今回は、寝る前に体と心をリラックスできるストレッチのご紹介です。日中に緊張した神経を沈め、安眠するためにも寝る前のストレッチは効果的です。ですが、神経を興奮させるようなストレッチでは逆効果なので、自律神経のお話と含めて、寝る前にリラックスできるストレッチを2つ、恵比寿整体院の内山がご紹介したいと思います。
リラックスと緊張・自律神経
体は自律神経(じりつしんけい)という神経により、胃腸などの消化器、呼吸器、循環器などの働きの恒常性が営まれています。意識しなくても内臓や体は働いてくれているのですが、自律神経には2種類あり、交感神経(こうかんしんけい)と副交感神経(ふくこうかんしんけい)があります。
体が元気に活動する昼間に活発になる交感神経と、リラックスしている状態や就寝時、夜に活発になる副交感神経ですが、緊張したらリラックスする、興奮したら落ち着く、働いたら休む、といったバランスが取れていればいいのですが、私達、現代人はいつも緊張、興奮ばかりしている(笑)。
ストレス、心配、執着、なかなか体も心も緊張が抜けないのですね。寝ている時さえ神経の緊張が取れない人も多くいらっしゃいます。
「自律神経の乱れ」とは、自律神経がどちらかに偏りすぎて、バランスが取れていない状態です。ストレスや不規則な生活によって自律神経のバランスが乱れると、体の器官にさまざまな不調が現われます。
自律神経失調症というのは、この自律神経の乱れにより、心や体に不調があらわれた状態です。自律神経は、様々な内臓、体の機能を統制していますから、あらわれる症状は人によって大きく違います。不安に緊張、うつなどの心のトラブル、のぼせや吐き気や多汗、慢性的な疲労感に倦怠感、頭痛、肩こり、手足のしびれ、動悸、不整脈、めまい、不眠など、できれば陥りたくない状態を、自律神経の乱れが引き起こします。
自律神経のバランスを整えるためのコツ
自律神経のバランスを整える一番大事なことは、体と心の芯からリラックスすることです。交感神経優位の緊張状態から、副交感神経優位のリラックス状態になればいいのです。
では、どうやってリラックスすればいいのかというと、私のお勧めは、お風呂とストレッチです。
特に半身浴は、体にとって理想的な「頭寒足熱」という状態を作ります。頭の充血やのぼせがとれ、下半身(主に下腹部内臓)の血の巡りがいい状態ですね。緊張しているとは、頭ののぼせ、充血状態ですから、リラックスするためには、下半身を温めてのぼせを解消すればいいのです。
あとお風呂だけではなく、普段から足先が冷たく冷えていると、体全体が緊張してくるので、日常的に足を温かくしているのも自律神経の乱れを整えます。
そして、自律神経は背骨を走行していますから、ストレッチで背骨の柔軟性を高めることも大事です。背骨と体の中心であるお腹を緩めれば、全身がリラックスできます。
ということで、寝る前にリラックスできるよう、背骨とお腹のストレッチのご紹介です。2つご紹介しますが、どちらのストレッチも体の中心、お腹と背骨をストレッチできる形です。お好きな方か2つとも寝る前に行っていただければ、とても深いリラックス効果があります。
ストレッチと腹式呼吸
ご紹介するストレッチは腹式呼吸をしながら行います。頑張ってやっても効果はありませんので、ゆったり大きく10回ほど腹式呼吸をしながらストレッチしてください。
ストレッチしなくても腹式呼吸だけでも、十分に交感神経の緊張状態から、副交感神経のリラックス状態にシフトすることができますので、寝る前に、腹式呼吸で体と心を整えるのは大変効果的です。
腹式呼吸:
腹式呼吸が初めての方や苦手な方は、せっかくですのでこの機会に腹式呼吸をマスターしましょう。深い呼吸は自律神経のバランスを整え回復させます。詳しくはHow to 腹式呼吸をご参考ください。
背骨のストレッチ
リラックスするのが目的ですから、無理をせず気持ちよく自分に合った深さで行ってください。
このストレッチは特に背骨の下、腰椎をストレッチできます。背骨の土台部分をリラックスすることで、腰痛や猫背、ストレートネックなどにも大変よい形です。
お腹と腰のストレッチ
先ほどのストレッチより、こっちのほうが行いやすいかもしれませんね。太ももからお腹、腰までリラックスさせることができます。寝る前に布団の上でもやりやすい形です。
寝る前に半身浴して、上記のストレッチを行えばとても効果的です。寝る時も足元に湯たんぽなどを置いておくと、大変リラックスでき快眠することができますよ、お試しください。