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足首、足関節について、その動きや足首を動かす筋肉や骨格、よくある症状やセルフケアの情報を徹底的に解説していきたいと思います。
足首を徹底的に解説というのは、私は昔に足首の外側の骨、腓骨を完全骨折して折れた骨が脛骨を押し出して内側のくるぶしが脱臼という甘い思い出があるので、リハビリやセルフケアなど足首に関しては個人的な経験から言えることが多々あるからです。
また治療家を志してからは、足首のお悩みやご相談もよく頂きますし、足首のスジやツボへの施術は得意な方なんです。
というわけで、足首についてのエトセトラを解説していきたいと思いますが、足首は自分でも手が届くしツボも圧しやすい、足首のストレッチなども安全に行いやすい部位ですので、足首の機能解剖的なこと、足首のよくある症状やセルフケアできることなど解説していきたいと思います。
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・足首を柔らかくする方法
・足首ストレッチ
足首
足の首、足首。
他に首がつくところは首と手首ですが、英語ではネック(首)にリスト(手首)、アンクル(足首)。
ハンドネックやフットネックとは言わないんですね。
足首は機能的にも足を動かす部位で、歩くのに欠かせない部分ですし、気の流れ(経絡)的にも経絡が集中していてツボも多くあります。
また足首は冷えやすく、気が滞る一番の場所。
ということは、足首の気の滞りを取れれば全身的な気の滞りを改善できる可能性があるということなんですね。
また日常的にも足首を痛めてしまったり、捻挫しやすい部位です。
足首が固かったり、柔軟性がなかったり、足首が弱かったりすると、足首だけではなくその上の関節の膝や股関節にも影響を与えてしまう部位でもあります。
またその反対もあり、股関節が固いから足首に負担をかけて痛めてしまったりもします。
足首の骨格
下腿の骨は2本あり、すねの骨(脛骨・けいこつ)と外側の骨(腓骨・ひこつ)があります。
脛骨と腓骨は足の骨と関節を作っています。
足首や足関節は各関節の総称であり、距腿関節と距骨下関節があります。
また足の骨の関節、ショパール関節やリスフラン関節、距舟関節があります。
足の指や指の付け根の骨はこまごましているので割愛させていただきますが、各骨が靭帯でつながり足首を保持しています。
足の内在筋や靭帯はとても細分化していて、私には全ては解説、画像化できませんので更に詳しく学びたい方は解剖学の本などをご参考ください。
足首の動き
肩関節や股関節に比べたら足首の可動域は小さい関節です。
また足首を内側、外側に動かす力も小さいものです。
足首の動きは足首を内側、外側に動かす「内反・外反」、足先を上にあげる(背屈)、下に下げる(底屈)、これらに合わせ母趾(足の親指)や他の4本の指の動き、指を伸ばす(伸展)、指を曲げる(屈曲)があります。
足首の内反と外反
やってみるとわかりますが、足首の内反と外反は足首だけの力ではとても小さなものです。抵抗をかけると分かりやすいかと思います。
内反や外反は、股関節を動かす筋肉と共同して初めて大きな力になります。
足首の背屈と底屈
足首を背屈する力も小さなものですが、足首を底屈するブレーキを踏むような動きは膝を曲げる筋肉と共同して大きな力を生み出します。
実はこの足首を底屈する動きは、気を使う上でもとても大事なのです。
足首と気の使い方
気を使うとは、体の気(力)の原理に即して最も効率的に無駄なく力を伝える、ということですが、踏む(底屈する)動きというのは下半身に力を入れて体の軸や中心を安定させるために重要な働きをします。
この内側にギュッと踏み込むような動き、これができれば最小の力で最大の力(気)を発し、力を最も効率的に伝えることができます。
また足首が力強く安定しているから、体の軸や重心が定まり力が逃げないとも言えますね。
足首と言えど全身的な動きに作用しますので、ご興味のある方は、気の原理や気を鍛える方法をご参考ください。
足首の筋肉
筋肉や骨格などの解剖学的なことと、気という力、ツボや経絡を一緒に説明できるのが私のいいところ。
なにせツボや経絡を施術するのにも、気の原理に即した体の使い方ができなければならないんです。
で、気の話は置いておいて足首を動かす筋肉を動き別にご紹介しておきます。
各記事にて筋肉の機能解剖とストレッチのやり方を解説しています。
足首に多い症状
足首、足関節は症状の多いところ。
スポーツマンや運動選手はもちろん、日常生活でも捻挫などをしやすいところです。
足首、足関節によく起こりうる症状をまとめてみました。
足首の捻挫
まず足首の捻挫。
誰でも一度くらいは経験しているのではないのでしょうか?
捻挫とは関節を無理にねじった場合のケガ全般のことですが、足首の靭帯や筋肉が部分的に伸びてしまい、部分的に切れてしまったりして痛みを生じる状態のことです。
特に足首で多いのが、足首を内側にねじる「内反捻挫」です。
足首は外側にはねじりにくくできていますが、内側にはねじりやすいんですね。
ちなみに私は、外側にねじり骨折&脱臼しました。
足首の腫れ
足首の腫れも多い症状ですが、腫れるのは内側のくるぶしが多いです。
捻挫時にも腫れやすいところですけど、結構身に覚えがなくても腫れるときがあります。
関節はケガなどでなくてもたまに腫れたりするんですね。
少し関節を動かす靭帯が伸びたり、炎症を起こしたり、身体は老廃物やエネルギーが出るときに症状を起こすものです。
東洋医学的には瞑眩(めんげん)と呼ばれたり、デトックス、毒出しなどという言葉もありますね。
シンスプリント
シンスプリントとは先ほどご紹介した足首を動かす筋肉、後脛骨筋・前脛骨筋・長趾伸筋の炎症による障害を言います。
下腿の内側に慢性的な痛みが起こるものをいいますが、過労性脛部痛とも呼ばれます。
上記の筋肉の付着部の炎症なのですが、ランニングやジャンプなどを繰り返すスポーツに多くみられる症状です。
アキレス腱断裂
アキレス腱断裂はよく起こりうる症状ではありませんが、私の周りでは結構やっている症状です。
50位のおっちゃんで運動不足、普段あまり体を使わないのに無理してアキレス腱断裂というパターンが多いです、私の周りは。
先ほどの足首の動き、つま先を上にあげる動き「背屈」で起こりえる症状ですが、手術して固定というのが一般的なようです。
足首のセルフケア
足首の骨折や脱臼、アキレス腱断裂などはしかるべき医療機関で処置を受けなければなりませんが、足首周辺のスジが痛い、スジのコリ、足首の固さなどは自分でもケアしやすい症状です。
なにせ手が届きますからね、ツボも圧しやすい。
足首は冷えやすいので、スポーツや運動する前は十分にストレッチなどでウォーミングアップしてケガをしないようにしてください。
足首を動かす各筋肉でもストレッチをご紹介していますが、ここでは足首の背屈と底屈、内反するストレッチをご紹介しておきます。
また足首が固い、ふくらはぎが固い、スジがこっているようなときにはツボ圧しが有効ですので、圧しやすい足首のツボを一点ご紹介します。
また冷えやすい足首や下半身を温める「冷えとり」もついでにご紹介させていただきます。
足首の動き、筋肉別のストレッチ
簡単に足首を背屈してふくらはぎの筋肉(腓腹筋やヒラメ筋)、アキレス腱を伸ばすには、
簡単に足首をストレッチするには、膝を伸ばしたままアキレス腱を伸ばせばストレッチできます。
壁から1mくらい離れて立って両手を壁につけ体を倒すと腓腹筋がストレッチされます。(ヒラメ筋は若干、膝を緩めて行うとストレッチできます)
足先は前に向け踵を床につけたままにするのがコツです。
更に深く足首をストレッチしたい場合は、床に手をついてストレッチします。
上記はヨガのアーサナ(ストレッチのようなポージング)の犬のポーズという形です。
肩のストレッチとしてもご紹介していますが、きれいな三角になるように、膝を伸ばして更に背中と腕がまっすぐに伸ばせられれば腓腹筋(アキレス腱)とともに肩関節や上腕のストレッチもできます。
ヨガの場合は呼吸をうまく使うので、上記のストレッチのポーズで腹式呼吸を行うと更に効果的です。
息を吐くたびにふくらはぎが緩まり、息を吸うたびに足首が更にストレッチされるのを感じてみてください。
腹式呼吸が初めての方はストレッチのための腹式呼吸をご参考ください。
ストレッチされている部分を感じる、意識するということもストレッチ効果を高めます。
比較的足首が柔らかい方は
更に深く足首をストレッチしたい場合は、胡坐をかいて足を組み前傾します。
これは左右行うので、足の組み方を変えて左右行ってください。
足首を深く内反できるストレッチですが、足首のみならず下肢の側面の筋肉が気持ちよくストレッチできる形です。
足首を柔らかくする方法、すねのストレッチとしてもご紹介している形ですが、足首がある程度柔らかくないと足を組めないので、足が組めない方はこのストレッチは無かったコトにしましょう(笑)。
足首のツボ
足首のツボとして有名な三陰交があります。
三陰交は婦人病や不妊症のツボとしても有名なのですが、滞りやすい下腿の気の流れを回復する効果のあるツボです。
ふくらはぎやアキレス腱の緊張も取れるツボですので、自分での圧し方をご紹介します。
三陰交の場所
下肢の内側、くるぶしの頂点から指4本分位上です。骨の際を上下に1~3センチの間で探ると、少しへこんでいるような箇所があります。骨の際に向かって押すと響くような、痛気持ちいいような、もしくは痛いところです。そこが三陰交というツボです。
ツボは決まった位置にはありませんが、だいたいの場所で、へこんでいるような箇所、肌の感じが柔らかい個所(逆に堅い個所)、圧すと響きが出る箇所などがツボです。
三陰交のツボの圧し方
上記の大体の場所でかまいませんから、親指で圧しながら数点探っていくと痛気持ちいいような、すごく痛い場所があると思います。人によっては足先に響くような感じがあるかもしれません。
その個所を10秒~20秒位、持続圧をします。5,6回ほど圧すと足先まで気が通ります。気持ちいいですよ。
三陰交への施術法は、足首のツボの圧し方として解説しています。施術家さんたちは足首の症状への施術法をご参考ください。
足首を温める足湯や半身浴
足首って冷えるんです。
今、自分の足首を触ってもらえばわかりますが、体幹より断然冷たいハズです。
心臓から体の末端に向かう動脈は心臓のポンプの働きで力強く血液をいきわたらせますが、その帰り道の静脈は元気がないんですね。
なにせ心臓のようなポンプがないし、重力の影響も受けます。
だから、ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれ、ふくらはぎの筋肉の収縮が血液を心臓に戻すポンプのような働きをしているのです。
血液も気も滞りやすいんですね、足首って。
だから、冷えとり健康法では絹の靴下を履いて冷えやすい足首を温めて気の流れを良くしていこうとしますし、半身浴などで冷えやすい下半身全体を温めるのです。
もちろん足湯もいいのですが、せっかくお風呂に入る習慣があるんだし、半身浴を習慣づけて冷えとりにいそしんだ方がいい。
半身浴のやり方:
- お湯はみぞおちくらいまで、心臓は温めません。
- 下半身だけ温めたいので、腕は必ず出して入ります。
- お湯の温度は39~40度くらい、熱すぎはいけません。
- お腹の中が温まるまで20分は入ります。長い分にはいくら長く入っても良いです。
- 工夫して半身浴を楽しみましょう。
さらに詳しくは体を柔らかくする半身浴のやり方をご参照ください。
半身浴は体の冷えを改善するのに大変効果的ですが、一日中半身浴できるわけではありません。
せっかく半身浴で下半身を温めても冷える日常生活を送っていたらあまり効果もない…。
特に足首は冷えやすいので、日常的に保温性が高く排毒作用も高い絹の靴下を履くのも冷えとりには欠かせません。
絹の冷えとり靴下については、恵比寿整体院でもすすめている優れものがありますので、ご興味のある方は足首を温める冷えとり靴下をご参考ください。amazonから買えるようにしています。
また就寝時なども冷めにくい足首を温める陶器の湯たんぽなど足元に置いておくコトも冷えとりには大変、効果的です。
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足首のエトセトラ・まとめ
一生お付き合いする体ですからね、足首に限らず自分の身体に理解を深めるのにお役に立てたらうれしいです。
あと臨床的なことですが、足首の症状は足首だけの問題ではありません。上位の関節、膝関節や股関節が歪んでいたり固かったりすることにより、足首に負担がかかり痛めてしまうということも良くあります。
全体性が大事だということですが、特に足首のケアと合わせて行っていただきたいのは股関節ですね。
股関節については股関節を柔らかくする方法にて、徹底的に解説していますのでご興味のある方はそちらもご参考ください。