Contents
腰方形筋ストレッチと鍛え方の解説です。
腰方形筋(ようほうけいきん)は腰の筋肉で腰を側屈させ、骨盤と腰椎の安定に欠かせない筋肉です。
腰方形筋ストレッチと鍛え方の解説ですが、腰方形筋は体幹の側屈と回旋に関わる筋肉なので、ここが弱かったり柔軟性がないと腰の力強い動きを引き出すことができません。
野球のスウィングやゴルフのスウィングのような腰をねじる動き、腰を切る動きってとても力強い動きを引き出せるんですね。
力強い腰の動きは腸腰筋(大腰筋)や俗にいう背筋(脊柱起立筋)と腹筋、それにこの腰方形筋が発達していなければなりません。
腰と骨盤の構造
腰方形筋は腰椎と骨盤に付着する筋肉なので、腰方形筋を理解するため先に腰椎と骨盤を解説します。
腰方形筋が付着する骨盤とは左右の寛骨と仙骨の構造で、寛骨とは腰方形筋が付着する腸骨と坐骨、恥骨の総称です。
腰方形筋が付着する腰椎は5つあり、仙骨の上が第5腰椎になり、腰椎は略してL1~L5と記します。
腰方形筋
腰方形筋は腰部の筋肉で、肋骨と腰椎から骨盤(腸骨)に付着する筋肉です。
いかにも腰の動きに関与してそうな筋肉ですね。
腰を切る動きとは?
腰方形筋は主に腰椎を側屈させる筋肉ですが、腰をねじる(回旋)する動きにも関与します。
どのようなスポーツでも腰を切る動きってとても大事なのですが、腰を切る動きとはゴルフや野球のスウィングの動きですね。
先行動作で腰を反対方向にねじり、そこから加速して腰を切っていく。
この腰を切る動きには実はコツがあります。
それは「引く」という動作です。
ハリウッド映画などを見ていると外人さんは自分で切りに行くからかっこ悪い。
向かってくるところを一歩引いて切る、これがねぇ、かっこいいんですね(笑)。
かっこいいだけでなく、この動きは力を最大限に生かせる動きなんですけど、素人は自分で切りに行くから腰を切る動きが使えない。
どのようなスポーツや運動でも、この腰を切る動きができればプロっぽい動きになります。
この動きにね、腰方形筋や腸腰筋などが深くかかわっているんですね。
腰方形筋と合わせて覚えたい筋肉
先述した腰を切る動きには、この腰方形筋や腸腰筋(大腰筋)、脊柱起立筋が発達していなければなりません。
これらは力強い体幹の動きを引き出すために必須の筋肉ですからついでに覚えておきましょう。
腸腰筋(大腰筋):
小腰筋、大腰筋、腸骨筋を総称して腸腰筋(ちょうようきん)と呼びます。
大腰筋などは体幹トレーニングなどで有名ですが、3つの筋肉をまとめて腸腰筋と呼びます。
腸腰筋の中の腸骨筋は腸骨から大腿骨、大腰筋は腰方形筋と同じように腰椎に付着し大腿骨に停止します。
大腿骨に付着しているため股関節を動かす筋肉ですが、股関節が固定されていれば腰部を動かす働きになります。
腸腰筋(大腰筋)は体幹の動きに関与する重要な筋肉なので、腸腰筋ストレッチなどで十分に柔軟性を養ってほしいところです。
脊柱起立筋:
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)とは俗にいう背筋のことです。
そして脊柱起立筋もまた3つの筋肉(腸肋筋・最長筋・棘筋)の総称です。
脊柱起立筋は上体を反らす動きと腰方形筋と同じく体幹の側屈に関与します。
体幹を曲げる動きは腸腰筋や腹筋群など多くの筋肉が関与しますが、上体を反る動き(伸展)をする筋肉は背筋ぐらいしかありませんので、これまた十分に脊柱起立筋ストレッチと筋トレなどで柔軟性と力強さを養ってほしいところです。
腰方形筋の付着部
筋肉は体幹側の付着部を起始(きし)、遠位側の付着部を停止(ていし)と呼びます。
手足の筋肉は体幹側、遠位側は分かりやすいのですが、腰方形筋は起始も停止も体幹にありますから、どちらが起始か停止か間違いやすいものです。
腰方形筋の起始:
腸骨稜の後面内側縁
腰方形筋の停止:
第12肋骨の下縁、L1~L4の横突起
腰方形筋の神経支配:
胸神経の前枝(T12)、腰神経の前枝(L1)
腰方形筋の起始
腰方形筋の起始は腸骨の腸骨稜(ちょうこつりょう)というところで触診や施術の目安となるところでもあります。
腰方形筋の停止
腰方形筋が停止するのは第12肋骨と第1~第4腰椎です。
腰方形筋が停止する肋骨は胸椎とセットで、胸椎は12コ、肋骨は12対計24本あります。
その一番下の第12肋骨に腰方形筋は付着しますが、第12肋骨と第11肋骨は他の肋骨のように胸骨までつながっていません。
浮いている肋骨ですので浮遊肋骨とも呼ばれますが、そのために折れたりひびの入りやすい肋骨です。
腰方形筋の触診
痩せている人以外では腰方形筋の触診は困難です。
腰方形筋の働き
腰方形筋の働きは腰椎の側屈と骨盤と腰椎の安定の保持です。
腰椎の側屈
片側の腰方形筋が収縮すれば同じ側に側屈して、反対の側の腰方形筋はストレッチされます。
骨盤と腰椎の安定
骨盤や腰椎はこの腰方形筋や他の筋肉、骨と骨をつなぐ靭帯によって強力に保持されています。
腰方形筋ストレッチ
腰方形筋の主な働きは腰椎の側屈ですから、腰の側屈で反対側の腰方形筋ストレッチができます。
側屈ストレッチでもご紹介したものですが、腰を側屈できるストレッチを3つご紹介いたします。
立って行う腰方形筋ストレッチ
簡単に腰を側屈するには立って行った方がやりやすいです。
上記の姿勢で首まで側屈できますが、腰方形筋を重点的にストレッチしたい場合は特に腰が側屈するようにしてください。
開脚で行う腰方形筋ストレッチ
更に丁寧に腰方形筋ストレッチを行うには床で行います。
上記のストレッチの形で腹式呼吸を行い、特に息を吸うときには肋骨まで膨らむように大きく息を吸ってください。
背骨が上に伸びるように息を吸うと更にストレッチが深まります。
上記の呼吸を5,6回するだけでとても気持ちいい側屈ストレッチができます。
補助付きの側屈ストレッチ
上記のストレッチは補助付きでもできます。
恵比寿整体院では施術前に経絡ストレッチという気の流れをストレッチする補助付きのストレッチを行っていますが、側屈の補助で腰方形筋ストレッチが深まります。
ストレッチは補助があるととても深く安全にストレッチすることができるのでおススメです。
施術家さんたちなどは経絡ストレッチの補助の仕方がお役に立てると思います。
腰方形筋の鍛え方
体幹の側屈や回旋で腰方形筋は鍛えられますが、側屈や回旋に負荷抵抗をかけるのは難しいです。
マシーンで行うように負荷抵抗をかけるのは難しいですが、十分に体重や重力という負荷があるのでストレッチでご紹介した側屈でも腰方形筋は鍛えることができます。
よく考えたら上記の側屈で側屈する側は腰方形筋の筋トレになり、反対側は腰方形筋ストレッチになるんですね、一度で二度美味しいエクササイズです(笑)。
まとめ
ご紹介した腰方形筋ストレッチは上手くできましたか?
ご紹介した右左のストレッチを繰り返せば、十分に腰方形筋の筋トレにもなりますし、ストレッチも深まります。
また腰方形筋辺りのスジがコっているような場合には、ツボが大変お役に立てます。
腰のツボは自分でも圧しやすいので、腰のコリや痛みでお困りの方には腰のツボの圧し方がお役に立てると思います。