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太ももストレッチのやり方とコツの解説です。
4つの面から見た太ももストレッチをご紹介しますが、まず大事な太ももストレッチは太ももの表と裏のストレッチです。
太もも前面は膝を伸ばす大腿四頭筋、太ももの裏は膝を曲げるハムストリングス、ともに歩行に関わるだけでなく、ジャンプ能力にも関与し、自分を支える働きを持つ大事な筋肉です。
太ももの内側と外側は、表裏ほどは重要ではないのですが、太ももの内側は股関節とも関連深い場所ですし、太ももの外側の大腿筋膜張筋などは冷えなどでコリやすいところです
太ももの表と裏(前面と後面)、内側と外側、この4つの面のストレッチをご紹介するので、太もものストレッチしたい部位の解説をご参考ください。
太ももって書くと情緒があっていいですね、解剖学的には大腿(だいたい)と呼びますが、太ももと書いた方がグッとくる。
太ももの4つの面のストレッチをご紹介しますが、まず大事なのは太ももの前面後面の柔軟性なので、太ももの前面と後面のストレッチを基本として行い、必要であればそれに太ももの内側と外側のストレッチをプラスしてください。
太ももの4つの面は4つの動きをする部分です。
筋肉の働き、動きと反対の動きをすればその筋肉はストレッチできるので、太ももの筋肉などの機能解剖学的なこともご紹介していきますが、解剖学的なことがめんどくさい方は飛ばして太ももストレッチをご参考ください。
ストレッチ基礎知識
太もも
太ももの骨は大腿骨(だいたいこつ)です。
足は大腿骨が一本あり、その下に脛骨と腓骨の2本の骨があります。
腕も上腕骨が一本あり、その下に橈骨と尺骨の2本の骨があります。
このような構造だからこそ、手や足先をねじるような複雑な動きができるんですね、身体って上手くできてるもんです。
大腿骨は骨盤と股関節を作り、脛骨と膝関節を作っています。
太ももと股関節
股関節は比較的自由に動かせる関節で太ももを円を描くように動かせます。
太ももと膝関節
太ももと下腿の間、膝関節は曲げる・反る(屈曲と伸展)動きが主です。
膝から下を内側に動かす内旋や外側に動かす外旋は、動きも小さく力も弱い動きです。
ストレッチする太ももの筋肉
太ももの前面は人体で最大の筋肉と言われる大腿四頭筋(だいたいしとうきん)で、太ももの裏側はハムストリングスです。
太ももの内側の筋肉は足を内転させる筋群で、太ももの外側は足を外転させる筋群です。
太ももの前面
大腿四頭筋は4つの筋肉の総称で、大腿直筋・外側広筋・中間広筋・内側広筋からなります。
太もも(大腿四頭筋)のストレッチでもご紹介していますが、ジャンプ能力に関わるスポーツマンにとっても重要な筋肉で、膝を伸ばす(伸展)筋肉です。
正座すると太ももの前面が張って痛い、正座すると膝が痛いような方は、前面の太ももストレッチを行いましょう。
また、太ももの前面は筋肉痛になりやすいところです。後述する前面の太ももストレッチは筋肉痛の予防や解消に役立つハズです。
参照リンク:大腿四頭筋(外部リンク)
太ももの後面
太ももの後面のハムストリングスも大腿二頭筋・半膜様筋・半腱様筋の総称で、主に膝を曲げる(屈曲)筋肉です。
太もも(ハムストリングス)のストレッチでもご紹介していますが、ハムストリングスは大腿四頭筋と対をなす筋肉で、立って膝を曲げずに前屈して手が床につかないような方は明らかにハムストリングスの柔軟性不足です。
ハムストリングスの柔軟性のなさ、弱さは膝の安定を損ない膝のケガの原因ともなりかねません。
太ももの裏が固いような方は、後述する後面の太ももストレッチを行って太ももの後面の柔軟性を取り戻しましょう。
太ももの内側
太ももの内側は、内転筋(短内転筋・長内転筋・大内転筋)、恥骨筋や薄筋などの足を内転させる筋肉があります。
内転筋群は一つ一つは小さなものですが、股関節を曲げる筋肉と強調して足を内側に動かします。
あまり太ももの内側が痛くなったりコってくることはないのですが、開脚ができない人や足があまり開かないような人は、太ももの内転筋群の柔軟性不足です。後述する内側の太ももストレッチで柔軟性を回復しましょう。
太ももの外側
太ももの外側には大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)、腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)があり、お尻の筋肉(大殿筋・中殿筋・小殿筋)などと強調して足を外転させます。
大腿筋膜張筋や腸脛靭帯は冷えに弱いスジとも言えます。
寒い時期に寝床が冷たく横向きになって寝ていると、太ももの横のスジが冷えて固くコッてきてしますんですね。
太ももの横のスジが痛い、コっているような方は外側の太ももストレッチを行ってください。
太ももを鍛えるとダイエットにいいはホント?
大きい筋肉は活動にエネルギーを多く使うので、大きい筋肉を鍛えたり運動させることは代謝を上げるのにいいと言われています。
大腿四頭筋を鍛えるとダイエットにいいというのは、他の小さい筋肉よりカロリーを使う大きい筋肉だから、大腿四頭筋のエクササイズでダイエット効果があるというのはあながち嘘ではありませんね。
太ももストレッチのコツ
実はストレッチにはコツがあります。
一般的なストレッチはその筋肉が伸びるような形をとるだけですが、それだけではなかなか柔軟性は回復せず準備運動くらいの効果しかありません。
私がおススメするストレッチは呼吸を上手く使ったストレッチです。
ヨガのように呼吸を深く行い(完全呼吸)ストレッチを行うと息を吸うたびに更に身体がストレッチされ、息を吐くたびに身体が緩まるのを感じ取ることができます。
太ももストレッチの前に、ストレッチ効果を高める呼吸法をご紹介しますが、後述する太ももストレッチも決して無理はせずに呼吸を深めることをメインに行ってみてください。
ストレッチのコツ:腹式呼吸・完全呼吸のやり方
息は口から吐いて、鼻から吸うようにします。
腹式呼吸とは横隔膜を上げ下げするようにお腹を膨らましたりへこませたりする呼吸法です。
この腹式呼吸がねぇ、結構皆さんできないんですね。
男女問わず腹式呼吸が苦手な方が多い。
本来は男性より女性の方が呼吸が浅い体質なのですが、私が診るところ男性も同じくらいに呼吸が浅いんですね。
呼吸が深いとエネルギーも多く取り込めますし、精神も落ち着く。
深い呼吸が苦手な人は、太ももストレッチの前にお腹に手を当てて少し腹式呼吸だけして心身を落ち着かせてみてください。
この腹式呼吸に胸式呼吸を合わせたものが完全呼吸です。
- まず息をゆっくり完全に吐きます。
- ゆっくり腹式呼吸をしてお腹を膨らませます。
- 更に胸や肋骨を広げるように息を吸い続けます。
- 胸がめいいっぱい広がったら肩を上げるようにして息を吸い続けます。
- めいいっぱい吸ったら、口からゆっくりと限界まで息を吐いてください。
- この完全呼吸を10回ほど繰り返すだけでも、胸が広がり下腹部の内臓のマッサージにもなります。
- ストレッチもご紹介するストレッチの形をとり、10回ほど完全呼吸をしてみてください。
コツは息を吸うときに背骨を伸ばすようにして、息を吐くときはできるだけ身体の力を抜いてください。
特に固く筋張っている太もものハムストリングスは、丁寧に呼吸を上手く使わないとなかなか柔軟性は回復しません。完全呼吸を行うことを優先してご紹介する太ももストレッチを行ってください。
更に詳しくはストレッチ効果を高める腹式呼吸をご参考ください。
前面の太ももストレッチ
では、まず膝を曲げて太ももの前面を伸ばす太ももストレッチのご紹介です。
先ほどの大腿四頭筋のストレッチですが、太ももの前面を伸ばすには膝を完全に屈曲させます。
簡単に行える前面の太ももストレッチ、床で行うより深く行える太ももストレッチ、太ももの前面と股関節をストレッチできる形、3つの前面の太ももストレッチをご紹介します。
ご自身の太ももの状態にあったストレッチを行ってください。
初級編・立って行えるストレッチ
やっていただければ分かりますが、よほど太ももの前面が固い人でなければ簡単すぎて物足りないハズ。
もっと深く前面の太ももストレッチしたい方は、床で行う方法があります。
中級編・床で行うストレッチ
上記のように背中をつき手を上げて、息を吸うたびに背骨を伸ばすようにすると更に前面の太ももストレッチができます。
膝のストレッチ、すねのストレッチとしてもご紹介していますが、前面の太ももストレッチができるだけでなく足首やすね、呼吸を深く行えばお腹の中や背骨までストレッチすることができます。
上級編・股関節と前面の太ももストレッチ
股関節と太ももの付け根ストレッチとしてもご紹介していますが、前面の太ももストレッチだけでなく股関節を伸展できる太ももストレッチです。
特に前面の太ももの付け根がストレッチできる形です。
上記の姿勢をとり完全呼吸で、背骨を大きく伸ばすように呼吸をすると呼吸のたびに身体が緩んでくるのが実感できるはずです。
さらにいける人は、
ストレッチは身体の中心から緩めてから他の部位(手や片足などの身体の中心から離れた部位)のストレッチを行うのが効果的です。
このストレッチは身体の中心を緩められるストレッチの基本のようなものですから、このストレッチ・ツボブログでも一番におススメしているストレッチです。
このストレッチと後面の太ももストレッチを行っていただければ、太ももの前面と後面の大きな筋肉(大腿四頭筋とハムストリングス)をストレッチすることができます。
また、更にこのストレッチを深めていくこともできます、こんな感じに↓
腸腰筋(太ももの付け根)のストレッチで動画付きで解説しています、チャレンジしたい方はご参考ください。
後面の太ももストレッチ
後面の太ももストレッチは2つあります。
立って行える後面の太ももストレッチと床で片足ずつ行う太ももストレッチです。
立って行う後面の太ももストレッチ
太ももの後面は、座っても立っても膝を曲げずに上半身を前屈していけばストレッチすることができます。
でもこれだけではいまいちなので、ここでは身体のつながりを使ったより後面の太ももをストレッチできる形をご紹介します。
身体の仕組みや身体のつながりを使ってもっと深く後面の太ももストレッチができます。
下の写真のポーズをとり、完全を10回ほど行ってください。ゆったり大きく呼吸をしないと大きいスジ(太もも後面のハムストリングス)は緩みにくいのです。
やっていただくと太ももの裏側、ハムストリングスが伸びてるなぁ、という気持ちいい実感があると思います。
先ほどのただの前屈より断然、ストレッチできている感覚があると思います。
肺経・大腸経のストレッチとしてご紹介している形ですが、この後面の太ももストレッチのコツは、お腹を丸めずにお腹を太ももに近づけていくようにするとより太ももの裏のハムストリングスがストレッチできます。
部分的なストレッチと言えど、全身はつながっているのでその全体性を上手く使ったストレッチです。
片足ずつ行うストレッチ
上記のストレッチでも十分だと思いますが、片足ずつより深く後面の太ももストレッチできる形もあります。
踵を押し出すようにするとよりアキレス腱のストレッチになり、背骨を伸ばしてから前屈していくとより後面の太ももの付け根がストレッチできます。膝裏を伸ばすように行うと膝裏の膝窩筋のストレッチになります。
内側と外側の太ももストレッチ
ご紹介した前面と後面の太ももストレッチが基本ですが、太ももの外側や内側が固いような方のストレッチもあります。
内側の太ももストレッチ
太ももの内側は足を内転させる筋肉ですので、足を外転させればストレッチすることができます。
外側の太ももストレッチ
外側の太ももストレッチは難しいのですが、簡単に行うならば、
上記の形はある程度、膝や股関節が柔らかくないとできませんので決して無理はしないでください。
上記の姿勢が取れない方は、
胡坐が組めない方はこのストレッチは無かったことにしましょう(笑)。
外側の太もものスジ(大腿筋膜張筋や腸脛靭帯)はストレッチしにくい部位ですが、上記の姿勢で上手く伸ばせると大変気持ちいいスジです。
外側の太もものスジがコっていたり違和感があるんだけど、身体が固くて上記のストレッチができない方にはツボ圧しでスジを緩めることもできます。
太ももストレッチと合わせて覚えたいツボ
太ももの前面の付け根(鼠径部)や外側の太もものスジがコっていたり、緊張して違和感があるような場合はツボ圧しが有効です。
立っていても圧せますが、床に横向きに寝ると表面のスジが緩んで、より深いツボを探すことができます。
横向きに寝て下、床に向かって圧していくのがコツです。
お尻の横の太いスジを圧していくようにすると、太もものスジに響くような感じがあると思います。
ツボは正確に圧せると響きがあります。響きとは気の滞りが取れていく証ですので響くような部位やスジを圧していってください。
響くようなところを10秒ほど持続圧(圧しっぱなし)し、5,6回繰り返して圧してください。
まとめ
まず大事なのは前面と後面の太ももストレッチで、それを行ってから外側や内側の太ももストレッチを行ってください。
完全呼吸を使えば、ストレッチの効果は全身に波及していきます。
背骨や全身が伸びるように息を吸うと太ももだけでなく股関節や足首、背骨まで気持ちよくストレッチできるはずです。
全身に動きが伝わっていくためには完全呼吸が重要ですので、ストレッチの形をとり呼吸を深めていくのを心がけてください。