお試しください。
太ももの筋肉痛でも圧すツボは太ももではなくお尻の横にあります。痛いところや症状のあるところは圧さずに、つながっているスジのツボを圧すと症状が取れるのはツボの面白いところです。
ツボの場所
立っていても圧せますが床に横向きに寝ると表面のスジが緩んでより深いツボを探すことができます。
お尻の横の太いスジ上に効果的なツボが数点あります。横から少し深めに強く圧して、ぐりぐりしてみると太いスジが分かると思います。
ツボの圧し方
身体の横から圧すのがコツです。深いツボですので強めに圧して気持ちいいところや「あ~ここか」というツボが実感できたら、10秒くらい持続圧をしてください。太いスジですのでダメージになるほどは強く圧せないので安心して圧してくださいね。
スジ沿いに1センチほど指をずらして、2,3点気持ちよいツボを圧してみてください。スジ自体を圧していく感じで上手く圧せると思います。
このツボを上手く圧せると太ももの前部や内側部に強く響きます。響きとは邪気が抜けて気の滞りが回復していく証です。
お尻の横のツボを圧したのに足に響くなんて面白いですね。身体は繋がっているんだと実感できるツボです。
ツボについて詳しく学びたい方はツボ基礎知識をご参考ください。
ツボ基礎知識
その他の筋肉痛のツボ
まとめ
半身浴を基本にしてストレッチだけでもツボだけでもいいし、3つとも行ってもいいですね。
この3つ、半身浴とストレッチとツボはセルフケアの三種の神器。太もも筋肉痛だけでなく長い人生とても役に立つものですから、ぜひマスターしてみてください。
太ももの痛みに限らず症状や身体のお悩みがありましたら、各記事のセルフケアの情報がお役に立てると思います。ご自身の症状や体の状態にあった記事をご参考ください。
追記:
筋肉痛の直接的なケアではありませんが、自分で作れる疲労回復ドリンクの記事を書きました。
ほぼコストゼロ。クエン酸をお好きな飲み物に雑ぜるだけなのですが、クエン酸は細胞のエネルギー回路を活性化させます。
筋肉痛にもいい疲労回復ドリンクの作り方をご参考ください。