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仙腸関節ってどこ?の解説です。
仙骨と腸骨が作る仙腸関節(せんちょうかんせつ)ですが、ここはわずかに歪みが生ずるところで、骨盤の矯正などはおもにこの仙腸関節の調整をすることをメインにしています。
骨盤を作る骨は少しややこしいので、骨盤の骨の解説とともに仙腸関節の中身などの画像も交え解説したいと思います。
実は私、ツボや経絡の施術に目覚めるまでは一般的な整体、骨盤の矯正や筋骨格の矯正、気や経絡などではなく解剖学的な整体療法を学び施術もしてきました。
その中でも仙腸関節の矯正は必須のものでしたが、気や経絡の施術を行うようになってからは重要視しなくなりました。
(これは筋骨格の歪みも気の歪み(気の虚実)がその根本的な原因だから、ツボや経絡への施術が一番望ましいと感じているからです)
でも、せっかく学んだことだから仙腸関節の解剖学的な解説や骨盤の歪みに関わる仙腸関節の変位を解説したいと思います。
また仙腸関節の中身はあまり見ることがないでしょうから、久しぶりに仙腸関節を開けてみたいと思います。
骨盤の構造
まず初めに骨盤は各種の骨の集まりで、一般的にはあまり知られていないこともありますから、骨盤の構造を説明したいと思います。
骨盤の骨とは、寛骨と仙骨(尾骨を含む)です。
寛骨は腸骨、坐骨、恥骨の融合したものです。
この3つの骨は大人になるまで軟骨結合している別々の骨で、大人になると融合して一つの寛骨となります。
ここがややこしいんですね、恥骨や坐骨などは名前は知っているけど、いまいちその違いや位置が分からない方も多いと思います。
寛骨の大腿骨がすっぽりハマって股関節を作っているくぼみを寛骨臼(かんこつきゅう)といいます。
この寛骨臼から上部2/5が腸骨、
前方下部1/5が恥骨です。
後方下部2/5が坐骨、
腸骨、恥骨、坐骨とは骨盤を構成する寛骨の一部分なんですね。
意外と知らない骨盤の骨格事情でした。
骨盤を作る骨や筋肉について更に詳しく知りたい方は、各骨格の解説をご参考ください。
骨盤を作る骨と関節
寛骨ってどうなってんの?
仙腸関節(せんちょうかんせつ)ってどこ?
では骨盤の骨格に理解が深まったところで、仙腸関節ってどこ?を解説すると、
仙腸関節はここ↓
文字通り、仙骨と寛骨の腸骨部分の関節です。
仙腸関節を後ろから見るとこんな感じ。
仙腸関節を開けてみると
では、禁断の仙腸関節を開けてみるとこんな感じ。
仙骨に耳状面という溝があり、腸骨の出っ張りがそれにハマっていて、わずかながらに仙骨と腸骨がずれるように動けるようになっています。
大人で2~3㎝の動きの遊びがあるんですね。
仙腸関節は強力な靭帯によって保持されていますが、わずかながらの遊びのある部分です。
仙腸関節の動き
仙腸関節は仙骨を軸として腸骨(寛骨が回転するような動きと寛骨を軸に仙骨が回転するような動きをします。
仙腸関節は左右ありますので、この仙腸関節の左右のバランスや仙骨の傾き具合が骨盤の歪みとして現れます。
足の長さと仙腸関節の歪み
なんとなく仙腸関節のアンバランスさが骨盤の歪みや足の長さに関係しているのだと理解できるのだと思います。
左右の足の長さの違いなどは、矯正的な整体などで施術するかと思いますが、そのほとんどはこの仙腸関節への施術です。
で、ここからがまたややこしいのですが、単純に考えれば仙腸関節が下にずれれば足が長くなりそうなのですが、実は仙腸関節が下にずれた方が足が短くなります。
これは下肢の骨格のねじれによるものですが、後方下部に変位した方の足が短くなり、前方上部に変位した方の足が長くなるということです。
仙腸関節を動かす筋肉
股関節の動きや下半身の動き、体全体の動きで仙腸関節は動きますが、仙骨に直接付着している筋肉もあります。
小さい筋肉もたくさんありますが、大きい筋肉で仙骨に付着しているものには梨状筋や大殿筋があります。
仙骨を起始とする梨状筋
梨状筋はお尻の奥の筋肉で深層外旋六筋の一つです。
梨状筋がこってきたり緊張してくると、坐骨神経痛を引き起こしやすくなります。
また仙骨に付着しているため梨状筋の緊張やコリは仙腸関節の変位を招きます。
仙骨を起始とする大殿筋
またお尻の表面の大きな筋肉である大殿筋も仙骨や腸骨、仙腸関節周辺を起始とする筋肉です。
まとめ
梨状筋、大殿筋の解説でストレッチもご紹介していますが、仙腸関節の歪みの原因は部分より全身的なものです。
ですので部分を矯正するより、全身的なバランスを整える方がいいと私は思っています。
全身的なバランスの乱れが、仙腸関節の変位を引き起こしているのだとすれば、対処療法も必要だけれども全体的な治療(東洋医学では根治といいます)も大事ですもんね。