Contents
下腿の筋肉、短腓骨筋のストレッチのやり方と働きの解説です。
短腓骨筋は長腓骨筋と同じく足首を外に動かす(外反する)筋肉なので、短腓骨筋のストレッチは長腓骨筋と同じ形になります。
短腓骨筋は腓骨を起始とする筋肉ですが、私は腓骨が完全骨折して折れた腓骨が脛骨を押し出しての脱臼経験者なので未だに右足の短腓骨筋あたりがコッてるのね。
腓骨筋と名がつくものには、この短腓骨筋の他に、長腓骨筋、第三腓骨筋がありますが、腓骨は下腿の外側の骨なので、3つとも足首を外側に動かす(外反する)筋肉です。
一つの筋肉には主な働き、動きが一つあり、筋肉には初めと終わり、起始部・停止部といったものがあります。
筋肉の起始や停止、働きを理解し、その筋肉の働きと逆の動きをすれば、その筋肉をストレッチすることができます。
短腓骨筋のストレッチのやり方とともに、短腓骨筋の働きや機能解剖能なども解説しますが、解剖学的なことがめんどくさい方は飛ばして、短腓骨筋ストレッチのやり方をご参考ください。
ストレッチ基礎知識
下肢の骨格
短腓骨筋は下腿の筋肉です。
解剖学では足は下肢、太ももは大腿、膝から下は下腿と呼びます。
漫画の肉の骨のような大腿骨の下に、弁慶の泣き所といわれるすねの骨、脛骨と短腓骨筋が付着する腓骨があります。
腓骨の下の出っ張りは外側のくるぶしで外果(がいか)と言います。
短腓骨筋は腓骨からくるぶしを通り足の指の外側に付着する筋肉です。
短腓骨筋
短腓骨筋は腓骨から腓骨下の外果後ろをとおり小指側につく筋肉なので、短腓骨筋は足首を外側に動かす筋肉です。
短腓骨筋の起始と停止
短腓骨筋の起始:
腓骨外側下方2/3
短腓骨筋の停止:
第5中足骨の横(茎状突起)
短腓骨筋の神経支配:
浅腓骨神経
短腓骨筋の触診
短腓骨筋は第5中足骨の横(茎状突起)で腱を触れます。
短腓骨筋の働き
短腓骨筋は足首を外に向ける動き(外反)の主働筋であり、足首の底屈も補助します。
短腓骨筋の外反
この短腓骨筋や長腓骨筋などの足関節を外反する筋肉が弱かったり発達していないと、足首が自然に内反してしまう状態になります。
日常では足首の外反はあまりしない動きなので、スポーツや運動がお好きな方、きれいな歩き方を目指す方は積極的に鍛える必要がある筋肉です。
足首を外反する筋肉
- 長腓骨筋ストレッチ
- 短腓骨筋ストレッチ(この記事です)
短腓骨筋の底屈の補助
短腓骨筋は足首の底屈を補助する働きもあります。
主な足首の底屈筋は、ふくらはぎの筋肉である腓腹筋やヒラメ筋ですが、短腓骨筋はこれらの底屈筋を補助します。
足首の底屈筋
腓骨筋の拮抗筋
その筋肉の働きの反対の働きをする筋肉を拮抗筋(きっこうきん)と呼びます。
短腓骨筋の主な働きである足首の外反の反対は内反です。
足首を内反させる筋肉には前脛骨筋や後脛骨筋があります。
ストレッチもその筋肉の拮抗筋もセットにして行うのが望ましいでしょう。
表をやったら裏もやらないとね、何事も全体性が大事ということです。
各筋肉の記事でもストレッチをご紹介していますが、足首ストレッチにて動き別のストレッチをまとめてあります。
足首を内反する筋肉
前脛骨筋のストレッチ
後脛骨筋のストレッチ
短腓骨筋ストレッチ
短腓骨筋ストレッチですが長腓骨筋のストレッチと同じ形でストレッチできます。
簡単な短腓骨筋ストレッチを一つと、より深く短腓骨筋をストレッチできる形を一つご紹介いたします。
簡単な短腓骨筋ストレッチ
手で他動的に足首の内反(内側に向ける)、背屈(足先を上げる)で短腓骨筋ストレッチができます。
でもこんなんじゃ物足りないので、更に深く短腓骨筋ストレッチしたい方は胡坐をかいて行います。
深く内反する短腓骨筋ストレッチ
更に深く短腓骨筋ストレッチしたい場合は、胡坐をかいて足を組み前傾します。
これは左右行うので、足の組み方を変えて左右行ってください。
足首を深く内反できるストレッチですが、短腓骨筋のみならず下肢の側面の筋肉が気持ちよくストレッチできる形です。
足首がある程度柔らかくないと足を組めないので、足が組めない方はこのストレッチは無かったコトにしましょう(笑)。
足首のストレッチ、足首を柔らかくする方法、すねのストレッチとしてもご紹介している形ですが、短腓骨筋のような体の側面のスジって結構、ストレッチがしにくいんですね。
体の外側の側面は気の流れ(経絡)でいうと、胆経や肝経が走行していて、関節の力強さや腱を司ります。
気の流れ、経絡について詳しく知りたい方は胆・肝経の働きとストレッチをご参考ください。
まとめ
短腓骨筋は足首を外側に動かす筋肉なので、足首を内側に内反すればストレッチできる筋肉ですが、スノーボードやサーフィンなどの横向きのスポーツで特に負担の掛かりやすいところです。
また下腿の側面、短腓骨筋のスジ沿いにはツボもたくさんあり、スジや腱のコリや緊張をとりやすいところでもあります。