Contents
今回は東洋医学の観点から腰痛の真の原因と、その原因を解消できる3つの方法をご紹介いたします。慢性的な腰痛の原因は、一般的には姿勢や骨盤の歪みなど肉体的な原因があるとされていますが、東洋医学では、腰痛といえど気の流れの問題にあると診ます。
身体中を走行する気の流れは東洋医学では経絡(けいらく)と呼びます。気の流れるスジですね。この経絡が弱っている状態、気の力がない状態(これを虚といいます)が腰痛の真の原因です。
東洋医学というのは、気というエネルギーを診ます。このエネルギーが体のどこかで滞っていたり、弱くなっていたり、反対に過剰になっている状態が「気の歪み」です。
腰痛といえど、真の原因はこの「気の歪み」にあるのです。
なぜ「気の歪み」ができるのか?気の歪みを自分で改善していくにはどうすればいいのか?腰痛を解消する3つの方法を、気の歪みを説明しながらお伝えしたいと思います。
実は腰痛は気というものに深く関係しています。お腹と腰は体の中心であり、ご説明する丹田(たんでん)という気の中心点というものに大きく左右されるからです。
この丹田に力がないから、腰痛を引き起こしたり、姿勢が悪くなったり、骨盤が歪むんですね。物事の真の原因は、モノ的な要因ではなく、見えないエネルギー(気)の問題です。
そして見えない気というエネルギーは理解しずらいので、今回は東洋医学の根幹である、気というものをご説明しながら腰痛の解消法をご説明いたします。
腰痛の解消のみならず、気や丹田の知識は人生を健康で活力に満ちて生きるのにとっても大事です。スポーツや運動がお好きな人も、体の中心や体の軸を意識的に使って動く、ということにも丹田は関係していますので、ぜひ一読されて東洋医学の情報をお役立てください。
東洋医学か、西洋医学か?2つの腰痛の治し方
まず交通事故やスポーツなどでの怪我、日常のアクシデントなどにより、骨折や肉体的損傷が認められ湯場合には、病院での応急処置、整形外科でのケアが必要になります。
緊急医療、応急処置が西洋医学の得意分野で、肉体のモノとしての異常や損傷のケアは東洋医学にはできません。
逆にモノとしてではなく、状態の異常、血流の悪さや神経の流れの問題、気の滞り、精神的な停滞感など、状態が引き起こす問題は東洋医学が得意分野です。
症状や病気には、モノとしての治療が必要なタイプと、状態を改善するしかない症状や病気のタイプがあります。
西洋医学も東洋医学も診ているものが違うので、どちらがいいというわけではありませんが、腰痛に限らず慢性的なお悩みや、病院での検査の結果は異状がなくても症状があるような場合は、東洋医学のような状態を見て改善できる手法が適任です。
腰痛の原因「気の歪み」とは?
東洋医学では「気の歪み」が症状や腰痛を引き起こしているとみます。気の歪みとは気という心身を働かせるエネルギーがどこかで滞ったり、不足していたり、弱くなっていたり、反対にどこかがエネルギーの過剰になっていたりすることです。
例を出すと、暴飲暴食で食べ過ぎ…、このような消化器に負担がかかる食生活は、消化器にエネルギーをとられすぎの状態です(消化吸収というのはとてもエネルギーを使うのです)。体が使えるエネルギーは限りがありますから、消化吸収にエネルギーをとられている分、どこかがエネルギー不足になります。
また冷えや瘀血(おけつ)という血の巡りが悪い状態は、肝臓や血液をろ過する腎臓に多大な負担をかけてしまいます。肝臓は基礎代謝の40%を占め大量の血液を必要とする内臓なので、血流の滞りの影響を多大に受けます。血液の流れ=エネルギーの流れと言い換えてもいいですね。
血流の悪い状態はエネルギー不足の状態です。このエネルギー不足の状態を東洋医学では、虚(きょ)といいます。
虚とは?
虚とは気というエネルギーが不足の状態、虚弱な状態です。東洋医学では体質を見極めるのに、虚証(きょしょう)という体質、気の状態があります。女性に多い虚証というのは、虚弱体質、気の巡りが特に悪い状態です。
これ実は何事にも通用するエネルギーの原理なんですね。何かが足りないから何かが起こる。
腰やお腹に力がないから腰に負担がかかり腰が痛くなる、お腹が減った不足という状態があるから食べるという行動がある、愛が足りないから愛を欲する…。
体も心も同じです。何かが足りないから何かを欲するんですね。
だから治療というのもこの辺を理解していないとうまくいきません。
何かが足りないという根本的な原因があって腰が痛いとします。ほとんどの治療は痛い腰だけを治療しますが、力のない弱っている部分が回復しなければ、また同じコトを繰り返してしまいます。対症療法だけというのは、このような問題を抱えていますね。
目に見える結果の原因には、見えにくい真の原因があるのですけど、体だけではなく心もそうですし、政治や経済などすべて同じことです。
あぁ、思想が強くなってしまいました(笑)。
でも気というのは、体や心だけではなく、全体を動かしているエネルギーです。自然や人間、政治や世界情勢、紛争に戦争まで同じことが言えるんですね。
少し脱線しますが、これは「幸せ」にも関わってくることなんです。だって心と体が満ち足りていたら「幸せ」を感じますよね。何かがない、満ち足りていないから「幸せ」を感じられないんです。
腰痛も気の流れが健康であったら、腰が痛くなる必要はないんですね。
腰痛の原因・虚
お腹や腰に力のない状態が、姿勢の悪さやモノ的な体の異常を引き起こします。上の写真は分かりやすいのではないでしょうか。体は楽な方に自然と行きますから、いくら姿勢をよくしようと思っても、体はまたすぐ楽な姿勢になってしまうのです。お腹や腰に力のない状態だと、上記のような姿勢が楽なんですね。
お腹や腰に力のない状態が回復してくると、
腰が自然と立っているのが、体にとって理想な状態です。体の負担は分散されて、一か所だけを痛めたりしない体勢です。
なんとなく腰痛には、特にお腹の中が大事そうだな、と理解していただけましたかね?
このお腹の中に、気の中心「丹田」があります。
丹田(たんでん)と腰痛
腰痛というと後ろばかり気になりますが、腰骨の前がとても重要なのです。
今少し自分の体に集中して、自分の体の丹田を感じてみてください。お腹の中の一番下の腰骨の前です。
体の中心っていう感じがしませんか?
体にとっての中心であり、気というエネルギーの中心点なんですけど、この丹田に力がないから、腰の骨や腰の筋肉に負担がかかり痛めてしまうんですね。
武道や舞踊などの芸能では、丹田を徹底的に鍛えます。丹田を中心に動いたり丹田を中心に力を使うのですが、体の中心や軸がしっかりしていなければ、効率的に美しく体を動かすことができませんもんね、武道だったら命取りです。
そしてこの丹田の強さって意志の強さでもあるんです。丹田が強くなってくると精神的にも落ち着いて来ますし、体も心もブレなくなるんですね。
冷えとりと丹田
ご紹介する半身浴やストレッチも、この丹田を強くするためのものです。
特に半身浴などの「冷えとり」を行っていると丹田が活性化して下半身の冷えがとれ、頭の「のぼせ」が解消します。頭がのぼせているとは、脳の充血状態です。精神的にもテンパっている状態ですね。半身浴や絹の靴下などで下半身を温めていると、この脳の「のぼせ」「テンパっちゃっている状態」が解消して、体だけでなく精神的にも落ち着いて健全になってくるんですね。
だから私は十数年、冷えとりの普及に努めているのですけど、万病のもと「冷え」を改善していくことって体だけでなく心の健康のためにも大事なのです。
腰痛の原因「気の歪み」を解消するには?
腰痛の真の原因、気の歪み。お腹や丹田に力のない状態を改善する方法をご紹介いたします。
主に半身浴とストレッチですが、腰のコリや張り、腰の疲れをすぐ何とかしたい方には、腰のツボ押しをお勧めします。
腰痛にはまず半身浴
半身浴は腰痛の解消のみならず、健康と美容には欠かせませんので、これを機にぜひ人生のお供にしてください。冷えている下半身や下腹部内臓、特に丹田を活性化させる効果があります。
半身浴のやり方:
半身浴は下半身だけ温めます。のぼせやすい上半身を温めないのがコツなので、腕は必ず出して入ります。
- お湯はみぞおちまで、心臓は温めません。
- のぼせないように、必ず腕は出します。
- お湯の温度は39~40度。熱すぎはいけません。
- お腹の中まで温まるのに20分は入ります。長い分にはいくら長くてもいいです。
半身浴は習慣づけていただければ、のぼせ(頭部の充血状態)をとり、下半身の冷えを改善して気と血の滞りを取り、循環を促進させます。腰痛だけではなくどのような症状にも適応できますし、健康と美容のためには欠かせません。「冷えは万病のもと」なんですね。
From How to 半身浴
腰痛ストレッチ
このストレッチは、腰の疲れ、腰の固さを改善するのに特に効果的です。正直、このストレッチだけで十分に腰痛はケアできますが、腹式呼吸を使って行わないと効果はありませんので、まずは腹式呼吸からご説明いたします。
ストレッチのコツ:腹式呼吸
ストレッチは頑張ってウンウンとやっても準備運動くらいの効果しかありません。自律神経を整えるのに効果的とされる腹式呼吸を使ってご紹介するストレッチを行うと、安全に効果的に腰をストレッチすることができます。
腹式呼吸自体、丹田を活性化する効果もありますので、腰が痛くてストレッチができない方や椎間板ヘルニアをお持ちの方は、腹式呼吸だけでも効果があります。
腹式呼吸のやり方:
腹式呼吸は、口から息を吐き鼻から息を吸います。横隔膜を上下するように、できるだけ大きくゆったりお腹をへこませたり膨らませたりして行います。
腹式呼吸が初めての方や苦手な方は、How to 腹式呼吸をご参考ください。
腰のストレッチのやり方
腰が固い人や腰が柔らかい人、それぞれの体の状態に合わせて、段階的に腰痛のストレッチをご紹介していきます。腹式呼吸を忘れずに、決して無理はせず自分に合った深さで行ってください。
腰が柔らかい人用ストレッチ
運動マゾの方用ストレッチ
運動はキツければキツいほどいい…。そんな運動マゾさんには上記のようなストレッチもあります。ご興味のある方は、腰痛ストレッチ完全版をご参考ください。
このストレッチは単に腰の筋肉をストレッチするばかりでなく、丹田を開き全身の冷えや瘀血(おけつ)を改善する効果があります。
お腹の中の丹田を伸ばす、とても気持ちがいい感覚があると思います。息を吐くたびに腰とお腹が緩まり、息を吸うたびに腰やお腹の中が伸びるのを感じてみてください。
特に女性には、便秘や不妊症、婦人病にも大変効果的なストレッチです。
半身浴とセットに、一日3分でもいいので一か月ほど続けてみてください。必ず体は変化していきますから続けるということが大事です。
コリや痛みが取れる腰のツボ
上記の半身浴とストレッチだけで十分に腰の痛みをケアできますが、腰のスジのコリ、腰のスジの張り、腰の疲れをとる最適なツボがあります。
志室(ししつ)というツボですが、志室は自分でも押しやすいツボですので、自分でツボを押す方法をご紹介いたします。
ツボの場所
ツボの押し方
ツボを押すと、つ~んとするような、スジ沿いに響くような感覚があります。何点か押してみて響くような所を見つけてください、そこが効果的なツボです。
志室は、恵比寿整体院でもよく腰痛の治療に使うツボです。ご家族や腰痛にお困りの友達などにもツボを押してあげることもできます。
さらに詳しくは腰痛のツボをご参考ください。
まとめ
何事も続けるということが、腰痛解消のみならず健康にとっては最も重要です。
半身浴とストレッチをセットにして、1か月ほど続けていると冷えや瘀血(おけつ)といった循環不良の状態が改善して丹田が活性化して、心身ともに快調になってきます。お金もかからないし、半身浴もストレッチもツボ押しも大変に気持ち良い腰痛の解消法ですので、ぜひ実践して一カ月は続けてみてください。
また治療においても、丹田やお腹の治療はとても大事です。恵比寿整体院でもお腹への施術をメインにしています。
治療をご希望なら、お近くなら三島市の恵比寿整体院へご連絡ください。また全国の指圧院や鍼灸院、専門的な整体院など、ツボや経絡に理解のある治療院でしたら効果的な治療が受けられるハズです。
さらに腰痛体操、ストレッチなども簡単なものから本格的なものまで、腰痛体操エトセトラ♪にてご紹介しています。ご興味のある方はご参考ください。