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女性やスポーツマンに多い股関節の痛み。股関節の痛みや違和感には特に効くツボがあり、効果的なツボを圧す手順もありますので股関節のツボへのセルフケアをご紹介させていただきます。
ここでは軽度の股関節の痛み、スジの緊張やスジが固くなってしまったために起きる股関節の痛みや違和感などへの対処法です。事故などで股関節が脱臼してしまった、老化で骨がすり減ってしまってそれが原因で痛みが出るなど整形外科の処置が必要な痛みへの対処法ではありません。
初めての方は、まずこちら↓をご覧ください。ツボの探し方、圧し方が分かります。
ツボ基礎知識
女性に多い股関節の痛みや違和感
恵比寿整体院にも、股関節の痛みや違和感でいらっしゃる方が多くいます。
そのほとんどは女性ですが、まれに股関節の疲労などで痛みや違和感を訴えるスポーツマンの方もいらっしゃいます。
女性は妊娠・出産で骨盤の変化が激しく、骨盤と大腿骨の関節である股関節に負担が掛かりやすいのですね。また男性より女性の方が足の筋力が無く、股関節に力強さがないから股関節に負担が掛かり痛みや違和感などの症状が出やすいのかもしれません。
子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人病をお持ちの方にも、股関節の痛みは多いように感じます。
若いときはなんでもなかったのに、出産後に股関節が痛くなりだした女性も多いですしね。自然分娩の時は骨盤が開きますし、骨盤内にある子宮、卵巣も女性の臓器ですしね。ヒールなど高い靴などでも負担のかかるところですし、いろいろな理由で股関節の痛みは女性に起きやすいのでしょう。
もちろん、股関節の問題は男性にも起こりますし、スポーツやダンスなど股関節を深く曲げる運動などでも、無理をしたりして股関節の痛みは起こりやすいです。
特に、スノーボードやサーフィンのような両足を大きく開いて踏ん張るようなスポーツでは、よく股関節が痛くなります。
そしてスジの緊張、スジが固くなってしまって起きる股関節の痛みや違和感は下記のツボ圧しで、改善しやすい症状です。自分でツボをセルフケアしても、スジのコリが引き起こす痛みや違和感はかなり軽減できるのではないのでしょうか。私もよく無理をして、股関節のスジをいわしてしまいますが、自分でツボを圧すことでセルフケアしてしまいます、。ツボって便利なんですね。
股関節の構造と気の流れ
Hip boneこと寛骨があり大腿骨が一本あります。大腿骨の大転子と呼ばれているところは、自分でも触れるところです。お尻の横にあるでっぱりですね。
写真の通り、うまくできていますね、人間のからだって。骨格も筋肉も内臓も不思議なもんです。
そして目には見えないけど、科学的にも証明しずらいけど、それを動かしている気の流れ(経絡)があります。ものだけあってもエネルギーがなければ動きませんもんね。
円を描くように動かせる股関節
写真のように股関節は球関節なので円を描くように足を動かすことができます。
膝などは曲げる、伸ばす動きくらいで捻じれないようにできていますが、股関節は縦横無尽に自由に動かすことができます。
自由に動かすことのできる関節だから、支える力強さも必要。だからスジのコリが引き起こす問題の多いところともいえます。
そして股関節を動かす気や筋肉は、体の機能にとって重心や体軸と密接に関係があり、全身に影響を及ぼす部分なんですね。
股関節の気の流れ(経絡)と筋肉
股関節の痛みは胆経といわれる気の流れ(経絡)のスジが緊張したり、張ってきたり、固くなってしまうことで起こります。胆経のツボは見つけやすく圧しやすい特徴があります。自分で、後述する臀部~股関節のツボとスジを圧すことでかなり楽になるはずですが、胆経のツボは太い筋肉や腱の上にありますので、圧すととても痛いという特徴があります、心して圧してください(笑)
また胆経は冷えに弱く、足腰の冷えで固くなりやすいスジです。
その他にも、足の後ろ側の付け根のコリなどが引き起こす坐骨神経痛は膀胱経、足の内側のコリなどは肝経や腎経の問題であることもあります。
股関節の力強さ、柔軟性が大事
股関節を動かすメインの筋肉は腸腰筋(大腰筋)といいます。腸腰筋は股関節と背骨(腰椎)をつなぐ筋肉で、体の姿勢や体全体の力強さに関わる大事な筋肉なので少しご説明したいと思います。
腸腰筋と大腰筋
腸骨筋と大腰筋を合わせて腸腰筋といいますが、大腰筋は体感トレーニングなどでも有名ですね。
写真の通り背骨と股関節をつなぐ筋肉で、足を上げたり腰を曲げたりねじったりする大事な筋肉です。
この腸腰筋に力がないと…
姿勢が悪い、腰が悪そうな姿勢ですが、このような状態だと股関節にも力が入らず、それでまた股関節を痛めてしまいがちなんですね。どこかが弱っているから別のどこかに負担がかかり痛くなるなど、症状のある部分とその原因の部分は別物であるということがよくあります。
体の中心はお腹であり、お腹(丹田といいます)を中心に人間は動くのですが、ここに力が無いということが一番まずいんですね。気という生命エネルギーの中心が弱っている。
ついでに言いますと、腸腰筋はお腹の中にあり直接には触れることができません。直接マッサージや指圧することができないんですね。ストレッチのような運動療法でしかケアしにくい筋肉なのです。
股関節と気の話、優柔不断
ここでちょっと気のお話を。
先ほどの胆経というのは、胆のうの働きにも関わっていますが、人間の側面の動きや関節の力強さにも関わっています。心理的には意志の強さに関わる経絡です。
右か左を選ぶのもこの経絡の働きです。右足、左足をどう動かして自分の進むべき方向に向かうかに関係している経絡なんですね。
だから胆経が弱ってくると、優柔不断になってくる…
胆虚(たんきょ)というのは胆経の気が弱っているという診断ですけど、右か左か決定つけるのは胆経のお役目ですから、胆虚=優柔不断というのは一理あるんですね。
関節の強さ、股関節の強さ、股関節や関節の柔軟性という体のコト、優柔不断、意志が弱い、という精神の状態、これらが気の流れ、経絡というもので説明できるのが東洋医学の面白いところです。
心身相関、心身一如、体と心はつながっているんですね。
股関節のツボ
前置きが長くなってしまいましたが、ツボや経絡は体の動きや内臓の働き、心理面にまで影響を及ぼすものです。
このような心身相関的な理を説明できるのは東洋医学だけですし、実際に体の不調を改善できるのがいいですよね。
長い人生、ツボは必ずあなたの健康のお役に立てると思いますよ。
で、股関節の痛みや違和感に効果的なツボが2点あります。
股関節のツボのセルフケアの手順
それぞれツボの探し方や圧し方を解説していきますが、順番としては臀部のツボから股関節のツボへと施術していきます。
(セルフケアでも施術でも)
ツボは体幹から末端へかけて圧すのが基本
ツボは体幹部から手足の末端に向けて圧していくのが基本です。
臀部のツボから股関節のツボへと圧していく方法をご紹介しますが、もし股関節の痛みや違和感とともに足(太ももや膝関節、足首など)に症状やコリなどがある場合には、そのまま足の末端にかけて症状に合わせたツボを圧していってください。
ツボは姿勢や圧す方向が大事
自分で圧す時も施術の際も、ツボ圧しは姿勢やツボを圧す方向が大事です。
体に緊張がある状態では、深くまでツボを圧すことができませんので、画像の説明を頼りに股関節のスジの緊張が取れる姿勢をとってから圧してください。
またツボは圧す方向も大事です。ツボを圧す方向も解説しておきますが、股関節の作りは個性的なんですね。スジやツボも個性的です。太った人と痩せた人ではまた違いますしね。
ツボは正確に圧せると、スジ沿いに響いたり、痛気持ちいいツボを圧したとき独特の感覚がありますから、その感覚を頼りにツボを探して圧してみてください。
股関節のツボ・その参 臀部のツボ
臀部の横に股関節の痛みや違和感をとるのに即効的な効果のあるツボがあります。
ツボの探し方
写真のように横臥位、横向きになり上の足を床に落とすと表面のスジの緊張が取れてツボを圧しやすくなります。
ツボの圧し方
この寛骨周りには、たくさんのツボ(阿是穴)がありますので、下手な鉄砲も数てば当たるハズ…
また、ここのツボは深いところにありますので、お尻にお肉が多めの方は、お肉をかき分け頑張ってみてください。
このツボは正確に圧せると、股関節に響いたり、太ももの内側に響いたりします。響きとは気の滞りが抜けていく証です。コリがほどけていく証といってもいいです。
響く場所、響く強さでツボを圧してみてください。
ツボを5,6秒持続圧(圧しっぱなし)して同じ部分を5,6回繰り返して圧します。
股関節のツボ・その弐 股関節のツボ
臀部のツボを圧したら、今度は股関節にあるツボを圧していきます。
足の付け根、Vラインの際にとても効果的なツボがあります。ほかのツボはその辺にいっぱいツボがありますから、探ってみてくださいと書いてきましたが、ここのツボはとても狭い範囲にあり、とれるツボとしては一点です。スジとスジのつなぎ目ですので分かりやすいと思います。
ツボの探し方
写真のように仰向けに寝て、膝を曲げたときのVラインの際です。膝を曲げてから探して圧すと分かりやすいツボです。
ツボの圧し方
これも横から圧すようにしますが、浅いツボなので少し圧すだけで、気持ちよかったり響きがあると思います。下腿の方に響くことが多くあります。股関節が痛いときはとても効くツボですので、ぜひ見つけて圧してみてください。ツボが見つかったら5,6秒持続圧をします、5,6回繰り返して圧してみてください。
下肢に痛みなどがある場合は、そのまま足の末端に向けてツボを圧します。
もし股関節の痛みや違和感とともに、膝も痛い、足首も痛い、もしくは疲れているなどの場合には、上記のツボを圧した後、症状に合わせたツボを末端に向けて圧していってください。
症状への対処だけではなく、手足の末端までツボを施術することで気の滞りをとり、股関節のツボへの施術の効果を確かなものにする意味もあります。
股関節のツボと合わせて行ってほしいセルフケア
股関節のツボをご紹介しましたが、どのような症状にも血液に流れをよくする、血行を促進していくということが大事です。
特にお腹の中、股関節とも密接な関係のある先ほどの腸腰筋なども下腹部の冷えの影響を受けやすいところです。
半身浴などで日常的に下半身を温めて、血液の流れをよくしていくというのは、股関節の柔軟性を高めることにもなりますし、健康のためには大変役立つものです。
また股関節の柔軟性を高めるためにも、股関節のストレッチがお役に立てます。
このブログでも、まず第一におススメしているストレッチです。
体を柔らかくするコツはお腹の中を緩めることです。
股関節の症状のみならず、腰も伸ばせるし、体全体に作用するストレッチですので、ぜひ股関節のツボと合わせて行ってみてください。
下記の記事にてご紹介しています。
また股関節の問題は腰の症状として現れることもあります。腰痛でお困りの方は、腰痛マッサージの手引きや腰のツボなどもお役に立てると思います。
ツボのセルフケア:自分で圧せる特効穴