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首の筋肉、板状筋ストレッチの解説です。
板状筋は頸板状筋と頭板状筋がありますが、その働きは同じものなので板状筋としてまとめてご紹介いたします。
板状筋がよい状態に保たれることで首や頭が正しい姿勢で保持されるため、姿勢やプロポーションに影響を及ぼす筋肉ですので板状筋ストレッチで十分に柔軟性を養ってください。

板状筋は頸板状筋と頭板状筋、2つありますのでそれぞれの機能解剖的なことも記しておきますが、解剖学的なことがめんどくさい方は飛ばして板状筋ストレッチのやり方をご参考ください。
板状筋

板状筋には頚板状筋と頭板状筋があります。
板状筋は2つあり、頚板状筋と頭板状筋に分けられますがその働きは同じです。
板状筋の働き
板状筋の働きは3つあります。
両側の板状筋が収縮すれば頸椎が伸展し、右側の板状筋が収縮すれば首は右に側屈と回旋、左側の板状筋が収縮すれば左に側屈と回旋をします。
板状筋の働き
両側:頸椎の伸展
右側:頸椎の右側屈と右回旋
左側:頸椎の左側屈と左回旋
板状筋と反対に首を曲げる(屈曲する)胸鎖乳突筋は右側が収縮すると右側屈・左回旋と、収縮する側と反対の方向に回旋するので厄介ですが、板状筋は素直に同じ側に側屈と回旋をするので覚えやすいですね。
頸椎の伸展

首を後ろに動かす動きは頸椎の伸展です。板状筋は頸椎を伸展させる筋肉です。
頸椎を伸展させる筋肉:
- 板状筋
- 大後頭頂筋
- 小後頭頂筋
- 上頭斜筋
- 頭半棘筋
頸椎の側屈

首を横に倒す動きは頸椎の側屈です。片側の板状筋が頸椎を同じ側に側屈させます。
片側の板状筋が収縮すると同じ側へ頸椎が側屈します。
頸椎を側屈させる筋肉:
頸椎の回旋

首を回す動きが頸椎の回旋です。板状筋が収縮する側へ頸椎が回旋します。
片側の板状筋が収縮すると同じ側へ頸椎が回旋します。
頸椎を回旋させる筋肉:
板状筋の拮抗筋
その筋肉の働きと反対の動きをする筋肉を拮抗筋(きっこうきん)と呼びます。
板状筋は左右でも拮抗している筋肉ですが、前頸部の胸鎖乳突筋は頸椎の屈曲、側屈、回旋の働きを持っています。

板状筋と反対の動きをする胸鎖乳突筋。
首を動かす筋肉はたくさんあるのですが小さい筋肉も多くあり、その全部は理解しにくいと思います。
首を大きく動かす筋肉は、首を曲げる胸鎖乳突筋と首を伸展する板状筋、この2つを覚えてくれればいいと思います。
頚板状筋の付着部

頚板状筋の起始と停止
筋肉は体幹側の付着部を起始(きし)、遠位側の付着部を停止(ていし)と呼びます。
頚板状筋は上部頸椎から中部胸椎に付着する筋肉です。
頚板状筋の起始:
第3~6胸椎の棘突起
頚板状筋の停止:
第1~3頸椎の横突起
頚板状筋の起始

背骨の構造
頚板状筋の起始である胸椎は12個あります。
胸椎は略してTと記しますが、胸椎は7つの頸椎の下にあり、上からT1~T12(第1~第12胸椎)となります。
頚板状筋の停止
頚板状筋の停止である頸椎は7個あり、Cと記します。上からC1~C7(第1~第7頸椎)です。

首の骨、頸椎は上から第一~第七までの7つの椎骨をいいます。
頭板状筋の付着部

頭板状筋の起始と停止
頭板状筋は頭蓋骨の後ろから第7頸椎、上部胸椎に付着する筋肉です。
頭板状筋の起始:
項靭帯の下半分、第7胸椎の棘突起、第1~4胸椎の棘突起
頭板状筋の停止:
乳様突起、後頭骨
頭板状筋の起始
頭板状筋の起始である第7頸椎は大椎(だいつい)というツボでもあります。
首の後ろに手を当てると一番飛び出している骨が頸椎7番です。ここは大椎(だいつい)と呼ばれるツボがあります。
大椎(だいつい):
大椎(だいつい)と呼ばれるツボは、第7頸椎と第1胸椎の間にあります。大椎は風邪のひきはじめ、鼻の症状、肩こり、首こり、頭痛、せき、気管支炎、発熱など、熱性の異常の治療によく使われます。
疲れやすい体質、倦怠感、虚弱体質、アレルギー体質の方、アトピー体質の方には特に効果があるとされています。なんでツボのお話としたかというと、ご紹介するストレッチは、特に第7頸椎と第1胸椎の間を伸ばします。ここら辺の緊張を取り血行を促進させて、大椎にお灸をするような効果もあるからです。
大椎周辺を緩めると、首全体の緊張が取れやすいのです。
頭板状筋の停止
頭板状筋の停止部である乳様突起とはここ↓

頭板状筋の停止、乳様突起
乳様突起付近もツボが沢山あり、ここは先ほどの大椎と違って自分でも圧しやすいところです。
板状筋ストレッチ
板状筋はその働きの反対の動き、頸椎の伸展でストレッチすることができます。

首を前に曲げる動きが頸椎の屈曲です。板状筋は頸椎を完全屈曲することでストレッチすることができます。
この屈曲に側屈と回旋を加えると更に板状筋ストレッチが深まります。
回旋+側屈+屈曲の板状筋ストレッチ
首を左回旋、左側屈、そして屈曲することで右側の板状筋ストレッチになり、右方向への同じ動きで左側の板状筋ストレッチになります。
深く屈曲する板状筋ストレッチ
頸椎のストレッチとしてもご紹介しているものですが、とても深く首を屈曲できるストレッチがあり、板状筋ストレッチに最適ですが深く首を曲げていくため決して無理はせずに行ってください。
[aside type="warning"] 首を曲げている間に首を回旋、回すと首スジを痛めかねないので、このストレッチの最中には決して首を横に向けないでください。 天井とおへそを見るようにすると行いやすいです。[/aside]
勢いをつけて行おうとせず、ゆっくりと腹筋だけの力で足を上げていってください。
腹筋が弱くて足が上がらない方は無理に行う必要はありません、この板状筋ストレッチは無かったことにしましょう(笑)。

仰向けになり両手の平を床につけます。

膝を伸ばしたまま両足を上げます。

床を軽く手で圧すようにして背中を上げ足を頭の上に下ろします。

顎を胸に圧しつけていくようにして、おへそを見るようにしていくと更に首が屈曲され板状筋ストレッチが深まります。

足先が床につく人は両手を腰に当て少し圧すようにすると更に屈曲の板状筋ストレッチが深まります。この状態で深呼吸を10回ほど行います。背骨が伸びるように息を吸うと更に背骨全体の屈曲ストレッチになります。
戻るときは反対の動きでゆっくりと戻ってきてください。
まとめ

最後のストレッチは板状筋ストレッチだけでなく背骨全体の屈曲ストレッチができます。
背骨全体がストレッチされるのはとても気持ちがいいと思います。
あと頸椎には伸展のストレッチがあり、こんな形です↓
ヨガでいう魚のポーズですが、頸椎や胸椎を気持ちよく伸展できて、胸郭も広がるストレッチです。
頸椎ストレッチにてご紹介しています。ご興味のある方はご参考ください。