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ふくらはぎのむくみ。女性なら一度は経験があると思います。
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ全身の血液の循環にとって重要な場所です。むくみは主にこの血液循環が上手くいっていないことのサインなんですね。
特に女性は冷えやすい体質であり、冷えや瘀血(おけつ)といった循環障害に陥りやすく、その状態がふくらはぎのむくみとなって現れます。
ですので、ふくらはぎのむくみといえど、ふくらはぎだけをケアするのではなく、全身的な血液循環を回復させることが大切です。
東洋医学の対症療法と共に「冷えを改善して気の滞りをとり血液と気の流れを促進していく」という治療方針は本治(ほんじ・根本的治癒)と呼ばれ、ふくらはぎのむくみを含む女性の症状、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人病や不妊症、様々な月経に関わる問題の真の解決には欠かせません。
今回は、冷えや瘀血(おけつ)といったふくらはぎのむくみの原因を改善する方法、下半身を温めることやツボやストレッチのセルフケアをご紹介いたします。
恵比寿整体院でもふくらはぎのむくみのご相談をよくいただきますが、ほとんど女性からのご相談です。
男性からはあまり頂かない問題ですが、逆に男性はふくらはぎからアキレス腱の硬直をよく診ます。
女性と男性では体質もお悩みも異なり、気の状態も違うんですね。
今回ご紹介する内容はふくらはぎのむくみのセルフケアですが、冷えやすい女性の体質を改善できる内容でもあります。
物事は全体が大事であり、ふくらはぎのむくみといえど全身的なケアが大切なのです。
ふくらはぎのむくみのセルフケアとして、冷えとり・ツボ・ストレッチをご紹介していきますので、ご自身にあった方法をお試しください。
第二の心臓ふくらはぎ
下半身は血液が停滞しやすいところ、それは地球上では重力があるからで、下半身は冷えやすく気が停滞しやすいという気の原理があるからです。
心臓から送り出された血液は全身の細胞に行き渡った後、帰りは余分な水分や二酸化炭素や老廃物を回収しながら静脈やリンパ管を通って心臓に戻ってきます。
血液が静脈やリンパ管を通って戻るときには、下半身、特に足の末端まで流れた血液は重力に逆らうことになるため、ふくらはぎの筋肉がポンプの役割を果たして血液の循環を手助けします。
下半身には70%もの血液が集中していて、この血液を心臓に戻すよう働いているので、ふくらはぎは「第二の心臓」ともいわれています。
ふくらはぎのむくみ
ふくらはぎのむくみとは健全な血液循環が滞り、下半身に余分な水分が停滞している状態です。
ここでは日常でよく起こりうるふくらはぎのむくみについて解説していますが、ふくらはぎのむくみには血管の病気や腎臓の病気など危険なサインの可能性のあるものもあります。
異常なむくみや一向にむくみが変わらない、日に日にむくみがひどくなっているような方は、まずは医療機関での検査をお受けください。
医学的には足のむくみのことを下腿浮腫(かたいふしゅ)と呼びますが、むくみを専門に診る診療科というのはないので、まず一般内科、そうでなければ腎臓内科、循環器内科、消化器内科、内分泌内科などが受診するべき選択肢となります。
都市部などでは血管クリニックという医療機関もあります。
ふくらはぎの原因は様々で多岐にわたります。原因不明ということもよくありますが、大事な血液の流れ、気の流れに関連する症状ですので、少し原因別にふくらはぎのむくみについて解説します。
重度のむくみの原因
内臓には中身の詰まった実質臓器があり、心臓や腎臓、肝臓や脾臓、肺臓など病気になったらあまりよろしくない内臓があります。
その対として小腸や大腸、胃や膀胱などがありますが、これらの内臓は管であり実質臓器に比べると生命維持に対して重要度は低いとされています。
東洋医学では五臓六腑といいますが五臓の病、これは命にもかかわる大事な病です。
腎臓の問題でむくむ場合
腎臓は血液をろ過しておしっこを作り出す臓器ですが、体にとっていらないものはおしっことして、使えるものは再利用のためにリサイクルする臓器です。
腎臓のおしっこを作る機能が落ちてしまっても、水分がたまってむくむことになります。
おしっこの量が異常に少なかったり、腎不全、腎臓の病気が疑われる場合もあります。
心臓の問題でむくむ場合
休まない臓器、心臓。心臓は全身に血液を送るためのポンプであり、心臓の具合が悪くなってもむくみが起こり得ます。
心臓に重大な疾患があったり、働きが悪くなってくるとポンプの役割が果たせず、送り出せない血液が静脈側に溜まっていくことになります。
血液を健全に送り出せないとなると、おしっこをつくる腎臓に十分に血液が行き渡らず、これによっても水分が体の中にたまってむくみの原因にもなります。
肝臓の問題でむくむ場合
肝臓の問題。これは女性より男性に多い問題です。
暴飲暴食、お酒の飲みすぎなど、知らぬ間に肝臓がボロボロということは男性に多いですね。
肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれ頑張り屋さんなのです。末期的になりまで症状が出ないのでそう呼ばれるのですが、目に見える症状が出た時には、既にかなり肝臓が悪くなっている、ということもあります。
肝臓は様々な役割を持つ臓器ですが、胆嚢と協力して消化を助けたり、糖、脂質、蛋白質などの取り込み代謝で生命維持に大切な働きをしています。
特に腎臓、肝臓は東洋医学でも重要視するところです。
血管の問題でむくむ場合
血液を体中に行き渡らせるのは動脈、帰りの血管は静脈です。
リンパ液というのも体中の細胞や血管から漏れ出た水分が含まれる液体で、体に張り巡らされたリンパ管の中を流れ静脈につながり心臓に戻っていきます。
静脈の問題
血液の帰り道である静脈は心臓のように後押ししてくれるポンプないので、逆流しないように弁がついています。
この弁がちゃんと機能しなかったり、静脈の異常で静脈瘤ができる場合があります。
また、血液の流れが滞り血が固まり、静脈内で血栓となることもあります。 このような静脈の異常、静脈瘤や血栓がのせいでも足がむくんだりするコトがあります。
リンパ管の問題
リンパ液の流れが悪くなると、局所にリンパ液がたまってしまい、むくみとなって出てきます。
リンパマッサージとして女性にはなじみが深いですね。主に美容としてリンパマッサージがありますが、リンパの滞りによるむくみには合っていると思います。
その他のむくみの原因
ここまででもふくらはぎのむくみの原因の可能性ってたくさんありますよね。
なにしろ血液の循環にかかわることですから、血液を作り出す機能や循環させる機能、血液をろ過する機能、様々な体の機能にかかわる問題です。
大事な問題ですが、反対に言えば血液の循環を良くするコトが大事だというコトですね。
あと女性に多く見られますが、薬やホルモン異常によるむくみもあります。
薬によるむくみ
薬による副作用でむくみが出てくることもあります。
薬ばかりでなく、健康食品やサプリメントなど、偏りすぎた摂取方法でも起こりえる問題です。
ホルモンの異常によるむくみ
女性は月のリズムがあり、ホルモンバランスの影響を受けやすい体質です。
妊娠後、出産後にむくみが出るような女性も多くいらっしゃいます。
よく起こりうるむくみの原因
少しヘビーなむくみの原因について解説してきましたが、五臓六腑の異常からのむくみとなれば、ふくらはぎのむくみだけではなく、様々な不定愁訴が出てくると思います。
もちろん老化による体の衰え、五臓六腑の衰えは避けられませんし、重大な問題のむくみもあります。
しかし、普段気になるふくらはぎのむくみというのは、冷えて血液の流れが滞っている、塩分の摂りすぎ、下半身の筋力不足・運動不足といった原因であるコトがほとんどです。
どこも悪くないのにむくむ場合、特発性浮腫と呼ばれ 特発性浮腫は典型的には立ち仕事の女性に多いとされ、よくある夕方になると足がむくんだり歩きすぎてふくらはぎや足がむくむというものです。
この特発性浮腫の診断は上記のような病気がないとの確認からできるものです、普段からむくみが気になるという方はまず内科を始めとして各診療科で相談することをお勧めします。
ふくらはぎのむくみ改善のコツ
ふくらはぎのむくみといえど、何となく血液の流れが健全であるコトが重要ってご理解いただけましたでしょうか?
だから冷えとりが大事なんですけどね。足を冷やさないようにして積極的に下半身を温めていると、この下半身の血流の停滞が回復するのです。
ご紹介するふくらはぎのむくみは、この根本的な原因である気の滞り・血液の滞りを改善する方法です。
上記のように内臓や血管、どこかに異常が認められる場合には、病院での処置が必要になりますが、血液の滞り・気に滞りといった身体の状態の症状は見えにくいものです。
状態というのは検査でもわかりにくいし、現代医学ではどこかにモノ的な異常がないと処置しようがない…、というコトもあります。
しかし、東洋医学は状態の把握、気の状態を診てそれを改善していくという手法に長けているのですね。
ご紹介する方法は、どこかが悪いからそれを強制的に治す、といったものではありません。
冷えや瘀血(おけつ)といった体の状態を改善して、気の滞りをとり健康を実現していくというものです。
特に女性は攻撃的な治療が合わない体質です。自然のリズムとともに生きているのが女性、ふくらはぎのむくに対策のみならず、健康と美容のためにご紹介する方法をお試しください。
ふくらはぎのむくみといえど下半身を温めるコト
冷えとりの基本は下半身を温めるコト。血液の流れが滞りやすい下半身を温めるコトで全身の血液の流れがよくなるんですね。
それには半身浴が最適です。
ふくらはぎのむくみや健康や美容のお悩みでお困りの方は半身浴を習慣付けてみてはいかがでしょうか・
ご紹介するストレッチも半身浴の後に行えば、さらに効果的に安全に行うことができます。
半身浴のやり方:
- お湯はみぞおちくらいまで、心臓は温めません。
- 下半身だけ温めたいので、腕は必ず出して入ります。
- お湯の温度は39~40度くらい、熱すぎはいけません。
- お腹の中が温まるまで20分は入ります。長い分にはいくら長く入っても良いです。
- 工夫して半身浴を楽しみましょう。
さらに詳しくは体を柔らかくする半身浴のやり方をご参照ください。
特に女性は冷えに気を付けていただきたいのですが、冷えとりにはご自身の体に対する理解が大事です。
ご興味のある方は、冷えとり基礎知識をご参考ください。
冷えとり基礎知識:
ふくらはぎのツボ
ツボは気の滞りをとり、コリや疲れをとるのに大変重宝します。
ふくらはぎのむくみへの直接的な処置ではないのですが、スジの緊張を取り、気の流れを回復させ、滞りやすい循環を回復させ疲労回復に大変役立ちます。
ふくらはぎがだるいとき、ふくらはぎがつるとき、歩きすぎたふくらはぎのセルフケアとしてご紹介しているツボですが、スジのコリや疲労をとるのに大変効果的であり即効性もあります。
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ふくらはぎのストレッチ
はいスジの緊張やコリを気持ちよく伸ばせるストレッチですが、腹式呼吸を使い行うことで身体の芯から体をほぐすコトができます。
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追記:
上記のツボやストレッチをふくらはぎを柔らかくする方法にてまとめましたので、ふくらはぎのセルフケアはこれを読んでいただければ他は要らないかもです。
下半身のセルフケアのコツ
ふくらはぎのむくみのみならず、ふくらはぎの問題のケアには上記のケアが欠かせませんが、施術家の立場から言わせていただければ、ふくらはぎや足首の問題って股関節の問題でもあることが多いのです。
股関節に力がないからふくらはぎや足首に負担をかけて傷めてしまったり、股関節が固いからふくらはぎや足首に負担をかけてしまったりします。
(もちろんその反対もあります、足首が固いから股関節を傷めてしまったり)
ですので股関節の柔軟性ってとても大事なんですね、あと左右のバランスも。
股関節が固い、体が固いような方は、股関節や足首、体全体の柔軟性を回復させることも大事です。
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まとめ
自分に合うセルフケアはありましたか?
身体は正確な刺激を与えれば必ず変化していくものです。特に冷えを改善して全身の血液の流れをよくしていくことは健康と美容の実現には欠かせません。
ぜひ、東洋医学の健康法をあなたのお悩み解決にお役立てください。