施術時、施術前に行う補助付きの経絡ストレッチをご紹介してきましたが、6系統の経絡(肺・大腸経、脾・胃経、腎・膀胱経、心・小腸経、心包・三焦経、肝・胆経)のストレッチの後にもう一つ行ってほしいストレッチがあります。
施術前の経絡ストレッチ(補助)
それはお腹のストレッチなのですが、お腹の中には丹田があり皆さんここがとても固い、閉じているんですね。
だからお腹の中、丹田付近をストレッチして丹田周辺の血行を良くしていくと丹田も開きやすくなり、身体全体・経絡全体の活性化につながります。
施術も腹診と言って経絡の中心であるお腹を直接、施術するのですが、初めにストレッチしておけばより深いところまで施術することができます。
施術効果を高めるためにも、患者さんがストレッチを覚えて自ら身体を快調に保てるよう、今回ご紹介するストレッチをぜひともやっていただきたいんですね。
で、6系統のストレッチは補助をつけてより深いところまでスジ(経絡)をストレッチしてきましたが、今回のお腹のストレッチは補助はつけません。
患者さんが自分で行ってもらうのですが、術者は患者さんの隣で自分も行い、「こんな形でやってください」とアドバイスしてうまくできるように導いてあげてください。
ついでに自分もストレッチすればとても気持ちがいいですしね。
お腹の経絡
お腹には全経絡があり、施術時にもお腹への施術は重要です。
順番としては、全身への施術、症状のある部位への施術の後に締めとして、お腹への施術を行うことが多いですが、場合によっては施術の最初にお腹への施術、お腹での診断を行うこともあります。
お腹の経絡
お腹の経絡は診断にも使いますが、東洋医学の診断とは気の虚実を診ることです。虚が気の不足で実が過剰ですが、お腹を圧してみて受け手の気の反応を診て診断を行います。
一般的には、お腹の虚は柔らかく実は固いというものですが、虚の奥にはしこりの様なものがあり固くなっている場合もありますし一概には言えません。
またお腹の中には丹田があり、気というエネルギーの中心点でもあります。
冷えや瘀血(おけつ)などでお腹の中、下腹部内臓は血流が滞りやすく、女性は特に子宮の病、婦人病や不妊症の状態に陥りやすいので、今回ご紹介するストレッチや腹部への施術、下腹部内臓の血流を回復していく「冷えとり」によるケアが外せません。
お腹のストレッチの手順
お腹のストレッチの手順をご紹介しますが、補助はしないので患者さんの横で自分が見本を見せながらアドバイスして導いてあげてください。
股関節を柔らかくする方法、腰を柔らかくする方法、体を柔らかくする方法などでもご紹介してきたストレッチですが、お腹の中だけではなく腰や股関節も大変気持ちよくストレッチすることができます。
ストレッチのコツ
ストレッチは腹式呼吸をしながら行うと、とても効果的です。ご紹介するストレッチのポーズをとり腹式呼吸を10回ほど行なうようにアドバイスしてください。
ゆったり大きく腹式呼吸をすると、息を吐くたびに体が緩み、息を吸うたびにスジが更に伸ばせられます。息を吐くたびに少しずつストレッチする深さを深めていきます。
腹式呼吸だけでも疲れを取る、心身の緊張を鎮める、自律神経を整えるのに大変役立ちますが、腹式呼吸とストレッチを組み合わせることでその効果は全く違うものになります。
腹式呼吸のやり方
意外と腹式呼吸って難しいんですね。それだけ私達は、普段から呼吸が浅いのです。苦手な人は、How to 腹式呼吸をご参考ください。
ストレッチのやり方
柔らかい人用
腰が比較的柔らかい人は、膝に両手を置いて天井を見上げると更に大腰筋をストレッチすることができます。
そんなんじゃ物足りない運動マゾの方には、
↑のような大変深いストレッチもあります。この形すごい気持ちがいいんですねぇ(笑)。実は私もキツければキツいほどいいという運動マゾ(笑)、スポーツマンやアスリートの方には最適なストレッチ法です。
上記のストレッチが上手くできるように導いてあげてください。それには自分も一緒になって行い患者さんにまねしてもらうのが一番です。
身体を緩めるコツ、特にお腹、腰、股関節を緩めるストレッチのコツは腹式呼吸にあります。腹式呼吸を指導することを忘れずに導いてあげてくださいね。
6系統の経絡ストレッチとこのお腹のストレッチを丁寧にやっても5分もかかりません。この施術前のストレッチだけでも十分スジ(経絡)が伸ばされ大変気持ちいい実感、効果があります。
この後に全身への施術、症状への施術を行えば施術効果もより効果的なものになります。
その他のおすすめのストレッチ
患者さんの中には特定のスジ(経絡)が固い人、腰や股関節など特定の部位が固い人、はたまた全身が固い人、肩こりや頭痛など慢性的な症状でお困りの人がいると思います。
そんな方には、自分でできるストレッチなどでセルフケアできるようにアドバイスしてあげてください。
ご紹介したストレッチを基本にして、身体の症状やお悩み別のストレッチを行っていただければ、より効果的に安全に身体の各部位をストレッチすることができます。
症状や身体の状態にあった記事を参考にして、患者さんをうまく快方に導いてあげてください。
症状別おすすめのストレッチ