恵比寿整体院が贈る気の癒し・施術編。今回は冷え性や低体温への施術法の手引きのご紹介です。
冷え性や低体温は東洋医学の適任な分野です。冷え性、低体温になると、血行も悪くなり、免疫力も低下し、疲労が抜けにくく疲れやすい体質やアレルギー体質に陥り、生活習慣病などの多くの病気にかかりやすい状態になります。
また、婦人科疾患(不妊や子宮内膜症、子宮筋腫など)は低体温や冷えと関係があるといわれ、冷え性や低体温を改善していくことで女性の病は快方に向かうことがよくあります。
健康な人の基礎体温は約36.5℃ぐらいですが、低体温の人の体温は35℃台以下ぐらいで新陳代謝が活発ではありません。基礎代謝が低下すると脂肪を燃焼しにくくなり、太りやすくなるということもあります。
ここでいう低体温とよく山の遭難などのニュースで聞く低体温症とは別物ですが、低体温症とは極度に体温が低下した状態で生命の維持に関わります。生命を維持できないくらい体温が低下すれば凍死です。
本来、人間の体温の平均は36.5℃くらいであり、これは体内の酵素が最も活性化され働き、免疫力も活性化している状態です。
低体温になると、免疫力をつかさどる血液中のリンパ球の数が減ることで免疫力が落ちてしまうために、風邪などにかかりやすく、疲れやすくなると考えられるそうです。
また低体温だと血液の流れも悪くなり、体中の細胞に新鮮な酸素や栄養がいきわたらず、老廃物は排出されにくくなるため、体の機能が低下してしまいます。
東洋医学では「冷えは万病のもと」ともいい、どのような手法でも症状への対処とともに冷えを改善すること、冷えた体を温めることが治療の主眼になっています。
冷えや瘀血といった状態、身体の循環不良がその症状の根本的な原因ならば積極的に下半身を温め、気の滞りをとり血液の流れをよくしていく東洋医学の手法は理にかなっているといえます。
そもそも東洋医学は、症状を治す、病名を治す、といったものではなく気の歪み(気の虚実)を診断して、それを改善して本来の気の巡りの良い状態に導いていこうというものです。
冷え性、低体温への施術の手引き
経絡的には血管を司る小腸経問題などが冷え性、低体温に関与していると思われますが、胆経というスジは冷えに弱いとされていますし、腎経・膀胱経なども冷えに深い関係があります。しかし、このような気の歪みの状態はは冷えや瘀血(おけつ)の結果の気の歪みが原因ですので、気の歪みを改善するとともに、積極的に冷えや瘀血を改善していく指針が大事です。
冷えとは?
東洋医学の冷えとは、足、下半身が冷え、頭部がのぼせている状態をいいます。
足首を触っていただけると分かるのですが、ほとんどの方は冷たく感じると思います。実は足先の体温は実は30度位なのです。
足が冷えていると全身の気の巡り、血液の流れが滞りってさまざまな不定愁訴を引き起こします。冷えの状態が慢性的になると、下腹部の内臓が血行不良になり、女性は特に婦人科、男性は泌尿器科に問題が出てきやすいのです。腰痛、肩こりなどの体の痛みも根本的な原因は「冷え」です。
冷たい気(陰の気)は下降し下に停滞する、温かい気(陽気)は上昇し上に停滞するという性質を持ちます。空気もそうですし、水もそうです。物理的な法則なのですね、下が冷え上がのぼせるのは。そしてこの状態だと循環が起きにくいので、循環を良くするには、下を温かく、上を涼しくことが必要です。頭寒足熱という状態を作ると、気の原理に従い温かい気(陽気)は上昇し、冷たい気(陰の気)は下降して循環が促進されるのです。
瘀血(おけつ)とは?
身体のうっ血や充血。東洋医学では瘀血(おけつ)、汚れ血、ふる血ともよばれ悪血ともいいます。本来、体の中をサラサラとスムーズに流れるはずの血液が、体のあちこちで滞ったり、血液そのものが汚れてドロドロした血になり流れにくくなった状態を東洋医学では「瘀血(おけつ)」と言います。
血流が悪くなってくると粘性を帯びてきます(食べ過ぎてもなります)、イメージ的にはまさにドロドロした血液ですね。
瘀血は循環全体のこともあれば、特定の場所に現れることもあります。特に停滞しやすいのが下半身や下腹部の内臓ですが、この瘀血が体にさまざまな問題を引き起こすのです。
また、丹田と関係深い小腸などは、ものすごい量の毛細血管があり、冷えや瘀血(おけつ)という状態の影響を受けやすい内臓です。
私の施術の方針としては、全身への基本の手技、特にお腹への施術を丁寧に行い、日常的に下半身を温めて冷えや瘀血を改善して、全身の循環が活性化した状態に導いてあげるよう心がけています。