腸骨ってどこ?の解説ですが、腸骨を含めた骨盤って少しややこしいので骨格標本で分かりやすく解説したいと思います。
腸骨ってどこ?
腸骨はここ↓
腸骨、坐骨、恥骨を総称して寛骨(かんこつ)と呼ぶので、寛骨なのか腸骨なのか、よくわからない人も多いと思います。
腸骨、坐骨、恥骨は生まれた時から成長期までは軟骨結合している別々の骨で、大人になると融合して一つの寛骨になります。
そしてその寛骨と仙骨(尾骨を含む)を骨盤というんですね。
寛骨の上部2/5が腸骨
大人になって腸骨が坐骨、恥骨と融合してしまうと、境目がよくわからなくなるので寛骨の上部2/5を腸骨としています。
その基準はどこかというと、
大腿骨が寛骨にハマって股関節を作っているくぼみを寛骨臼と言います、ここから上部2/5が腸骨なんですね。
後方下部2/5が坐骨、
前方下部1/5が恥骨です。
腸骨は扁平骨に分類されます。
腸骨が作る関節
腸骨を含めた寛骨は大腿骨と股関節、腸骨と仙骨で仙腸関節を作っています。
腸骨と仙骨の関節、仙腸関節は数センチしか動かず、恥骨結合はほとんど動きません。ともに強力な靭帯で保持されている部分です。
股関節は肩関節の次に可動できる関節ですが、その構造から亜脱臼や脱臼は起こりにくい関節です。
触診の目安ともなる腸骨
腸骨には触診の目安となる部位があり、自分でも触って確かめられます。
その部位とは3つありますが、まずお肉が多めの方でもここだけは出ている上前腸骨棘(じょうざんちょうこつきょく)。
あとは腰の部分の腸骨稜(ちょうこつりょう)、ここもほとんどの方は触診できますが、あまりにもふくよかな方はお肉に埋まっているかもしれません。
そして仙骨の横の下後腸骨棘、ここもほとんどの方は触診できると思います。
棘(きょく)とは骨の出っ張っている部分で、腸骨の他に背骨や肩甲骨にも棘と名前の付く部位があります。
上記の3つの部位は他の部位を触診、施術する際にも目安となるところです。
私もまずここを確かめてから、他の部位を想定して触診や施術を行います。