恵比寿整体院が贈る施術の手引き。今回はスジのコリや緊張が引き起こす腰痛の施術法の解説です。
腰椎の椎間板ヘルニアや腎結石、尿道結石でも腰の痛みは起こりますが、このような腰痛のタイプへの施術法ではありませんのでご注意ください。
解説するのはよく起こりうる、腰のスジのコリや緊張が引き起こす腰の痛みへの施術法です。
腰痛への施術法の手順
まず腰が痛いという訴えがあったら、どのように痛いか、どのように動くと痛いか確認してください。
大体は動かないと痛くはないけど、腰を曲げたり、反らしたりすると痛かったりする動作痛のタイプだと思います。
このようなタイプの腰痛は、初めに一番気になる姿勢、動作を確認しておいて施術後にまた再確認して変化があったこと、施術効果があったことを確かめてください。
で、問診の後は補助付きの経絡ストレッチです。6系統の経絡と腰を伸ばすストレッチを施術前に行います。
施術前に経絡ストレッチで、スジを緩めておけば、施術でより深いツボやスジへと施術することができます。時間にしても5分かからないですしね。
あと施術前に経絡ストレッチで、どこのスジが特に固いのか、問題があるのか、目星をつけておける意味もあります。
大体の人は、6系統の経絡のうち一つの経絡が特にスジばっていて固くなっていたりします。そこがその人の弱点の経絡でもあり、言い方を変えれば特に頑張っていてくれている経絡でもあります。
そのような経絡、スジを特定しておいて施術していくためにも、施術前の経絡ストレッチは役に立ちます。
経絡ストレッチの後は、全身への基本の手技を30分ほどかけて行います。
基本の手技は施術するスジやツボ、順番を定めてある型ですが、気になる腰の部分を丁寧に繰り返したり、時間をかけたりして施術するのも有りです。熟練してくれば基本の手技の中に、さらに深いツボを取り入れて基本の手技だけで十分な症状への改善効果を出すこともできます。
初学者のうちは、基本の手技の後に症状に合わせたツボを施術していきます。
腰のツボへの施術
肋骨から骨盤までの背筋(脊柱起立筋)の外側にツボはたくさん存在します。
とくに効果的なのは肋骨の際と骨盤の際です。効果的なツボって際にあるんですね。
でもまぁ、このスジは点で施術するより、線で施術していく感じの方が気持ちいいですしね。しっかりとスジをとらえてスジ沿いに上から下へと施術していきます。
肋骨の際は拇指で施術することが多いですが、骨盤の際は肘で施術するほうがスジのそこまで施術できます。
拇指で施術する場合は、受け手は横臥位、横向きになり上の足を床に落とします。この姿勢だと腰の表面のスジがゆるみツボを施術しやすくなります。ツボへの施術は受け手の姿勢や術者の姿勢が大事なんですね。
術者は基本の姿勢から片膝を挙げて、自分の側面を受け手の背中にしっかりと当ててこれを補とします。
肘で施術する場合は、受け手はうつぶせになり、肩と骨盤の下に術者の膝を入れます。
骨盤の際のツボは施術されると大変気持ちいいところです。肘での施術は凝り固まったスジがほぐれやすい形ですので、ぜひ体得していただきたいですね。
ツボへの施術法
腰痛といえどお腹への施術が大事
基本の手技の後にツボを施術して、お腹への施術と任脈督脈の調整(CV4)を行いますが、特にお腹は重要なところです。
腰痛はお腹の緊張、お腹の経絡のシコリが引き起こしていることが多々あります。
腰の問題掛けではなく、症状の根本的原因としてお腹の経絡の歪み、潜在的な気の滞りがあるんですね。だからそのような症状でも最後にお腹への施術を丁寧に行うのです。