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肩がこる、肩が重い、肩が張る、肩が痛い、肩こりからくる緊張性頭痛など、整体院でも肩に関するお悩みは、とても多くいただきます。
根本的な肩こり解消にならないコトや、控えたほうがいいような施術、ツボやストレッチ、半身浴で血行を良くすることなど、自分で肩こりを解消するにはコツがありますのでお伝えしたいと思います。
根本的な肩こり解消にはならないこと
まず言っておきたいのは、慢性的な肩こりは、なかなか慰安整体やリラクゼーションのようなマッサージでは解消できません。
解消できないばかりか、強いだけの刺激はより筋肉を硬直させてしまい、逆効果になってしまいますので注意が必要です。
また肩だけの施術、部分的な施術だけもいけません。下半身の気の滞りを解消しないで、肩や首だけ揉むほぐすといった刺激を与えた場合、のぼせ(頭部の充血状態)を助長して頭痛の原因や、更に肩こりの慢性化という状態を作ってしまいます。
同じ理由で、肩だけ温めるのもあまりよくありません。温め方、血行促進のコツは、後述しますが、半身浴や冷え切っている足元を温めることです。
慢性的な肩こり解消の治療を受けるのでしたら、全身的な施術や正確なツボの治療ができる指圧や整体の専門院、気の滞りを見極め、根本的に肩こりを解消できる東洋医学が最適かと思います。
肩こりの原因
肩こりの原因は血行不良です。血行が良く、身体が柔軟性に富んでいる人には重度の肩こりさんはあまりいません。
血行不良が根本的原因にあり、筋肉やスジ(経絡、気の流れ)が固くなってしまうのです。
慢性的な血行不良の状態、気の滞りの状態を東洋医学では虚証(きょしょう)と呼びます。血液の流れ、気の流れが慢性的に不活性な状態、体質ですね。
慢性的に血液の流れ、気の流れが悪いと、さらに血液が汚れて瘀血(おけつ)という状態になります。
瘀血(おけつ)とは?
身体のうっ血や充血。東洋医学では瘀血(おけつ)、汚れ血、ふる血ともよばれ悪血ともいいます。本来、体の中をサラサラとスムーズに流れるはずの血液が、体のあちこちで滞ったり、血液そのものが汚れてドロドロした血になり流れにくくなった状態を東洋医学では「瘀血(おけつ)」と言います。
血流が悪くなってくると粘性を帯びてきます(食べ過ぎてもなります)、イメージ的にはまさにドロドロした血液ですね。
瘀血は循環全体のこともあれば、特定の場所に現れることもあります。特に停滞しやすいのが下半身や下腹部の内臓ですが、この瘀血が体にさまざまな問題を引き起こすのです。
肩こりやその他の症状の根本には、冷えや瘀血による全身的な血液の停滞、気の停滞があるのですね。
肩こり解消法➀ツボ押し
肩の特定のスジが張っている、筋張っている時、ツボがお役に立ちます。ツボを正確に押すとスジの緊張、張りを解消することができます。
ツボ豆知識:
ツボには場所が定められ名前の付いた正穴(せいけつ)と場所も特定できず名前もない阿是穴(あぜけつ)があります。
内科の治療や本治(体質や根本的治療)によく使われるのが正穴です。肩こりなどスジの痛みや緊張をとるのには阿是穴がよく使われます。
よくあるツボの場所や効能は、主に鍼灸のための情報です。鍼やお灸の刺激のための場所と効能なので、実は自分でツボを押すというときには、あまり役に立たないのです。
ツボって何?正穴と阿是穴、より
肩こりで気になるスジの痛みや緊張を解消するには、恵比寿整体院でも、名前もないツボ「阿是穴」を使うことの方が多いですね。
気になるスジを探っていくと、気持ちいいツボ、響くようなツボがあり、そこが効果的な阿是穴です。
痛みやスジの緊張をとるには、ツボの名前や場所に捕らわれず、自分の感覚(痛みが変化するか、肩こりが楽になる感じがあるのか、気持ちいいのかなど)を頼りにツボを探すのがコツです。
ではツボ押し実践編、いってまいりましょう~。
ツボの押し方の手順
首~肩のツボを3点押したら、さらに腕~手のツボを押すことで、肩全体の緊張を取ります。肩のツボだけで終わらずに、手の末端までツボを押すのがコツです。
- 写真を参考に、気持ちいい場所、押している奥の方や頭などに響く場所を探します。
- ツボが見つかったら少し強く5,6秒持続圧をしてください。
- 同じところを4,5回繰り返して押します。
1ミリでもずれるとずいぶん感じが違いますので、少しずつ指をずらしてツボを探してください。また押す方向も大事なので各写真のキャプションをご参考ください。
➀肩井周辺
肩こり、肩の痛みのお悩みといったら、この部分の緊張が原因であることが多くあります。
肩こりのツボとして有名な肩井(けんせい)ですが、このツボは胆経(たんけい)と呼ばれる気の流れにあります。胆経は肩や首の太い筋肉や腱を走行しているので、緊張性頭痛や肩が重く痛いとき、目の症状の治療にも使われます。
胆経のツボは押すと痛いという特徴がありまので、気持ちいい程度に押してください。
自分の感覚を頼りに、自分で押されたいところ、押すと気持ちいいところ、痛みが変化するところなどを探って押していくのが効果的です。
ツボが見つかりましたら、5,6秒持続圧をしてください。5,6回繰り返します。
➁首の付け根のツボ
このツボも自分で押しやすいところです。首の内側にあり、頸動脈や神経が多く走行していますので、長く押しすぎないようにします。
浅いツボですので、軽く押してもツボを押したときの独特の感覚、響きや気持ちよさ、「効くなぁ」という感覚があると思います。
胸や腕に響きがあると、気の滞りがとれ、びっくりするくらい肩が楽になりますよ。
響く場所、気持ちいい場所が見つかったら、5,6秒持続圧をして、4,5回繰り返して押します。
ツボ➂肩甲骨
➀と➁のツボを押したら自分で肩甲骨の上部のツボを圧してみましょう。肩甲骨の際を探っていくと見つけやすいツボです。腕の柔らかい人はもっと下のツボまで圧せるハズです。
背中の肩甲骨の際にはツボがたくさんありますので、手の届く限りツボを探して圧してみてください。骨の際なので探しやすいツボ達です。
写真のように手を当て人差し指と中指で、肩甲骨の際を肩甲骨に向かって、骨自体を圧していきます。比較的浅いツボなので、強く圧す必要はありません。肩甲骨の際を数点探っていけば、響くようなツボ、気持ちが良いツボが見つかります。
肩こりのツボを圧したら、腕と手のツボを押します。肩のツボと腕のツボはつながっていますので、肩から腕~手の末端まで気の滞りを取ることで、効果を高めます。
腕のツボ
動悸や息切れ、喘息、胸の苦しさをとるのに使われるツボですが、肩から腕にかけての気の滞りもとります。好転反応を防ぐためにも肩のツボの後に圧していきます。
肘をぶつけるとしびれてしまうことがありますよね。英語では肘の内側の神経が出ているところをfunny boneといいます。ファニーボーンね、楽しい骨♪で、そこではなくファニーボーンの2,3センチ上方です。写真のように手を当て拇指で探っていくと、前腕~小指にかけて響く、ツ~ンとするツボが探せると思います。
写真の状態のまま上腕の骨に向かって圧します。少し下から上に向かって圧すと上手く圧せます。
おまけに手のツボを圧して更に気の滞りを取りましょう。手足の末端のツボは全体的な気の滞りを取るのに最適なのです。体幹のツボを圧したら末端のツボまで圧すのが大切です。
手のツボ
手の甲の薬指と小指の間、薬指側に腕~手の気の滞りを取るツボがあります。薬指側の骨を圧していく感じになります。
写真のように手を当て拇指で薬指の骨を圧していきます。骨の谷間を圧していく感じになります。ここのツボもとても気持ちが良いところです。基本的に体幹近くのツボは痛く、末端のツボは気持ちがいいという特徴がありますね。
しかし、何回か自分でツボを押していると、ツボの感覚がわかってくるはずです。
どこらへんか、どのくらいの強さで押したらいいかは、自分の身体が一番よく知っています。上記を参考に、自分の身体と対話しながら効果的なツボを押してください。
肩こり解消法➁ストレッチ
ここでは手軽にできる、立って行えるストレッチをご紹介します。
ストレッチの手順
効果的にストレッチするためには、ストレッチの姿勢をとり腹式呼吸をすることです。
腹式呼吸ができない方は、まずストレッチのコツHow to 腹式呼吸をご覧ください。
写真のように親指を絡ませ、前屈していきますが、腕が曲がらないようにして、ゆっくりと限界まで腕を上げて肩をストレッチしてください。
ストレッチの姿勢が取れたら、腹式呼吸です。息を吸うたびに肩がよりストレッチされて、息を吐くたびに緩むのが感じられるハズです。
5,6回、またはお好きなだけ腹式呼吸をして、戻るときもゆっくりと戻します。
肩こり解消法➂半身浴
ストレッチやツボは直接、肩のこりに対処するものですが、慢性的な肩こりや冷えでお困りの方は、全身的な血行促進のため半身浴を行ってください。
疲れがたまっている時だけでも効果的ですが、ひと月くらい半身浴を続けていると「冷えや瘀血(おけつ)」という状態が改善され、肩こり知らずの体質になりますよ。
半身浴のやり方
半身浴のやり方ですが、簡単です。下半身だけを湯につかり温めます。みぞおちとおへその中間くらいまでお湯につかり、腕を出して入ります。高血圧、心臓に難のある人、脳梗塞など上半身の循環障害のある人、あった人にものぼせや急激に体を温めるという状態は危険ですから、半身浴はおススメです。
コツは腕を出すことです。腕は上半身になりますから、腕を温めてしまってはのぼせという状態を助長します。反対にのぼせを取りたいときは、手首に水を当てたり、冷えたタオルを手首に巻いたりして手首を冷やすと、上半身や頭ののぼせが解消します。猛暑などのときは使えますね。熱いとき首に濡れタオルを巻くというのも同じことです、のぼせやすい首~頭を冷やす効果があります。
半身浴の温度
39度~40度くらいが適温とされています。42度以上の熱すぎる熱はあまり身体によろしくない(身体の深部まで熱が伝わりにくい)ので、40度くらいで20分くらい入り、長く入っているとお湯がぬるくなってきますから、最後に少し温度を上げて5分ほど入るとより効果的です。
半身浴の時間
身体の深部まで温まるのに、15分~20分は必要です。10分くらいでは身体の中が温まった実感もないと思います。20分くらい半身浴をすると、特に下腹部の中~下腿の骨の髄までぽかぽかする実感がありますよ。お風呂を出た後でも数時間温かいのが実感できると思います。長い分にはいくら長くてもいいですよ。一時間くらい入る方もいらっしゃいますね。
冷えや瘀血(おけつ)という状態が深い人は、始めは20分くらい半身浴をしても、これら身体の深部まで温まる実感が薄いと思います。いわれたとおりにやってるけど、あまり温まった実感がない…
しかし、半身浴を習慣づけている内に、冷えや瘀血という状態が改善されてきますので、諦めず続けてみてくださいね。目指せ、ぽっかぽかで肩こり解消。
生活に余裕のある方は、朝晩2回半身浴をなさるのもいいですね。忙しい人でも休日は朝にも半身浴なさると工夫して、身体を温める時間を作ってください。
冬など寒いときの半身浴
冬など寒いときはいきなり半身浴をするのは寒いので、まずお風呂に肩まで入って温まってから、上半身をタオルで拭いて(濡れてると寒いです)から半身浴なさると寒さを感じずにできると思います。最後に肩までつかるより、最初に肩まで浸かって後半に半身浴の方が効果があります。
冷えとり基礎知識
冷えって何?冷えと瘀血(おけつ)
冷えとり実践法・絹靴下で頭寒足熱を作るコツ
冷えとり実践法・半身浴でぽっかぽか。
冷えとり食養編・冷えの原因「食べ過ぎ」ないコツ
冷えとり食養編「体を冷やす食べ物・温める食べ物」
瞑眩(めんげん)反応について
まとめ
ツボ、ストレッチ、半身浴で肩こりは十分に自分で解消していくことができます。
東洋医学は、自分でのケアや養生法がとても豊かなのですね。
慢性的な肩こりでお困りの方は、ぜひ自分でお試しになってください。
お近くの人は、静岡県三島市の恵比寿整体院にご相談ください。私が責任をもって担当させていただきます。