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今回は「疲れを取る方法」として、ツボと経絡の施術家として活動している私が、疲れを取りたい方、自分で疲れを回復させたい方へ、東洋医学の見地から疲れを取る方法をご紹介します。
疲れを取る、疲労回復、これは人類の普遍のテーマですが、疲れって心身の状態の問題ですから現代医学では数字や検査、モノ的には表しにくいし処置もしにくい。
しかし、東洋医学は状態の把握や処置法に長けています。
(反対にモノ的な治療や処置法、骨折の処置や外科手術などはできません、何事にも向き不向きがあるということです)
体がどこかモノ的に損傷していたり、応急処置、緊急医療においては西洋医学ほどありがたいものはないのですが、状態の問題には意外と無力なのです。
東洋医学は気の状態が症状を引き起こしていると診ますし、気の状態の診断や改善法がメインです。
疲れとは、気の停滞、気の滞り、気の不足状態、これを虚(きょ)といいます。
虚証(きょしょ)というのは、慢性的に気の流れが悪い体質や状態のことです。
疲れやすい、疲れが抜けにくい人っていうのは、この虚証という状態に陥っているんですね。
だから、気の滞りを改善して気の流れ、血液の流れのよい状態に改善していくことが大切です。
ご紹介する疲れを取る方法は、自分でも行いやすいセルフケアです。体の循環不良を改善する冷えとり(半身浴)、スジのコリや疲れを取るツボ、スジや気の流れを気持ちよく伸ばせるストレッチ、この3つの疲れを取る方法とコツをご紹介していきますので、ご自身にあった方法や症状にあった方法をご参考ください。
とりあえず、疲れを取る方法
とりあえずビール、じゃなくてとりあえず半身浴。
とりあえずではなく、本気で疲れを取る方法なんですけど、疲れって血液が汚れている状態。
活動すれば老廃物も出るし、活性酸素(フリーラジカル)も溜まるし、血液の酸性も上がる。
この血液が汚れた状態は東洋医学では瘀血(おけつ)と呼びます。瘀血とは血液が粘性を帯びたイメージ的にはドロドロした黒っぽい血液ですね。いかにも疲れた時の血液って感じで、更に血液の流れが悪くなってしまいます。
瘀血(おけつ)とは?:
身体のうっ血や充血。東洋医学では瘀血(おけつ)、汚れ血、ふる血ともよばれ悪血ともいいます。本来、体の中をサラサラとスムーズに流れるはずの血液が、体のあちこちで滞ったり、血液そのものが汚れてドロドロした血になり流れにくくなった状態を東洋医学では「瘀血(おけつ)」と言います。
血流が悪くなってくると粘性を帯びてきます(食べ過ぎてもなります)、イメージ的にはまさにドロドロした血液ですね。
瘀血は循環全体のこともあれば、特定の場所に現れることもあります。特に停滞しやすいのが下半身や下腹部の内臓ですが、この瘀血が体にさまざまな問題を引き起こすのです。
また、丹田と関係深い小腸などは、ものすごい量の毛細血管があり、冷えや瘀血(おけつ)という状態の影響を受けやすい内臓です。
この冷えと瘀血といった循環の悪い状態が疲労回復の天敵なんですね。このような状態が長く続けば、様々な不定愁訴がどこに出てもおかしくないんですね。
で、この冷え(血行不良)や瘀血といった状態を積極的に改善して、気の流れの良い状態、血液の流れの良い状態を作っていこう、というのが冷えとり健康法です。
疲れが取れる入浴法・半身浴
お風呂は日本が世界に誇れるもの、半身浴もそうなればいいのにね。
体の冷えや瘀血を改善するコツは、下半身を温めること。冷えた気は下半身に停滞しやすく、のぼせた気は頭部に停滞しやすいという気の性質があります。
これを半身浴をしたり、絹の靴下を履くことで下半身を温まるコトで気の循環が回復していくんですね。
疲れを取るには何はなくとも半身浴。半身浴の愛好家もたくさんいらっしゃいますが、半身浴にはコツがありますのでご紹介いたします。
疲れを取る半身浴のコツ
- お湯はみぞおちくらいまで、心臓は温めません。
- 下半身だけ温めたいので、腕は必ず出して入ります。
- お湯の温度は39~40度くらい、熱すぎはいけません。
- お腹の中が温まるまで20分は入ります。長い分にはいくら長く入っても良いです。
- 工夫して半身浴を楽しみましょう。
さらに詳しくは疲労回復に最適なお風呂の入り方をご参照ください。
腕を温めないこと、心臓は温めないこと、上半身を温めないことがコツです。これは上半身はのぼせやすく熱を持ちやすいので、その反対に下半身が冷えてしまう気の原理があるためです。
下が冷えて上がのぼせている状態だと全身の循環が悪くなってしまうので、下半身を温め上半身を涼しくして全身の循環を良くしていこうというのが「冷えとり」です。
半身浴はとても行いやすいし習慣づけるのも楽ですから、疲労回復のみならず健康と美容のために、私が自信をもっておススメします。
他にも冷えとりの方法はたくさんありますが、まずは半身浴を基本にしていただくといいと思います。
半身浴をしてから就寝していただければ、寝ている間の体の疲労回復を助けます。また後でご紹介するストレッチも半身浴の後に行っていただければより効果的です。
私自身も半身浴は欠かせませんし、疲れすぎたり、食べ過ぎたり、調子の悪いときは半身浴を長めにしたりして、自分で体調をコントロールするのに役立ちます。
半身浴を2,3か月続けていると、冷えや瘀血といった状態が改善してきて、疲れにくい、疲れが抜けやすい体内環境になってきます。
疲れやすい方、疲れが抜けにくい方、お仕事がハードな方は是非、疲れが取れるお風呂の入り方、半身浴を実践してみてください。
あなたの人生のお供に冷えとりをど~ぞ。冷えとりにご興味のある方は、冷えとり基礎知識をご参考ください。
疲れを取る冷えとり基礎知識
疲れを取るストレッチ
疲れってどこに溜まりやすいか知ってます?
疲れはお腹の中に溜まりやすいんですね。疲れてくるとお腹に力が入らなくなってくる。
これはお腹が気の中心であるからです。この中心点を丹田(たんでん)といいますが、ここが疲れてきたり力が入らなくなってくると、
↑いかにも腰が悪そうな姿勢ですね。この状態に関係している筋肉は、腸腰筋や大腰筋です。
ここがね、疲れてくるんですね。疲れてくるとは力が無くなって姿勢を維持できなくなってくるコトです。
ここが元気になってくると、
いかにも元気のいい姿勢ですよね。
疲れを取るコツは体の中心から緩めるコト
だからストレッチもここが重要。
ここが緊張していたり、弱っていると全身的な倦怠感、疲れが抜けない状態に陥ってしまいますので、疲れを取るにはまずはここをストレッチしてください。
疲れを取るには、本当にここが重要。
大腰筋のストレッチ、腸腰筋のストレッチとしてもご紹介していますが、股関節を柔らかくする方法や体を柔らかくする方法でもご紹介しているストレッチです。
ストレッチの基本ともいえる場所ですから、疲れを取りたい方、疲れやすい方、腰や股関節、体を柔らかくしたい方はまずここからストレッチをしてみてください。
疲れを取るストレッチのコツ
ストレッチは腹式呼吸をしながら行うと、とても効果的です。ご紹介するストレッチのポーズをとり腹式呼吸を10回ほど行ってください。
ゆったり大きく腹式呼吸をすると、息を吐くたびに体が緩み、息を吸うたびにスジが更に伸ばせられます。息を吐くたびに少しずつストレッチする深さを深めていきます。
腹式呼吸だけでも疲れを取る、心身の緊張を鎮める、自律神経を整えるのに大変役立ちますが、腹式呼吸とストレッチを組み合わせることでその効果は全く違うものになります。
腹式呼吸のやり方
意外と腹式呼吸って難しいんですね。それだけ私達は、普段から呼吸が浅いのです。苦手な人は、How to 腹式呼吸をご参考ください。
ストレッチの手順
柔らかい人用
腰が比較的柔らかい人は、膝に両手を置いて天井を見上げると更に大腰筋をストレッチすることができます。
そんなんじゃ物足りない運動マゾの方には、
↑のような大変深いストレッチもあります。この形すごい気持ちがいいんですねぇ(笑)。実は私もキツければキツいほどいいという運動マゾ(笑)、スポーツマンやアスリートの方には最適なストレッチ法です。
詳しいやり方は、腰痛ストレッチ完全版にありますので、ご興味のある運動マゾの方はご参考ください。
その他のおすすめのストレッチ
ご紹介したストレッチを基本にして、身体の症状やお悩み別のストレッチを行っていただければ、より効果的に安全に身体の各部位をストレッチすることができます。
ご自身の症状や身体の状態にあった記事をご参考ください。
症状別おすすめのストレッチ
疲れを取るツボ
ツボはスジのコリや疲れ、体の部分的な疲れを取るのに大変お役に立てます。
このストレッチ・ツボガイドでも自分で圧せるツボをたくさんご紹介していますので、ご自身の状態、症状にあったツボをご参考ください。