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今回は肋骨骨折、一般的に言われるあばら骨のヒビについて、その症状やどのくらいで治るのか?など私の肋骨骨折の経験から解説したいと思います。
肋骨骨折の経験といっても一度や二度ではありません。
10回くらいは折っているんですね、私のあばら骨君を。
何も私の肋骨、あばら骨が弱いんじゃなくて20代に10年くらいスノーボードを本気でやっていたので(あと10代でスケートボードも10年くらい)、転倒して折ったり、ひびが入ったり、はたまた滑っているときに木にぶつかったりしてやっちまったんですね。
で、咳をしても痛いから整形外科に行く、レントゲンとってもらって「あぁ~折れていますね」で終わり、湿布もらって無罪放免。
あとは1,2か月治るのを待つしかないんです、肋骨の骨折って。
そんなことを繰り返してきましたし、周りにも肋骨骨折の経験者は多くいましたので、肋骨を骨折している人には何かと笑わせて楽しんでいました。
肋骨の骨折って咳をしても痛いし、笑っても痛い、爆笑なんかしたらとんでもなく痛いんですね。
ほとんどの肋骨骨折の場合は治るのを待つしかないし、痛み以上の症状は出ないんですが、呼吸機能、言葉を発するのにも影響しますしね、寝るのも大変。
そんな豊富な私の経験も交えて肋骨骨折について解説していきたいと思います。
肋骨の記事
肋骨、あばら骨の構造
解剖学的には肋骨といいますが、一般的にはあばら骨もよく使われる言葉です。
めんどくさいのでここからは肋骨に統一していきますが、肋骨もあばら骨も一緒のものです。
肋骨は右左24本ありますが上部の方は少し太目で丈夫そう、下に行くにしたがって細くなってきて丸より平べったいきしめんのような形になっています。
一般的な肋骨の骨折は大概が下部の肋骨ですが、事故やけがなどで上部の肋骨を骨折すると厄介です。
この鎖骨周辺の骨折って厄介なんです。鎖骨のすぐ下に肋骨があり、手術も難しいところなんですね。
あと肋骨の下部も危うい。
第11肋骨、第12肋骨、これは浮遊肋骨とも言い他の肋骨のように前方でつながっていません。
だからこの浮遊肋骨は折りやすいところでもあるんですね。
マッサージや整体などでも下手な施術家が力任せの施術や体重を乗せるような施術で患者さんの肋骨を折ってしまった、というようなときは大体がこの浮遊肋骨の骨折です。
肋骨骨折、ヒビの違いって?
よく肋骨にヒビが入った、とか言いますがヒビは医学用語ではなく、骨折のイメージの言葉ですね。
ヒビも骨折の一種です。
骨折は専門的な用語もたくさんあり、一般的な方にはなじみのない言葉もありますので、できるだけ簡潔に骨折の種類などを解説したいと思います。
ここでの解説はよく起こりうる肋骨の骨折の説明ですので、後述する骨の病気などの病的骨折などには当てはまりません。
更に詳しく知りたい方は用語を頼りにアカデミックなサイトをご参考ください。
まず肋骨に関わらず、骨折の内容としては主に2つに分けられます。
- 骨折の原因別
- 骨折の仕方(完全性)
骨折の原因別
骨折の原因別とは、
- 外傷骨折=ケガや事故などで外部の力がかかったための骨折
- 疲労骨折=同じ部分に、繰り返し外力が加わることで起こるの骨折
- 病的骨折=骨肉腫や骨の病気などの原因により骨自体の耐久性がなくなったために起こる骨折
です。肋骨の場合は疲労骨折はあまり聞かないですね。肋骨骨折はほとんどが外傷骨折、事故やけがによるものだと思います。
骨折の仕方(完全性)
骨折の仕方とは完全性とも言いますが、
- 完全に折れている=完全骨折
- 完全には折れておらず、亀裂が入っている状態=不完全骨折
よくいう肋骨のヒビとは肋骨の不完全(不全)骨折ということです。
もちろん、肋骨も完全骨折する場合もありますが、一般的な肋骨の骨折と言えば、この肋骨にヒビが入った肋骨の不完全骨折のことを言います。
- 亀裂(ヒビ)の入り方。縦とか横とか
- 骨折部位による種類。端とか真ん中とか
- 骨折線の数による種類。一本か複数の断裂か
- 圧の掛かり方。ねじったとか圧迫されたとか
- 開放性。皮膚から飛び出しているかとか
単純骨折と言えば骨の亀裂が一本の骨折。
複合骨折と言えば、亀裂が複数ある骨折で細かく折れていたら粉砕骨折。
圧がかかった骨折なら圧迫骨折。
皮膚から骨折した骨が飛び出しているなら開放骨折。
ん、骨折にもいろいろなタイプがあるんです。
ちなみに私、多々の肋骨骨折のみならず足首を開放骨折&圧迫骨折。
あと鼻もやっているので今も鼻が少し曲がっています。
知人はスノーボードで滑っている最中に木にラリアートして右腕を粉砕骨折、文字通り骨が砕け散ったようです。
知人はスノーボードで飛びすぎて普通に着地したのに体が耐え切れず足首を圧迫骨折。
中学の時、友達は本気で浣腸して外れて両手の人差し指を外傷骨折(笑)。
いや、こうして思い出すと骨折って結構身近ですよね。
日常でも起こりうるものですしね、交通事故じゃなくても階段踏み外したとか、浣腸が外れたとか(笑)。
骨折の状態別の治し方
先ほどの不完全(不全)骨折の場合は、骨にヒビが入った状態ですのでギブスなどで固定して安静にしていれば骨が次第にくっついていきます。
完全骨折の場合は2タイプありますが、
- 完全骨折・転位なし
- 完全骨折・転位あり
です。
完全骨折転位なしとは、骨は完全に折れているのだけれど、ずれてはいないという状態。この状態でも手術になるのは少なく、ギプスで固定だけというケースも多々あります。
完全骨折転位ありとは必ず手術が必要と言う意味でこの骨折がヘビーです。
骨折した骨がくっつくためには骨折した面同士が接していなければなりませんが、転位がひどくて完全に骨折面同士が離れてしまった場合は骨折は自然にはくっつきません。そこで、骨折面をきちんとボルトなどできちんと接してあげる為に手術をするのです。
(骨折した骨がちょっとだけ転位しても半分くらい骨折面が接していれば自然に治る場合もあります。)
よほどの交通事故などでもない限り、手術が必要なほどの肋骨骨折はないでしょう。
肋骨骨折の症状
肋骨の完全骨折の場合もヒビが入っている場合も症状はさほど変わりません。
どれだけずれているか(転位しているか)で痛みや症状の程度が違うようです。
肋骨骨折の症状としては、
- 呼吸をすると胸に痛みを感じる
- 上半身をねじると胸に痛みを感じる
- 咳やくしゃみ、笑っただけでも痛い。
- 胸部を打撲した場所に、内出血、腫れ、痛みがある。
などです。
一回くらい肋骨骨折を経験しているとなんとなく痛みの具合で「あぁ~、折れてるな」とか分かるようになりますが、初めての場合は心配ですよね。
日常的には緊急の手当てが必要なほどの肋骨骨折はあり得ませんが、重度の交通事故やけがなどの場合は注意が必要です。
肋骨は心臓や肺などの大切な内臓を収めて守る働きもあります。
見た目はなんでもなくても骨折した骨の一部が肺や胸膜を傷つけたりする場合もあり、呼吸困難などを起こして危険な状態となることもあります。
このような場合や痛みがひどい場合、ズレが大きいとみて早急に医療機関を受診してください。
肋骨骨折の治し方
まずは肋骨骨折が疑われる場合、胸部を強く打って深く呼吸をすると痛みがある、上半身をねじれないほど痛い、そのような場合はまず整形外科を受診しましょう。
(もちろん、事故や重度のけがなどでは救急車が必要な場合もあります)
私の場合は、大概は肋骨骨折をして数日様子を見てからレントゲンを撮りに行っていましたね。
レントゲンを撮ってもらって骨折の状態を確かめて、医師の判断を仰いでください。
肋骨骨折のほとんどのは安静にするしかないという種類のものです。
どのくらいで治るのか
年齢によって異なりますが、しっかりと骨が付くのは2-3ヶ月かかります。子供は一か月くらいでも骨がくっつくこともあるようです、若いっていいなぁ。
個人的には一か月は痛いけど、徐々に痛みが少なくなっていって1か月半位~2か月で完全復帰かな。
でも20代の経験だしな、今なら3か月くらいはかかりそうですね。
でも肋骨骨折に限らず、骨が完全に折れても2,3か月でくっつくなんて凄いと思いません?
自然治癒を高めるためにできること
骨がくっつくのは自然の力、体が勝手に(?)回復していくんですね。
ボルトなどで骨折した面をくっつけるという手助けが要る場合もありますが、骨がくっついていくのは私たちが自然治癒力を持っていればこそ。
そしてこの自然治癒力は健全な血液の流れがあってこそ上手く発揮されるのです。
だから、血行が悪い状態では自然治癒力もうまく働けない。
血液の流れを良くする方法、冷えをとる方法はこのブログのメインテーマでもあるのですが、私個人的には半身浴や足湯、絹の靴下、就寝時の湯たんぽをおススメしますね。
骨折したては半身浴や足湯などで血行を促進しすぎると患部が痛くなってしまうかもしれないので、徐々に様子をみて下半身を温める努力をしてください。
またシルク(絹)も昔からけがをした場所に当てておくだけで治りが早い、と言われてきましたが、実際にシルクは排毒効果があるのでこれは本当だと思います。
回復したら
骨がくっつくまで2か月ほどは安静にしていなければなりませんが、2か月も体を使わないでいるとあっちこっち固くなってしまいます。
特に肋骨骨折は1,2か月ほど呼吸も深くするのが辛いので、肋骨の間もコってしまいます。
骨がうまくくっついたら、徐々に可動範囲を広げていきましょう。
肋骨のストレッチを解説しているので、肋骨骨折のリハビリとしてお役立てください。
まとめ
肋骨骨折とヒビの違いは医学的にはなくどちらも「骨折」です。
まずは適切な医療機関(整形外科)を受診して医師の判断を仰ぐこと。
事故やけがなど、応急処置が必要であるほどの緊急時には救急車を呼び応急手当を受けること。
ほとんどの肋骨骨折の場合は、手術は必要なく安静にしているしかない。
やっちまったものは仕方がない、1,2か月は体をいたわってあげること。
血液の流れを良くして自然治癒力を促進させること。
骨がうまくくっつたら徐々にストレッチなどで術後の回復に努めること。
骨折はできれば避けたいものですが、体の神秘を感じられる経験でもあります。
身体がダメージを受けた時は自分をいたわり、身体がどう回復していくのか?
早く回復するにはどうしたらいいか?考える機会にもなりますね。