前回の気の癒し基礎編vel4・経絡とは?に続き、今回はツボ(経穴)とは?です。
気の癒しを習得するうえでは欠かせないツボへの理解と施術法ですが、ツボの世間的に知られている効能や効果は誤解の多いコトもあります。
経絡は理解しずらかったり、直接に触れることも難しいのですが、ツボは素人でも探しやすいし、自分でも圧しやすくセルフケアの手法として大変に役に立つモノです。
今回はツボについて理解を深めるために、実際に自分の身体や恵比寿整体院の施術において経験してきたツボの効果を解説していきたいと思います。
ツボ(経穴)とは?
ツボとは経穴(けいけつ)といいますが、ツボって壺からきているみたいです。
身体のツボって多くは凹んでいるところに存在しますからナイスネーミングですね。
(凸、出っ張っているツボもあります)
経穴とは経絡上に存在するツボ、経絡に属するツボという意味です。
なんでツボがあるか、ツボができるか、本当の所は誰にもわかりませんが、東洋医学の施術においてはツボはハズセナイ。ツボがあるから効果的に心身を改善できるのです。
ツボの種類
そんなツボですが、別名を阿是穴(あぜけつ)といいます。
あ~これ、の阿是ですね。まさしくツボを圧したり圧されると、「あ~、そこそこ」というツボ独特の感覚がありますのでこれもナイスネーミング。
すべてのツボは阿是穴と理解してください。
その阿是穴の中で正規に定められた(?)正穴(せいけつ)があり、この正穴は現在、WHO認定で365個、一定の効果のあるツボが発見されたりで、少しずつ増加中です。
よく言われる「このツボは何々に効く」というのはこの正穴の場所や効能を言っているんですね。
阿是穴の中で定められたものが365程あるだけで、ほかにも無数の名前もない阿是穴があります。
阿是穴は場所が決まっていませんし、スジ(経絡)の状態、スジがはったり、硬くなったり、逆に力なく弱っている時に現れるツボかもしれません。普段は無いけど、気の状態、からだの状態によってとれるツボ(本当は正穴もそうなのですが)隠れキャラ的な存在ですね。
もともと正穴も最初は阿是穴として発見されたのですが、長年の研究、臨床においてツボであると効果が確認された阿是穴が正穴として昇進したのです、レベルアップして場所と名前を与えられたのですね。
この逆もありそうですけどね、ツボのリストラ(笑)。
効果があるって言ってたのに実はできない奴だった…今の時代には合わない…
(人間を取り巻く環境も変わりますし、身体の状況も変わっていきますから、ツボや気の状態も変わらなければおかしいですもんね、これは意外と核心をついているかも)冥王星のようにツボの除名、降格処分(笑)
鍼灸の学校などでは、阿是穴では根本的な治療にならず(本治といいます)、体の状態、気の状態を見極めて、正穴や奇穴を使って治療したほうがよいと、教えていたりします。
確かに内科の症状や、気の歪みが相当深い場合には、阿是穴より、正穴が効果的な場合もありますし、受け手の状態によってはこれの逆もあります。人間は一つの理論では説明、対応できないほど複合的で神秘的であるのです。
時と場合によっては、阿是穴が重要なことも多いですし、特にスジの痛み、ぎっくり腰、動作痛などは阿是穴が効果的です。
まぁ難しく考えないで、スジ(経絡が流れる筋肉を経筋・けいきんといいます)を探っていってとれる気持ちよく感じるところや、気になっていたところ、痛みに響くようなところがツボ、阿是穴だと思ってください。
ツボへの誤解
よく言われるツボの効能って鍼灸からきているので、鍼灸での刺激のためのものです。
鍼は比較的に強い刺激で、瀉法(しゃほう)という気の過剰(これを実といいます)に対する手法ですし、灸は補法(ほほう)という気の虚弱を補う手法です。
だから手技による場合とは若干異なるんですね。だから「このツボは何々に効く」っていうのは噓でもないんだけど、それは正確にツボを施術できる人が受け手の気の状態を見極めて、ツボへの深さや刺激の程度を考慮してベストな刺激を与えるからできるコトです。
あと閉じているツボへいくら施術しても効果がない、ということもあります。
気は虚実と言って、経絡の気の過剰や虚弱状態があります。この虚という状態が深まってくると気の反応が出ない、出にくいんですね。
ツボの反応がない、これをツボが閉じている、経絡が閉じている、虚が深いと表現しているのですけど、ツボって穴、壷ですから「ツボが閉じている」という表現がぴったりくるんですね。
虚って力なく弱っている状態ですから、経絡もツボも虚の状態では奥まっているのです。ツボとして存在はしているのですけど、施術できるほど表にはない、施術できないほど体の奥にいってしまっている、と言ってもいいですね。
またツボには深さがある、と言ってもいいです。だから施術もツボの深さを考慮しなければならないのですね。
ツボの効果
ツボを圧すと、滞っていた気の流れが回復する、と理解してください。
実際にツボを施術されると、何かが通った、何かが流れた、滞りが取れた、という表現をされる患者さんもいます。これは感覚の問題なので普段から自分の感覚に意識を集中している人、スポーツマンや体を動かすのが好きな人ほど顕著に感じることができます。
病気を治すのではなく、気の虚実、気の滞りをとり、病気になる必要のない気の状態に導くことができるのがツボです。
そして筋肉やスジのコリや緊張をとるのにツボは最適です。
数点のツボへの施術だけでも、長年のお悩みや頑固な肩こりや首こり、腰のスジの痛みなどスジの緊張に関するものは改善できます。
でもツボは万能ではありません。組織の損傷は自然治癒に任せるしかありませんから、回復を早めることはできても、損傷した組織を直接に治すことはできません。
当たり前なんですけど、緊急医療や応急手当は西洋医学の分野です。状態を診断したり施術できるのが東洋医学、東洋医学はモノ的な治療は苦手なのですね。
慢性病は東洋医学、緊急医療は西洋医学、それぞれ得意な分野がありますので間違わないようにしないといけませんね。
ツボは急所でもある
そして言っておかなければならないのが、ツボは弱点でもあるということ。人体の急所でもあります。
実際に人体の急所とされるところ、首や関節付近は血管や神経が集中しており武道などは積極的に急所を攻めていきます。
そしてツボも首や関節付近にたくさん存在するんですね。流派によってはこのツボを狙って打撃を与える攻撃法もあります。
で、実際にツボは癒しのポイントでもあり急所でもあるんですけど、ツボって体の本能的な部分に属するんですね。
だから心無い施術や横柄な人、乱暴な人、エゴ丸出しの人、相手への共感がない人の前ではツボは閉じてしまいます。
ツボだけでなく体全体や心もそうですよね。理解されない相手の前では身も心もツボも閉ざしてしまうのが本能というものです。
気の反応ということですが、これがまたツボや経絡をモノ的には理解できない、解説できない理由の一つです。
心と体は心身一如。モノ的な部分もあるしココロの部分もある。今風に言えば心身相関ね。
心身相関、ココロもカラダも相関的な関係性がある。だから全体性が必要というか、モノ的な解決法だけでは何かが足りない、ということでもあるんですけど。
ツボへの施術法
ツボへの施術法は今後、気の癒しシリーズとして解説、ご紹介していく予定ですが、まずは人に施す前に自分の体でツボの効果、感覚を実感してください。
自分で経験もしないのに人に施すなんてことはいけませんね。
このストレッチ・ツボブログでも、自分で圧せるツボとしてたくさんのツボをご紹介しています。
自分ではダメージを与えられるほど深くは圧せませんし、自分で圧しやすいのは手足の末端のツボです。
体幹のツボ、お腹や背中のツボは効果も大きいのですが、ダメージも多いのですけど自分では圧しにくいところです。
まずはツボの探し方、圧し方を読んでから、手足の末端のツボやご自身の症状にあったツボをご参考ください。
ツボ基礎知識
- ツボの探し方、見つけ方、自分でツボを見つけてみよう。
- ツボの効果的な圧し方
- ツボ入門に最適な腕のツボ
症状別のツボ